学生の試験シーズン終わる

 大学で前期試験が先週あらかた終わった。
 文系で、それも大学の試験なんてちょっと要領をつかめばなんとかこなせると思っている人が多いかも知れないが、当人たちにしてみるとこれは相当ウツな行事だ。私は文学部で、実学系学部よりもはるかに試験は楽だった。それでも、卒業して10年近くたついまもってなお、試験要綱が張り出される掲示板の前で真っ青になっている自分の夢を見るのである。
 理系や実学系学部の学生の試験対策は模解、教科書、問題集を使って、理解、暗記、問題演習を繰り返す。試験用紙の多くは2~3行の短い問題と、あとはB4タテ一枚に7ミリおきに横罫が引いてあるシンプルなものだ。これにガリガリと回答をボールペンで記入していくのである(鉛筆はダメ)。
 回答すべき文字数は千字を超え、一夜漬けや生半可な付け焼き刃では歯が立たない。終わってこそ、「要領でこなす」などとうそぶけるかも知れないが、試験シーズン中は本当に身骨削る苦労がのしかかるのである。
 私は泣きながら勉強する彼女(実学系学部の学生だった)をみて驚いた。そして率直にこう思った。学生が大学で、こんなに勉強しなければならないなんて、なんて理不尽なんだろうと。大学で学生が勉強するのは当たり前というのが筋だが、私は理不尽だと思ったのである。まあこれは実際に大学にはいって通ってみないことには分かってもらえないだろうが。
 興味のないことを、「単位」のために、脳味噌がバリバリ音を立てるほど勉強しなければならない、それが理不尽だと思った次第だ。教授の趣味的な、狭い、本当に役に立たないようなマニアックなことを。その教授の趣味ぶり、狭さ、専門性が吐き気を催させるのだ。
 そして、今週、同居している歳の離れた弟が、10年前の私たちのように泣きながら勉強している。内線電話を通じて聞こえるその声のトーンは、深刻なうつ病にかかっているかのように重く暗い。
 やりたくないことをやらないと次に進めない、という点では、これはある意味社会に出る訓練の一貫だったのかも知れない。
楽勝科目の常連だった市川哲也
Alt-fetish.com
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「学生の試験シーズン終わる」への1件のフィードバック

  1. 私は現理系学生ですが試験は大変でしたね。
    院に入ってからは少々楽になりましたが。(科目によっては試験すらなかったりします)
    書かれているようにガリガリやった覚えはあまり無かったり。
    楽しているとか覚えてないだけかもしれませんが。
    >その教授の趣味ぶり、狭さ、専門性が吐き気を催させるのだ。
    私はよく理工系の一般書を読むのですが、
    研究者が書いた本はしばしばそういうものがありがちですね。
    言葉の解説までは上手くいっても、
    内容は化学式や計算の羅列だったり。
    また一般的な話題で引っ張っておきながら、
    どうでもいいマニアックな方向に話が行ったり。

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