マスクフェティッシュ

 日々の暮らしのなかで、フェティッシュな欲求とどう折り合いをつけていくか。手前味噌ながら自分自身の事例でお話ししたい。
 筆者のケースは、同居人がいて、もちろんフェチについてはばれて欲しくない。だからマスクとかキャットスーツ、フェチ雑誌やビデオは目に付かないところに隠してある。
 親戚などが遊びに来たときに、そんなものを見つけられたら目も当てられない。フェチは密やかな趣味である。だからこそ、フェティッシュプレイをするときの感興も大いに盛り上がる。
 普段は家族が寝静まった夜に、そういう行為に及ぶことになる。しかし、寄る年波に勝てず、イったあとのラバーを脱いだり洗ったりの処分を想像すると、それだけで萎えてしまうこともある。
 しかし、フェティッシュ・プレイへの欲求は夜ふけるごとに高まり、それを抑えきることができない。そんなときに、手軽にすまそうと思ったら、私はマスクだけかぶるようにしている。
 マスクをかぶれば、顔面の圧迫感が例のフェチの本能に火を点ける。まるで別人のようになってしまうようで、先ほどの面倒くさいという感じはなくなり、手元にキャットスーツなどあろうものならたちまち着てしまうほどだ。
 マスクなら、簡単にビザールスタイルを身に着けることができる。顔は人の人格を象徴している重要な部位であり、それをラバーマスクで覆ってしまうということは、とりもなおさず人格のフォーメーション(変態)をもたらす。マスクをかぶった状態の自分を鏡で眺めればあっという間にフェティッシュワールドへジャンプできる。
 忙しい日々の暮らしでも、マスク一丁あればそこそこのプレイを楽しめるというお話であった。ところで最近、マスクといっても、バルーンマスクといって、二重になったマスクの内側に空気を注入してふくらませるタイプのオーダーが増えている。
 BLACKSTYLEのこの商品である。
 じつは筆者はまだ未経験だ。しかし、マスクはきつめに限るし圧迫感を味わうためにフルフェースヘルメットをかぶることもある私の、顔面圧迫欲の行き着くところはもしかしてここなんではないかと、むしろお客様に教えられているような気がする。
 次回はこのマスクを自分用にも頼んでみて、サンプルとしてかぶってみたいと思っている。
 フェティッシュアイテムで、試してみたい新商品はいろいろある。Alt-fetish.comとしては以前、ブーツの輸入販売をしようとアンケートを取った。結果はここに表示しているとおりである。
 一番人気のブーツは、あまりにオーソドックスであり、うちなんかが数万円出して売るよりも、ヒラキの通販で買うのが経済合理性にかなうため、どうしても本格販売に踏み切れないでいる。ヒラキは100円スニーカーで有名だが、ブーツも26センチまであって、なんと3900円とかで通販で売っている。
 外国産でも27センチくらいまでがせいぜいなので、ブーツを欲しい人はヒラキで買うのが正解だろう。もちろん安物なのでそれなりの品質しか期待できないだろうが……。
Text by Tetsuya Ichikawa
Alt-fetish.com