ラバーを着るには体力がいる

 ゴムだしのびないからね。ここんところめっきり寒くなってきたので、ラバーを着るのに好適なシーズンを実感している。
 冒頭にも書いたとおり、ゴムを着るのはけっこうしんどい。伸ばしながら着るわけで、昔、週刊少年サンデーの後ろの通販広告に乗せられて買った、ブルーワーカーを思い出す。ブルーカラーじゃないよ。ブルーワーカーという商品名。楽天で引いたら出てきた。まだ売られているんだ、ビックリ! 同じデザインで懐かしー。
 この商品は、強いバネ状の棒を押したり引っ張ったりして筋肉を鍛えるという趣旨。ラバーを着るときも、一定期間ラバーを引っ張っていなければならないときがあって、筋肉を使う。毎日これを着たり脱いだりしていれば、必ず筋肉がつくだろう。
 そんなわけで、けっこうラバーを着るときは覚悟がいる。あー億劫だなーと思ったとき、それでもラバーを着たいというもやもやが残ってしまう。そんなばあいの筆者の対策「二段階ビザール法」はこうだ。
 まず、ラバーを着ようとか、自分は変態なんだとか一切思わない普段の日常の生活時間中に、掃除とかの合間に変態グッズを大きめのバッグに一式詰め込んでしまう。その際に、ラバピカとか、ティッシュとかローションとか、あれこれ深みに降りるときに必要なもろもろのアイテムも一緒に放り込んで、準備万端にしておこう。
 そして、夜、丑三つ時がやってきたらそのバッグの出番だ。あとはバッグのファスナーを開けて中からとりだし、一点一点着るだけ。いちいち、普段の保管場所から必要なものをあれやこれやと引っ張り出してくるのにくらべ、全部着る時間が短縮されてたいへんよい。
 もっともこのバッグを、事情を知らない同居人に発見された結果、読者が被るであろう想像を超えた精神的・物理的損害については、当方はその責任を負いかねることはいうまでもない。
「じつは変態だった、しかしもう足を洗おうと思って捨てる準備をしていた」とか言えばいいか。
Text by Tetsuya Ichikawa
Alt-fetish.com