家計簿をつけると?

 「あなたの人生において、なにをすることがお金を増やすことにいちばん役立つだろうか、考えてみてください。株式投資ですか?ドル相場ですか?それともバクチでしょうか?そんなことはないはずです。あなたのもっとも有力な収入源は、現在の仕事からの収入=給料であるはずです」
「たいへん申し訳ありません。でも家計簿はつけなければならないのです」
「重要なのは家計簿を元に家計の支出を管理することです」
これ、誰がいっていることか想像できますか。木村剛さんです。『投資戦略の発想法』、3年前の2001年に出た本です。
筆者はいわれたとおり、パソコンソフトを使って家計簿をつけています。
家計簿をつけると、自分の人生がいかに薄氷の上に成り立っているかが分かります。バランスシートとはよくいったもの。お金のバランスが崩れるともうすべてパアです。パア。
怖くて旅行にも行けません。家計簿をつけていれば、旅行による穴はどのくらいで埋まるとか、そういうことが見通せるから、いいです。そのために、また働こうという前向きな動機も生まれます。
家計簿は、いま現在のお金の状況のみならず、いまは、前年同期とくらべてどうなのか、また来年はどうなりそうなのか、といった流れがつかめます。
そう考えてみると、家計簿を通じて人生の一面が見えるわけです。ちなみに、FPは家計簿をつけている人じゃないと相談自体できない=お客さんになってもらえないです。家計簿をつけていれば、FPなんかに頼る必要はなくなります。FPが食えないのも、この家計簿に答えがありました。
まあもっと言えば、家計簿を出発点にお客さんの夢の実現のお手伝いをするというFPの役割に金払おうっていう発想がどうしても出てきてくれない。いや、じつはそういう発想でFPと付き合っている人は増えているのかも知れない。実感はないけど。
Text by Tetsuya Ichikawa
Alt-fetish.com