悪魔と創造説

 冷静に考えればアホみたいなことに大の大人が夢中でハマるという、カナシイ人間の未熟さが感じ取れる話題をふたつほど。
 150年前にダーウィンが唱えた進化論なら、そこら辺の中学生でも知っている。人間はサルから進化したイキモノだというあれ。もし「エーそうじゃないよ」なんていうなら、もう一度義務教育の最初からやり直せ、という話になろう。人間はサルから進化した、これは科学的な知識であり、疑いを差し挟む余地はない。
 ところが、「人間はサルから進化したのではない。神がおつくりになられたのだ」と真顔で信じ込んでいる子供じみた人々が国民の過半数を超える国がある。なんのことはない、それはアメリカだ。神が造ったとする創造説は最近ではID(インテリジェントデザイン)といわれて、進化論支持者を上回る勢いでID信者が増えている。ブッシュ大統領ですら、学校は進化論とIDの両方を教えるべきだという始末。
 もう一つ、非科学的な言説が人々の心をつかんで離さなくなっている例として、イタリアでいまエクソシスト(悪魔払い)が流行っているというのがある。富裕層は悪魔崇拝の秘密組織に入って関連書物を読む。若者は協会を襲ったり悪魔つきと称して仲間を殺したりしているケースもある。
 こういうのが受けるのは要するに面白いし、それなりの満足感が得られるからに違いない。人間はサルから生まれたのじゃなくて神が造ったとか、理不尽なことは悪魔のせいとかいってたほうが、中学時代の理科の教科書を引っ張り出して復習するよりもはるかに面白いし楽しい。ただそういう流れというのは怠惰の流れ、堕落であって、結局はろくなことにならない気がしている。
 話として熱狂できるから小泉自民を支持した結果、いま日本国民の(とりわけサラリーマン)の多くは言いしれぬ後悔に苛まされることとなった。政府与党がサラリーマン層を中心に大増税を実施しようとしている。もっと勤勉に支持政党を研究していればよかったのでは無かろうか。とはいえ他にじゃあどんな党があって何ができたのかといえばこれがまったく解なしというところがいかにも苦しいのだが。
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市川哲也
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