憲法を変えるのは愚の骨頂

 ニュースによると衆参両院の憲法調査会(そんなもんを作っていること自体がうさんくさい)は「憲法は改正すべきだ」という「考え」を最終報告書(法的拘束力なし)に盛り込むことにしたという。
 憲法改正ではまず憲法の役割に対する深い理解が欠かせない。
 いまの日本国憲法はアメリカがつくったものを和訳した。占領軍は、戦時中に、たくさんの日本の民衆がアホな為政者、軍部にいいようにされたことにかんがみ、為政者が国民の権利を勝手に侵害できないよう、この憲法を最高法規としておいた。条例とか規則、省令、内閣府令といろいろな法令があるけれども、そういうものとは比較にならないくらいに重要な法律、それが憲法だ。もちろん、国民の権利を侵害するもっとも顕著な機会、戦争には一切関与しないということも書いてある。
 戦争しないことには、または子供がどんどん産まれないことには、資本主義というのは基本的に行き詰まるようになっている。だから財界は政治家と結託して戦争できるようさかんにやっている。
 会報ナベツネ(公称読売新聞)をみれば、財界の息のかかったきな臭い極右の論調がどんなものか、たちどころに理解できる。このあいだも、自衛隊のどっかの演習を記者が見てきて、一面に「自衛隊の存在感を示さねばならない」などと結論。こんな大規模なメディアがなんてことをと、筆者はぞっとした。
 もちろん、筆者だって資本主義の恩恵なくして生きていけない(共産主義やらほかのへんな制度はまっぴらごめん)。そうは言っても、いまの為政者や大規模資本の連中の右傾化は不愉快だし危険なものを感じる。せっかくこの、敗戦国にもかかわらず今のところ努力してまあまあなポジショニングに着けてるんだから、ここら辺で、右にも左にも寄らず、環境とか平和とかでお茶を濁しつつ押しとどまればいいと思う。
 国民のみなさん(公務員や国会議員ではない人たち)は間違っても改正に賛成してはいけない。私が思うに憲法は資本主義の利害の影響を少しでも受けるべきではない。それなのに「時代とともに変わるべき」とかいって、自分勝手な都合で変えようとしているのがいまの政府与党である。憲法改正には国民投票が実施され過半数の賛成が必要なので、そこで絶対に反対しないとダメだ。いまメディアおよび政府与党が、必死こいて国民の世論を右へ右へと洗脳しているけれども、それもこれもこの国民投票を睨んでの長期の戦略である。
 これは子供が産まれず、成長も見込めないと長期的に危機感を感じている連中(金持ち高齢者)の意図的な戦略にほかならない。何度も何度もこの変態ブログで訴えていることだが、とにかくみなさんはもっともっと賢くならんと、そしてこういうことに時間を費やさないと、どんどん、変な方向、自分に不利な方向へと制度を変えられてしまう。
Text by Tetsuya Ichikawa
Alt-fetish.com