株はチェック法で

株式投資の世界では、業績や企業の価値から今後の株価を予測するファンダメンタル分析と、これまでの株価の値動きを統計的に処理して過去の動きのパターンを抽出し現在に当てはめるテクニクカル分析という主要な二つの株価予測の手法が存在した。
しかし学者の多くが株価の値動きを対象に学問を論じるのを忌避するのはもちろん、ファンダメンタル、テクニカルいずれもが、将来の株価の予想には役に立たないということを主張してやまない。
そして中にはランダムウォーク理論といって、まったくでたらめに株価は動くので、個別銘柄を売り買いしていたのでは売買手数料なども加味するとインデックスには勝てないという説もある。
実際のところ、どうなのか? ファンダメンタルもテクニカルも、それぞれ使える部分もある。そういうところを無視してやる場合、間違いなくリスクは高まる、くらいに筆者は考えている。
そもそも株式投資で、ファンダメンタルだテクニカルだと小難しい理論をああだこうだいうこと自体誤りだと思う。それよりも、実践しなければ意味がない。
そして実践して分かるんだけれども、それぞれの説で無視できないものがある。固定比率が高く(短期の借金で回収の遅い設備投資しちゃってる)キャッシュフローがマイナスが続いている(儲かっていない!)のは危ないとか、移動平均やモメンタムなどの主要なテクニカルの指標が示すアラート(投資家たちの右往左往ぶりが出る)は無視しちゃいかん、ということが。それに5パーセント下がったら損切りするとか、そういうアホみたいな損切りのルールも無視しちゃいけないと思う。
最低限のチェック事項として、そういうのを利用すればいい。しかもそうした情報はほとんど無料で手に入る。昨今の売買手数料は非常に安く松井証券などは10万円以下は無料だ。
どうだろう、あまり構えずに、気軽に所詮は株と割り切って楽しんでみるのは? そんな無責任な、儲からないと思っているのならやめろというのがFPでは?とつっこまれたら次のように言い返す。
だから、所詮は株。余裕資金をほんの少し費やしてみろと。デイトレやれなんて口が裂けてもいわない。FPだから。
こう思ったのは、『天才数学者株にハマる』という本を読んだからである。
あともう一つ、最近知り合ったあるアナリストがこう言っていた。優秀なアナリストは、主要な銘柄、自分が追っている銘柄の10や20のチャートのかたちは頭の中に入っていると。チャートのかたちを覚えるっていうのもけっこう大事。そうしないと、本当の買い場っていうのがわからないし、かう決断もつかないと思う。
事実によって確証が得られない事柄においてもっとも力を発揮するのは、「確信」つまり思いこみである。これなくして、ギャンブルはできませんなあ。