街でチラ見して脳裏に焼き付いた

今日はクリスマスイブということで、街のブーツ状況もちょっと変わっていた。用事があって東京都心に出てみたがめずらしい、白のブーツが散見された。白のブーツを、ナマ脚にピッタリ沿わせてみちみちに履いているミニスカートにショート丈のコート、サラサラの茶髪の女の子がフルメークでキメていた。彼女はベッドタウンの駅で降りたが、客観的にもかなりかわいいので何人か振り返ってみていた。私もよほど声をかけようかと思ったが最寄り駅だったのでやめた。変態モデルやりませんかなんて昔ならいざ知らず、今はちょっと出来ない。犯罪行為に等しい。
 しかし、フツーだがちょっとかわいい女の子がメークしてファッションもフェチ寄りになると堪らないものがある。ドイツから入ってくるフェチ雑誌やビデオよりもむしろリアルなフツーのこのフェチコスチューム(普段着なんだけどブーツだけとか革のグローブだけとかフェチものを一点入れている)のほうがエロイ気がする。
 そういうわけで東京に住んでいてつくづく思うのはちょっと電車に乗るとエロイブーツ美女がそこらじゅうにうようよ歩いている点であった。
 一緒に仕事をしている男と今日街を歩いていて、彼もフェチなのだが、私と微妙にブーツの好きなポイントが異なる。そのへんをああだこうだ言いながら、街行くブーツ女を鑑賞するのはいとをかし。
 さて、こうした自然発生的なフェチ、いわばフェチの自然観察派の鑑賞物がただでそれなりの味わいを有しているのに対し、人為的なフェチの牙城である雑誌やビデオはどうも不振であるようだ。
 すでに入荷しているヘヴィーラバーマガジン最新号の巻頭に掲載された、MARQUISの社長、ピーターによれば、イベントなどを見る限りフェチのムーブメントは現在下火基調にあるという。
 フェチの版元なりコスチューム工房がイベントを仕掛けたりフェチビジュアルを撮るとどうしてもナマの性欲の部分がそげ落ちてしまうような気がしている。撮影の場合はスタジオでライトに照らされてカメラマンがいてポーズを撮る。そうした人為的な作為が、撮影されたものの何らかのフェチパワーのトーンダウンの原因となっている。また、フェチパーティーに来る人たちは必ずしもフェティシストが本当に「見たい」タイプの人たちとは合致しない。そこにくるのはフェチに対してある意味擦れすぎてしまっているような気がする。それは魅力的とは言えない。たとえばもう道具ですから、みたいなノリでエナメルのはげたブーツを履いてくる女王様とか。そういうのは見たくない。
 一方、街のブーツ女はまずもってブーツを履くくらいだから根もエロい(と、いうふうに決めつけがいがある)。要するにそのブーツを履いて男を幻惑しようという魂胆があるわけで、ナマの、いまそこにある性欲がある意味ブーツによってむき出しになっているといえよう。
 そのナマの性欲、ブーツによって代弁される性欲は、クリスマスイブのいまの時間あたり、街で最高潮となっていることだろう。
 そうしたことの恩恵にあずかることが出来ない私のような身分の男は、残念だが雑誌を見てイメージをふくらませるほかはない。その雑誌だが、ヘヴィーラバーマガジン最新号のほか、オランダのデマスクのミストレス写真集、MARQUISがなんとあの米プレイボーイ出身の著名ポルノカメラマン、スージー・ランデルの写真集をMARQUISエディションで出していてそれが入荷している。この写真集は超人気のスージー・ランデルの有料会員制ポルノサイトの中から、特にフェティッシュなアイテムを身に着けている、フェチよりのものだけを厳選して、豪華写真集に仕立て上げたお買い得で貴重な逸品だ。この週末にはアップしたいと思うからぜひ期待して欲しい(ただし女性器丸見え部分の処理費用と、ユーロ高により値段はかなり高くなる予定)。
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市川哲也
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