ネットにおける物やサービスの情報源───関心空間の場合

 消費者がものを買うという、必要かつシンプルな行動。その行動の意思決定に、ネットにおけるモノやサービスの情報源がますますウエイトを増している。
 むかしはAlt-fetish.comなどなかったから、フェティッシュな本や雑誌、ビザールコスチュームを買えるのは都心に近い人だけだった。店に直接出向いて買わねばならなかったからだ。しかしいまでは、全国どこにいてもAlt-fetish.comの商品が買える。店しかなかった時代はその店の価格が果たして適性なのかどうかを判断するのは難しかった。しかしいまでは、Alt-fetish.comでさえ、海外の同カテゴリーのオンラインリテーラーとの価格競争と無縁ではない。仕入先の「本サイト」を見れば、現地通貨(ユーロ)ではいくらで売られているのかが一目瞭然だからだ。無知な客から暴利をむさぼるような商売は、このネット時代にあっては、市場消滅という洗礼を今後ますます強く受けるのは間違いない。
 Alt-fetish.comもかなりシビアなところで(つまり利益率をぎりぎりまで落とさざるを得ないところで)やっているために、広告費は最大手検索2サイト向けを除き、かけられない。Alt-fetish.comを「たまたまサーフィンしていて発見」してくれた賢明なるユーザとの、小さくも幸福な関係を今後も続けていきたい(携帯ユーザ向けにサイトを設けないのは、この関係が壊れることを懸念するから。しかしメールのやりとりというフィルターを経れば携帯ユーザも購入できる)。
 chikaさんが最近、「関心空間」というサイトにAlt-fetish.comを登録してくれた。関心空間とは、ユーザーが、自分の気に入った(関心のある)商品やサービスを書き込むデータベース型のサイトである。ユーザーは書き込もうとする商品やサービスの名前をキーワードとして登録し、その説明やコメントを書き込むしくみだ。カテゴリはブック、グッズ、グルメ、エンタメ、ミュージック、スポーツ、レジャー、コンピュータ、アート、ノンカテゴリに別れている。
 すでにブックならばamazon.co.jp、コンピュータならkakaku.comなど、消費者が商品についてのコメントを書き込むことで有名なサイトは各セグメントでポータル的な地位にまで上り詰めた既存サイトが複数存在する中で、こうした広範囲にわたる新規の書き込みサイトがウェブ上で独自のシェアを獲得していくのは難しい。しかし関心空間を見ていると、既存サイトとは違う、独特の雰囲気がすでに醸し出されている。
 たとえば、青空を感じさせるスポットというテーマコーナーがあって、公園や裏地に空がプリントされている傘が紹介されているなど。サイト側の「ネタだし」が、アーティストと組むなどしてなかなか粋だ。単にモノを効率的に買う、モノの情報を出きるだけたくさん得ようというのじゃなく、参加者の趣味が反映されたカルチャー色が強い。したがって、ランキングというのはないのである。カルチャーである以上、それぞれの優劣や序列があってはならない。
 また、このサイトの最大の特徴、キーワードリンクが他サイトともっとも違う点だ。それぞれのキーワードの下の方に、「キーワードリンク」という表示が出ている。「○○つながり」というタイトルで、ほかの登録者が書き込んだキーワードとその説明の一覧が出ている。登録者は、キーワードを書き込むときに、好きなキーワードにリンクさせることが出きる。過去の書き込みから、サイト側が自動的にそのキーワードを探し出してリンクさせて、「○○つながり」というタイトルとともにページに表示するのである。
 たとえばフェティシズムというキーワード。したのほうにフェティシズムつながりでつながったキーワードの一覧がついていて、フェチにまつわるいろいろな映画や本が出ている。澁澤龍彦、O嬢の物語、ピエール・モリニエ(Pierre Molinier)、マルキ・ド・サド、金子國義、ピンヒールなどだ。フェチをつまみにたくさんの関連書籍や映画が掲載されていて、私は大学の文化系サークルの部室を思い出した。本や映画に詳しい友人や先輩が、ポンポン「こんなのもあるよ、内容はこうだよ、印象はこうだったよ」といったことをテーマごとに次々話す。夜が更けるのも忘れたあの楽しい空間がいま、見事にウェブに復刻されたのだ。
 既存サイトのブログやBBSだと、優れたコメントの書き込みが続いても、時の経過とともに埋もれていってしまうのが難点だった。しかし関心空間ならば、コメントはキーワードとともにずっと残る。口コミ情報のデータベースとしてはもちろん、テーマやカテゴリーに造詣を深めるための知のブラウジングにもピッタリな、そんなサイトである。こうしたサイトは消費者が、とりわけ「モノを買う」という体験をもっと楽しみたい、刺激的な、知的自己実現の一貫としてとらえたいと考える賢い消費者を増やすことになろう。売り手としてはますますたいへんな時代となる。
フェティシズムはポルノでもあるby市川哲也
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デジタルガジェットレビューIXY55、ネットワークカメラほか

 イヤー昨日は。ものすごく緊張してしまった、23時39分。無事にうちあがりました。にしても、打ち上げ前後の乗組員の装備、あの格好すごいよね。まさにボンデージ。打ち上げは11時だけど、乗り込んだのは8時だそうで(いずれも午後、日本時間)長い、長すぎる。もうお願い、イかせてーって。発射の瞬間発射しそうだよ私なんか(ヤバイ、オヤジった)。ちなみに私はライブ配信をネットで見ましたよ。
 スペースシャトルの打ち上げから、自分ちの赤ん坊が寝ている様子まで、あらゆるモノが誰でも気軽に「ライブ配信」できる時代になった。そうしたテックカルチャーを支えるのが、各種のデジタル機器。デジタルガジェット。そのデジタルガジェット、要するにデジタルなおもチャ(デジカメ、通信機器、パソコン、周辺機器など)が個人としては人にちょっとえばれるんじゃないか、というほどに買い集めているのが、この「変態」ブログの著作者、市川哲也です。
 さすがに安くなったとはいえ、ちょっと買うと数万になりますこうした愛すべきキカイたち。買いすぎで貧乏になり、妻からはシカトされるほどコミュニケーション不全を招いていることは、秘密です。
 私もいっぱしのライターとして、ぽっかり空いた高山貴宏さんの空席を埋めるべく、デジカメレビューでも書きますかな。あれー、引かれちゃったかな?
 まず、CanonのIXY DIGITAL 55。なんで買ったか。え? 燃料タンクの様子を撮る「最初のミッション」のためかだって? イヤーそういうタンクはうちにはありませんから。買った目的は毎日の記録用です。何しろ時代はブログ、ブイログ全盛。私のようなITオタクがこれをしないで何をするってんで、プライベートな日々を非公開の別のブログに書いているわけです。
 CanonのIXY DIGITAL 55を買う前は何を使っていたかというと、NikonのD70。これは生まれて初めてもらったボーナスで、97年に買ったNikonのF5を中野のフジヤカメラへ売り払ったお金で買いました。Nikonのレンズが何本かあったから、残念ながらデジタル一眼の選択肢として私にはキヤノンはなかった。いや、いいんですよ、このD70だってもちろん。このD70について書くことはないっすよ。私のような変態野郎のセルフポートレート、ウェブアップ用の物撮りにはこれで十分です。
 ただ、重すぎ。日常の記録用にしてはあまりにも重かった。これにスピードライトをつけて、天井バウンスナゾして美しく写真を撮っていたんだけど、いい加減続かない。
 そこでこのCanonのIXY DIGITAL 55を買った次第。これならもう本当に軽い。どこでも持ち歩いています。
 オートモードでは、9個のフォーカスポイントを自動で識別してくれる。でも私はあくまで自分の意志で、ピントを合わせたいところへ合わせるので(シャッター半押し後にフレーミング、というのになれてるから、てへ)、その賢いフォーカス方式をキャンセルして、真ん中でフォーカシングするようにしている。このカメラのマニュアルモードというのは、眼レフのそれと違い、オートモードでは設定できないあれこれが設定できる(ただしシャッタースピード、露出は無理)。
 このモードにして、+1/3明るめに露出補正し、ISOはたいてい400でできるだけストロボは発光させないようにしている。というのも、ストロボで撮る写真が私は結構嫌いだからだ(天井などにバウンスできる場合は別)。光を被写体にねちっこく回り込ませて、コントラストを落とし気味に撮るのが好きなのだ。ISO50から撮れるこのカメラ、別にブログに上げる目的なんだから、400でもべつにいいのである。
 CanonのIXY DIGITAL 55を買って結構楽しいのが動画を撮る機能。1分以内の、数十秒の動画が10メガ程度のファイルサイズにおさまるメール送信用の動画撮影モードを利用している。
 ところがこのファイルだと、そのままアップしたりメール送信しても、ウィンドウズメディアプレーヤーやら、クイックタイム、リアルプレイヤーなどのよくある動画再生アプリではコーディックエラーになってしまう。コーディックエラーがなにかはしらんが、とにかくそういう理由で再生はお断りとピシャリ。
 そこで、買ったソフトがTMPGEnc3.0 XPress。これでMPEG1に変換して、サイズもさらに落としてエンコードしている。そうするとアラ不思議。さっき列挙した再生アプリで再生できるようになる。
 うーんこの感覚が大事だ。理由や詳細はよくわからんが、金を払ってソフトを買って使いさえすれば、アッという間に目的がかなう。金がかかってもたかだか数千円。そのおかげでできるようになるんだから使わない手はない。
 そんなわけで、あれこれ楽しくやってますが、私のブログ熱に火を点けたのはHeadline-Readerというインフォメーカーさんの作った優れたRSSリーダー。これもたしか2000円しない値段で買ったが、Headline-Readerのおかげで日々の情報入手がとても効率化された。
 最後に、我が家についに無線LAN導入決定。PLANEXの、パンチルト、ズームが可能な無線ネットワークカメラと、無線のアクセスポイントを買ってしまった(締めて6万円!、高い!)。こんな、要るか要らないか分からないような(しかもうまくつながるかも不明)なIT機器を、超高い、パソコン1台買えちゃう値段で買う私ってすごい、最高に貧乏路線まっしぐら。じつはこのレビューについてはまだ書けない。なぜなら今日着たばっかりでまだ接続してないからさっ。
JohnBarryをBGMにシャトル打ち上げ映像けっこういいですよ市川哲也
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ついに出た、PDA携帯のM1000

 これまで、ITツールをそれなりにいじってきたフェティッシュジャーナル。ウィルコム、auが、次々にPCウェブサイトを見られる端末を発表してきたが、ついにあそこが出した。 アソコを出したじゃなく。……失礼。アソコが、そう、あのNTTドコモがついに出した。それも、PCサイトが見られる端末、なんていうもう驚きも何もない陳腐なのじゃなく、一挙にPDAタイプの端末をぶつけてきたのだ。やられた。私は完全にこの端末、M1000にやられた。
 詳しくは日経ビジネスAssocieのこのページを見てもらいたい。
 まあ普通のビジネスマンだったら考えそうなことを列挙している「活用法」だが、私が気になるのは、無料でスカイプ無線電話が出きるのか、である。スカイプの対応OS状況にもよるが、たぶん当面はそれは無理だろう。何しろこのM1000の「OSは、Symbian OS7.0、プラットフォームはUIQ2.1を採用」ということで、残念ながらskypeはインストールできそうにない。skypeがこのSymbianOSにも入れられるようになればいいんだが。何しろこのM1000は無線LAN機能を内蔵していて、ホットスポットへ行けばネットにつながるのである。
 この端末を使いこなすにはいったいいくらかかるのか、調べるのがちょっと面倒くさかったので調べていないが、そう安くはないだろう。というのも、この端末、なんとiモードが見られない。これは「ターゲット層を「30~40代のITリテラシーの高い層」」に絞っているから、だそうで、確かに当該ターゲットに合致する僕たちは、おこちゃまたちみたいにiモードはさすがに見ないのである。Iモードなんてバカらしくて。高いし、情報量は少ないし。そこをばっさりと切り捨てているところがAlt-fetish.comに似ていて素敵。
 いずれにしてもモバイル、PDA+携帯電話(PCネット閲覧)のこの市場は、キャリア、メーカーが入り交じってシェア争いを展開する大注目の市場であることは間違いない。
次回待望のデジタルガジェットレビュー!市川哲也
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iTunes Music Storeで日本人も音楽を買える、その方法

 先日の小生のブログでは、米アップルのMusicStoreでは、日本人はアメリカの銀行が発行するクレジットカードを持っていないし、アメリカに住所もないからアップルのIDが得られず、したがってMSで曲が購入できない、誰かなんとかしてーという旨書いた。
 ところが、雑誌などでは今年前半にはもう「買う方法」が紹介されていたことが判明した。
 すべてはこのサイトへ行けば分かる。
 なおこの情報を私に教えてくれた志高き某読者様、心から御礼申し上げます。
 詳しくは表記サイトをご覧いただくとして、一言でいうと、アップルストアではプリペードカードで買うこともできる。そしてアメリカの住所の実在性はチェックされない。ポイントはこの2点である。上記サイトではそのプリペードカードの番号を売っていて、それをMSでアカウントを作るときに入力するというわけだ。ただし、一曲160円程度になり、為替レートからみるとだいぶ不利な買い物となっている。だから私は今後とも研究を続けたい。すなわち、アメリカの銀行に非居住者がクレジットカードを発行してもらえる裏技を(たとえばレンタルアドレスと銀行のクレジットカード発行がセットになったようなサービスとか、米在住の友達に頼んでプリぺイドの番号をゲットするとか)。
 研究の過程で弟の彼女がアメリカに留学中に作ったアメリカの銀行発行のクレジットカードがまだ有効だということが分かり早速IDを作らせる。しかし弟が激しく嫌がったためそれで曲は変えなかったぞ、トホホ。クレカの更新のためにはまたアメリカへ行かなければならないそうで、そういう貴重な口座残高をワケのワカラン「ダサイ」映画音楽に使われたのでは困るというのがその言い分である(ダサイ映画音楽というのは後述)。
 また、アップルに電話して「iTunesのMSで曲を購入と書いてあるけれども、結果として買えないんだけどどうなんだ」とクレームを言ったところ、担当者は「セキュリティーの関係でその画面が見られないから回答できない」という。「じゃああなた、自宅で見てご覧よ、結局買えないから。ヘッ」と言ってやった。フフ、勝ったな(なにに?)。
 iTunesMSで音楽が日本人は買えない現状。これはたいへん不便だ。にんじんを目の前にぶら下げられた馬が走れないようなモノ。このへんの事情については様々なところで論評されているようだ。たとえばアメリカのMSは一曲0.99円に統一されているがこれって日本でかりにMSがオープンした場合はどうなんだろう、とか。基本的にみなさん待っていらっしゃるようである。日本でもMSがオープンすることを。頑張れ日本のアップル。
 さて、おおかたの読者がもしかして気にしているかも知れないのは、私がどのアーティストのアルバムが欲しくてこれほど騒いでいるか、である。もちろんEriko.Tではない(笑)。私が集めるのは、先ほど弟にダサイと言われた映画音楽、そう、Soundtrackのカテゴリーだ。なかでも、ジョン・ウィリアムスという人がいてこの人はスターウォーズとかインディージョーンズ、ETなど有名所の映画のサントラはほとんど作曲しているすごい人。まあこの人の曲はたいていはCDで買って持っているので(恥)、その人の上にいた(iTunesのMSの画面でアルファベット順にアーティストが並んでいる)、John Barryという人の曲を何気なく、視聴してみたらすごいよかったのです。というわけで私のPCにはいま、John Barryのアルバム、Eternal Echoesの全曲がちゃっかり収まっている。映画サントラ好き、というのはちょっと恥ずかしい音楽趣味であることは自覚している。いいんだどうせ私なんか、思春期にはアイドルとか聴いていた、変態のヲタだから。ただサントラはサントラでもドマンナカストレートにジョン・ウイリアムスではなく、同じジョンでもジョン・ヴァリーで、こんないい曲があるんだーみたいな「発見」、これが何ともいえず嬉しかった、私のアップルMS体験である。
まあしかしMSで買い物するのもこれが最後な飽きっぽい市川哲也
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ブログとポッドキャストが変えるぼくたちの生と死

 奥山貴宏さんというライター、いや、作家が今年の4月17日になくなっていたことは寡聞にして知らなかったが、この人すごい。土曜日に、NHKのETV特集でこの人のドキュメンタリーをやっていて知った。
 この人は私とたぶん同じ歳で、2年前に肺ガンになり、余命2年と宣告を受けた。その後、ブログをはじめて、死の直前までブログを続けていた。イヤー、32歳っていろんな人がでてきたなー。渋谷の社長、藤田さん、同じくホリエモン、そして奥山さん。そして私。あっ、すみません。なんでもないっす。まあ、何となく焦ってこんな本を買ってしまった私(どんどん藁ってやってください。このブログのカテゴリーは、「コメディー」ですから、もはや)。
 さて、本筋に。
 奥山さんの場合は、ブログがあったから、ひとりの作家の死としてはおそらく有史以来はじめて、見ず知らずの人たち(読者)がまるで彼を身内のように思い、その死をリアルタイムで悼んだ。コメントの中で、他人で面識もないのにもかかわらず、行間から伝わる彼の衰弱を読みとり、辛くなったというのがあった。
 私も彼がやせ細る様子を見て、3年前に他界した父、その死の直前の様子などを思い出して非常につらくなってしまった。彼が亡くなる直前の数ヶ月間は、私は胸がいつも何となく重かった(結構物理的に重いと感じるほどの重さ)。その重さがまたぶり返した。
 私は父が絶命するその瞬間、何をやっていたかというと、家庭用のデジタルビデオカメラで彼を撮影していた。だから息を引き取る文字通りその瞬間は、モニターを通して見ていた。正直、直視できなかった。病室はほの暗く、モニターはかすかにしか映らないのが幸いだった。父の死───その体験のインパクトの大きさといったらない。いまだにその時に撮った死の瞬間のVは観られない、ひ弱な私。
 ブログじゃないけれども、父も物書きとしてあれこれ書いていたので、奥山さんと父がよけいに重なるのである。物書きは(もちろん私もそうだけれども)、書くことによって自分から一時自由になれるところがある。書いていることで救われるというか。無になれるというか。奥山さんのブログを読むと、ゲラ(校正刷り)が重たくて持てないという記述があるが死ぬ直前の人というのは、紙一枚、かざして読むこともできないのである。父も死ぬ直前は、あれほど必死に読んできた校正刷りを、もはや持つこともできなくなった。校正を持てない物書き───まさに末期の象徴的な光景だ。
 ブログを人々が書くようになって、すごい時代だと思う。エライ人、特別な人なら、そりゃあリアルなドキュメンタリーもテレビ局が入って作るんだろうけれども、そうじゃない、市井の人、日常に生きるなんの変哲もない無名の人も、自分のドキュメンタリーを、ウェブ上にどんどん残している。
 ほとんど読んでも意味のないものなんだけれども、ブログは。しかし、奥山さんみたいに、たくさんの人に「死」というものを突きつけることで、人が「死」について考えるより多くの機会をもたらしうる、そうした効果は評価すべきだろう。
 奥山さんの場合はまわりに編集者や映像プロデューサーなどが登場して、彼を記録した。死の直前は口述筆記となったが、これは編集者がやっていた。知人や親類に、ブログをやっている人がいたら、ぜひたがいに万が一の時はブログを更新し続けようと確認すべきだと思った。
 いざ、親しい人間が死ぬとなると、意外にまわりの人間にできることは限られてくる。本人の病気のコントロールは病院がするし、励ますといった精神的ケアも相手が大の大人、それも物書きのように達観したところのある人となれば、言葉の威力も限定的だ。陳腐なことを言えば逆に傷つける結果を招く。本人も死ぬことを分かっている場合には、まわりの者はできるだけ平静に、これまで通りに接することが一番だと思う。本人が死に行くからと言って、こちらが態度を変えるのが一番よくない。あと、本人には「死」とか、病気の進行についての話題はタブーだ。死が近づけば近づくほど、本人の中で死にたくないという感情が強くなる。死ぬことは忘れたいのである。だから、死ぬとか、そういう言葉は完全タブーとなる。私たちまわりの者は、とにかくなにも変わらない、「終わらない日常」を演出することが本人にとってはモルヒネに次ぐクスリとなる。奥山さんも使っていたけれども、末期ガン患者にはモルヒネが投与される。ほとんど苦しむことなく死ぬのである。
 記録し、ブログに更新するという作業はきわめて地味だし、毎日そんなに「コト」が起こるはずもない。しかしそれを続けていけば、人はいつか必ず死ぬから、必ず、何も起こらない日常でさえ、ドラマになりうる日がやってくる。最末期時は日常そのものがもはや非日常となってしまう(死ぬという日常を糊塗して、それがまるでないかのように日常を装うため)。
 今後、ポッドキャストなどがでてきてしまった以上、ポスト奥山はDJ技術も持っていないとダメとなる。技術の進展とともに、どんどんメディアリテラシーの作法は高度化を遂げる。
 ネットの時代に生きているということをあらためて実感した、そんな私の「奥山体験」である。
ひよわな市川哲也
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iTunes4.9でも米appleのMusicStoreから締めだされる日本人

 いま筆者が熱くなっているポッドキャスト。ブイログ。どうやら震源地はappleのiTunesにあるということがわかり、さっそくパソコンに以前インストールして何度か使ったものの、曲が買えないから(後述)ほこりをかぶっていたヤツをバージョンアップした。最新バージョンは4.9。なるほど、ポッドキャストというのがでてくるぞ。
 ポッドキャストをあれこれいじっているうちに、「曲を購入」というボタンがたくさんあるのに気が付いた。そしてほどなくして、「曲を購入」できるのは、アメリカ在住のアメリカのクレジットカードホルダーでなければダメだと言うことに、気が付いた。
 筆者が好きな映画やテレビのサウンドトラック(ダサ……)の中でとてもいい曲があったので片っ端から買ってやれーって思ったのになんという無念。
 そういえば新聞で日頃、日本では音楽ソフトのダウンロード販売がなかなかうまくいかない、なあんてことをたびたび目にしたなあ。アメリカのアップルのミュージックストアも世知辛いなあ。細かいことを気にしないで、どんどん他国のクレジットカードでも対応すればいいのに……。それがインターネットなんじゃないのか? それが、iPodの精神じゃなかったのか。
 これまではすごい格好良く見えたiPodのサイトも、なんだか画竜点睛を欠く感じに見えてきたぞ。買わなきゃよかった。
 結局CDを買ってくるなり借りるなりして、いったんHDDに落としてそれをiPodへ移すなんて、全然スマートじゃないぞ。かっこわるい。すごい消費者が割を食ってる気がする。
 みなさん、MusicStoreが日本人は使えないということに苛立っている人はいないんですかね。これって結構大問題になる気がする。だってポッドキャストが今回のバージョンアップでバンバン使えるようになると、驚くほど簡単にあらゆる楽曲にアクセスできるんだもの。ご丁寧に、「曲を購入」というボタンは日本語で書いてある。ヘルプも全部アメリカのをそのまま翻訳しているので、日本人でも買えるような印象だ。しかし実際は買えないのである。0.99ドル(MusicStoreでは1曲がこの値段)という文字を恨めしげに眺めるばかりの私でした。
 それともなんか裏技があるんでしょうか?
教えてください、私だけにこっそり。市川哲也
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奥菜恵さんと渋谷の社長が離婚

 日本は明治維新、つまりついこのあいだまで、300年にもおよぶ長い期間、士農工商という身分制度であった。そのうち農民がもっとも人数が多かった。ほとんど農民である。江戸末期は武士が落ちぶれて商人が力を得て台頭。制度が大きく変わる原因はそうした身分間の力関係の変化が一因となっている。
 今回離婚した女優と社長の場合はどうなのか。もちろん私はこのブログで前世がどうのとかオカルトめいたことを言い出すつもりは毛頭ない。そうじゃなくて言いたいのはこうしたいわば私たちとはだいぶ遠いところにいるセレブレティの私的な不幸な事件が、なんでこんなに私たちにとってよろこばしく、また楽しく感じられるのかである。
 楽しいとか悦ばしいとはちょっと違う、こう、なんといおうか、胸がスカッとするような、胸のつかえが取れたような気分なのである。
 この感情というのは、ながいあいだ続いてきた身分制度、身分制の時代の方がいまのような平等社会の民主制度よりもよっぽど長かったために、骨身に染みついている日本人のメンタリティーにかかわる感情なのではないか、そんな風に思って、そのことを家族に話してみたところドン引きされたのでブログで書いてみました。
あれ日付がかわっちゃう市川哲也
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テレビ局が野村総研に「謝罪しろ」

 野村総研が、消費者がテレビ番組をデジタルビデオレコーダーに録画して番組を見るようになったり、ブロードバンドの普及などの影響から、テレビCMの効果が費用に見合わなくなるなどとした研究論文を発表した。これに対し、テレビ局各局が異例の猛反発。「謝罪して欲しい」「撤回すべきだ」などと騒いだという。
 それに対して、野村総研の当該リポートを担当した人は「無料で番組を見せて、広告費で儲けるという仕組みの自信のなさのあらわれ」と一蹴。電波行政に守られ、独占的な利潤を少数で寡占してきたテレビ局の静かな、しかし確実な瓦解が始まろうとしている。
 将来の雲行きが妖しくなって焦るテレビ局各局。ブロードバンド放送に相次いで乗り出そうとしている。これまで、ブロードバンド放送というと、通信事業者が主導してきた。しかし、そもそもコンテンツを制作して持っているのはテレビ局だ。豊富なコンテンツ資産を武器に、このジャンルへの参入を逃すまいと躍起になっている。
 私に言わせるといろんなビジネスがある中で、テレビ局はずるい。汗水流してわずかな年収というのがもはや当たり前になろうとしている世知辛い世の中で、自分たちだけかなりおいしい思いをしているのがテレビ局にほかならない。そういう不公平を、新しい技術がなくそうとしているような気がする。
 今さらブロードバンドに進出するったって、ネットに流せる放送コンテンツなんてそんな大したことないに違いない。本当に観たいものは権利関係が複雑で無理だろうし、かといってどうでもいいものは誰も見ないような無価値なものに決まっている。
 アメリカではゲイがダサイノンケ男をおしゃれに変身させる番組とか、いろいろ素人を使った面白い「企画もの」が話題だが、日本のテレビ局もタレント頼みのドカーンバカーンというのばかりじゃなく、そういう企画ものをどんどんやるべきだと思う。たとえば景気動向にかかわらずいつもバブリーなテレビ局社員の日々をドキュメンタリーで放送してみてはどうか? アイドルグループの未成年に酒を飲ませるなど「ネタ」としても面白い事例がちょうどでてきているではないか。しかしそうしたネタは何もテレビ局がバーンとやる必要はない。
 デジタルビデオカメラが数万円で手に入り、しかも映像圧縮技術が進歩し、そうした技術を格安のソフトで誰でも使えるようになった。何もいまの時代、自分のコンテンツを制作し発表するのにテレビ局である必要はなくなった。個人でも、自分が撮影した映像をブログなどのメディアにぺたっと貼り付けて公開することが、デジタルビデオカメラとPCが一台、それに早い回線さえ用意すれば簡単にできる。もちろん一晩徹夜の覚悟がいるケースもあるかも知れない(凝りに凝った画像をやりたい人、ただしこれは続かないぞ)。
 ネタさえあれば、誰でもテレビ局になることができる。そういういい時代に、テレビ局からすれば困った時代に、なったんですねえ。
※昨日コスチュームストアのトップを整理したのですが、ナビゲーションバーでリンク切れを連発してしまいご迷惑をおかけしました。修復作業が完了したようですからお知らせします。
フジテレビのエントリーシートは新宿郵便局に終電間際に出しに行った思い出がいまだに痛すぎる市川哲也
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オナニーをしすぎると

 オナニーをしすぎると何もかも億劫になる。集中力もなくなるし、取りかかろうとするエネルギーもない。
 むかし勤めていた会社にオナニーは毎朝するという(ある意味で)変態が、いた。彼は真顔である日私にこう言った。「え?市川さんは、2週間に一遍だけ、それもブーツをはいた美女を想像してするだけでいいんですか? 僕なんか毎朝ですよ」
 彼は私より4つほど年上であったが入社年次が遅かったので敬語で話す。本当は私の本名は市川ではないのだが、彼は何度訂正しても市川と呼ぶのであった。そのころから私は、なにかで別名を付けるなら市川にしようと固く決意した。
 ちなみにその彼のフェチは、女性の脇の下、だそーだ。
コスチュームストアのトップが美しくデザインリニューアルされました。
電磁波でED気味?! 市川哲也
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学生の試験シーズン終わる

 大学で前期試験が先週あらかた終わった。
 文系で、それも大学の試験なんてちょっと要領をつかめばなんとかこなせると思っている人が多いかも知れないが、当人たちにしてみるとこれは相当ウツな行事だ。私は文学部で、実学系学部よりもはるかに試験は楽だった。それでも、卒業して10年近くたついまもってなお、試験要綱が張り出される掲示板の前で真っ青になっている自分の夢を見るのである。
 理系や実学系学部の学生の試験対策は模解、教科書、問題集を使って、理解、暗記、問題演習を繰り返す。試験用紙の多くは2~3行の短い問題と、あとはB4タテ一枚に7ミリおきに横罫が引いてあるシンプルなものだ。これにガリガリと回答をボールペンで記入していくのである(鉛筆はダメ)。
 回答すべき文字数は千字を超え、一夜漬けや生半可な付け焼き刃では歯が立たない。終わってこそ、「要領でこなす」などとうそぶけるかも知れないが、試験シーズン中は本当に身骨削る苦労がのしかかるのである。
 私は泣きながら勉強する彼女(実学系学部の学生だった)をみて驚いた。そして率直にこう思った。学生が大学で、こんなに勉強しなければならないなんて、なんて理不尽なんだろうと。大学で学生が勉強するのは当たり前というのが筋だが、私は理不尽だと思ったのである。まあこれは実際に大学にはいって通ってみないことには分かってもらえないだろうが。
 興味のないことを、「単位」のために、脳味噌がバリバリ音を立てるほど勉強しなければならない、それが理不尽だと思った次第だ。教授の趣味的な、狭い、本当に役に立たないようなマニアックなことを。その教授の趣味ぶり、狭さ、専門性が吐き気を催させるのだ。
 そして、今週、同居している歳の離れた弟が、10年前の私たちのように泣きながら勉強している。内線電話を通じて聞こえるその声のトーンは、深刻なうつ病にかかっているかのように重く暗い。
 やりたくないことをやらないと次に進めない、という点では、これはある意味社会に出る訓練の一貫だったのかも知れない。
楽勝科目の常連だった市川哲也
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管理と人間

 今日の話題は「管理と人間」。小さい頃自分をどれだけ管理できたかが、大人になったときにどれだけ人に管理されずに済むかを決める。それが資本主義の企業社会のルールだ。世の中で華々しく名前が知れ渡る企業の現場。そこでは日夜、人が人を管理している。管理する人は現場の責任者である。しかしその責任者もまた、より上位の責任者に管理されている身分である。最後に会社を管理するのは取締役たちだ。もちろんここでは上に行けば行くほど高学歴の人間が幅を利かせるようになる。下の方ではおよそ企業によってウマイ具合に「洗脳」されでもしない限りとうていバカらしくて続けられないような、インセンティブもモティベーションも低い仕事が山のように堆く積まれている。そうした仕事をこなすべく洗脳されるには、洗脳の抗生剤である「知識から成熟して発達する個人の持つ思想の体系、価値思想」の邪魔が入らない、空っぽの脳味噌でなければダメだ。だから下の方で業務に従事するのはもっぱらそうした脳味噌の持ち主たちということになる。彼らは、小さい頃自分を管理することを怠った人たちだ。なぜなら脳味噌空っぽのままにしておくのは単に自己管理を怠れば済む、つまり本能の気の向くままに過ごしさえすればいい話だから。
 一方、大人になって高学歴でいられるのは、小さい頃自分をよく管理して、地獄のような知識の詰め込みに耐えてきた人たちである。放任されれば子供は遊ぶし怠ける。それをいかに管理するか。キツイ修行、ビザールな幼少時代の積み重ねによりたまったストレスは、大人になってから、人を支配したいという変態欲求の自己実現の格好の舞台、「企業世界」でどんどん爆発させればいい。
 変態連中の餌食になるのはもちろん、幼少期に自由に遊び狂い、およそ管理とは無縁の「健全な」生を全うしてきた人たちだ。どんなにつまらない、非人間的な仕事でもその新鮮でまっさらな脳味噌、未使用ハードディスクの「空き」だらけの脳味噌に企業管理の洗脳ソフトがインストールされれば、たちまちセットアップ完了。これがじつによく動くのである。
 不幸は洗脳されきれない、中途半端に脳味噌が混んでいる人たちが、企業社会の下の方へ紛れ込んでしまうと起こる。彼らは脳に企業ソフトをインストールされ、企業で働くようセッティングされたものの、容量の空きが少なくギチギチのハードディスクではシステムがすぐにバグって動かなくなってしまう。その結果、音を出したり(くだらない、やめたいと企業での「暴言」を吐く)、熱を出したり(風邪)、冷えたり(自殺)。その所作のいかにパソコンににていることか。
 管理がイヤならば、そこから逃れるとっておきの方法がある。企業社会に入るのを辞退すりゃいいはなしだ。そしてできるだけ収入を少なくすること(ラッキー!このふたつは相反しない)。そうすれば管理が大好きなあの連中、そう、企業や国は、あなたになんの関心も払わなくなる。
 運悪く企業に入ってしまったあなた。管理にまつわるストレス発散ならAlt-fetish.comの商品を買ってみては? あなたにとってベストの自己実現の方法を見つけることができるかも。
 最近いわれるニートや不登校の方々。この人は一概に管理がイヤだからやめたとはいえない。管理に過剰適応してしまう自分がイヤだとか、完璧主義なあまりちょっとした管理の破たんにも耐えられないといった原因もある。筆者の親戚には親が東大で子も東大をめざして難関の小学校に合格したが、高校2年で不登校になったのがいる。いま30歳になるその「子」は、東大法学部の3年(要するに人の何倍も時間がかかったがなんとか東大には受かった)。かなり時間がかかってここまでたどり着いたはいいが、就職活動や司法試験の準備など、年下の同級生が淡々とすでにはじめている「次のステップ」はまだ見つからない。
※市川哲也着用済みのキャットスーツ3点(BLACKSTYLEのS、XS、マスク、ストッキング、グローブ付きのS)、ブーツ3点、ドルフィードリーム(人形)を出品中です。
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高度管理社会におけるカナリア、市川哲也
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激変するメディア視聴時間

 野村総研のアンケート調査では、ここ1年で大きく視聴時間を減らしたメディアの上位4つは次のとおりであった。
 結果をみる前に、テレビゲーム業界、出版業界の人は覚悟した方がよい。何しろあなたたちの業界がひどいことになりそうな結果なのだから。
 では。
ワースト1 ビデオゲーム
ワースト2 読書・ラジオ
ワースト3 雑誌
ワースト4 テレビ
 伝統的なメディアのシェアを食ったのはいうまでもなくインターネット(PC)。これは個人的な実感も含めてよく分かる現象だ。
 何しろ私は娯楽、仕事、余暇、投資、家計管理、購買、オナニーなど、およそ文明人としてこなすべきルーティンワークのうち肉体の移動をともなわないもののほとんどすべてでPCに頼っている(オナニーは起立します)。だから私は寝ているか、掃除をしたり飯を食ったりウンコしたりしているか、家族と出かけたり単に過ごしていたりしているか、PCをしているかのいずれかなのだ。ほとんど。
 おっと忘れるところだった、キャットスーツをキメてることも重要な活動のひとつだった。こればかりはPCは何も出来やしない。
 おそらく私がやっていること(PCを使ってインターネットをみたり仕事をする)はどんどん簡単になっているに違いない。なにしろ94年にはじめてパワーマックの搭載されたパフォーマを使ってネットにつなごうとしたときは、フリーソフトの設定でDNSの優先項目にチェックし忘れたという理由だけで、テツヤしたこともあるくらいだ。それがいまや、どんな人でも店で買ったパソコンを適切な場所に物理的に「つなぐ」だけでネットがみられるようになった。あらかじめ入っているソフトやCDが全部設定をやってくれるのだ。
 私は個人的に、旧来メディアのなかでも本や新聞、雑誌はそう簡単には廃れないと思っている。PCとはいえ、かぐわしく愛くるしい本の紙の匂い、スタンドや駅で売っている利便性にはかなわない。本や雑誌を買って読むことが、PCでネットをみるよりも、今後、ステータスになっていくかも知れない。携帯しか電話がない若者が増えているが、そうすると固定電話はステータスとなる。それとおなじようにだ。
 それに、まだ買ったことのない読者に声を大にしていいたいが、MARQUISや、ヘヴィーラバーマガジンを一度でいいからその御手にとって読んでみて欲しい。フルカラーで紙に印刷された写真は、モニターでみるよりもはるかに美しい。
 まあそれはそれとして、PCに夢中になっていると、夫婦それぞれがたがいに話しかけづらい状況になるのも問題だ。なにかのアンケートで、夫婦それぞれがたがいに対して不満な点の上位に、PCにばかり夢中になること、というのがあった。新聞や雑誌をリビングで読むのと、背筋を丸めてPCのモニタに首を突っ込んでいるのとではほかの家族へ与える印象がまるで違う。新聞や雑誌だと、話しかけても差し支えない感じがする(ちょうど暇してたんだ、みたいな)。ところがPCだと、オナニーでもしていそうでとうてい話しかけられる雰囲気ではない。
 私は新聞雑誌が好きだ。PCは好きというより酸素や水のような必需品に過ぎない。趣味志向で生活を豊かにするべく、RSSリーダに山のように情報が降ってきているにもかかわらず、私はあえて雑誌と新聞の購読を継続している。
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本屋さんフェチ、雑誌フェチの市川哲也
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ビザール写真撮影秘話

 本日から公開が始まった撮り下ろし写真ギャラリーの新作「fetish is our lifestyle」。この写真たちを普通の人が見たら、あまりの変態さ加減にクラクラするに違いない。いや、変態という言葉はふさわしいとは思っていない。ビザールという言葉が適切だろう。ビザールとは、奇妙な、変わっているというような意味である。
 今回の私のビザール写真で、着用しているアイテムをひとつひとつ紹介してみたい。
(1)男性用立体成型ラバーマスク黒1.2ミリ厚 サイズ1……頭を全部覆うことから「全頭マスク」などと呼ぶ、柔らかいゴム製のマスク。後ろは編み上げ式になっていて、頭によくフィットし、かぶり心地はすこぶるよろしい。
(2)ゴーグル、マスク……ゴーグルの裏側に、壊れた眼鏡のレンズだけが貼り付けてある。視力が弱いので助かるし、目がばれないので匿名性も増す。口のマスクはデマスクのレスピレーター。最近のお気に入りで、これを近々在庫販売する予定だ。ゴーグルはスキー用ので、普通のスポーツ用品売り場で入手可能。
(3)キャットスーツ……Alt-fetish.comがコラボを組んでいる国内のラバーコスチュームブランドの試作品。いつぞやはプロジェクトX風におもしろおかしく取り上げたラバーコスチュームの国産プロジェクトだが、このように完全に商品化できる水準まで仕上がり、あとはリリースを待つばかりとなると、あまりふざけた物言いはできなくなる。何しろ「社運」がかかっているし、デザイナーだって真剣勝負なんだから。いまは、素晴らしい着心地で手放せない状態、とだけいっておこう。BLACKSTYLEのはヤフオクで処分してしまっているほどだ。
(4)ラバーリストグローブ 黒 Mサイズ 0.35mm厚……本当はここでエルボーグローブやショルダーグローブをキメたいところだが、グローブをはめる段階というのは、ブーツもマスクも全部着けてすっかり興奮状態にあり、今すぐにでもいかせておねがいなので、すぐに着けられるリストグローブが私の定番となっている。
(5)デマスクのコルセット……キャットスーツ姿が「もじもじ君」になるのを防ぐマストアイテムが、これ。腹も出てきた私にはありがたい。これでギューッと締め付ければ気分もボンデージ。ガーター付きなので長いストッキングやブーツをつり下げるのにも対応。info@alt-fetish.com宛てにメールくれればお取り寄せ見積。
(6)ラバースレーブカラー(首輪)……後戻りできない雰囲気がボンデージっぽくて好き。これをはめていると本当に自分が「犬」かなんかになった気分になって、異様に興奮するのである。
(7)本格ピンヒールロングブーツ……これもかかせないアイテムだろう。脚がスラッと見えてよい。タレントや著名歌手なども愛用するハイソールスニーカーで有名なバファローBuffaloのブーツだ。バファローというとちょっとフェチッぽさとは相容れないポップなスニーカーなのだが、こうした伝統的なブーツもちゃっかり作っている。それが常時手に入る店がドイツのエクストラヴァガンザ。そこから直輸入。もちろん取り寄せ可能なのでご希望の方はメールください。info@alt-fetish.com。なおこの写真ギャラリーでは、黒と白の色違いではいている。白も意外に映えるだろう。
(8)ラバー表面ツヤ出しリキッド「スベリ王ラバピカ」……小林製薬も真っ青の好ネーミング。キャットスーツ(もちろんあらかじめ水洗いして粉を落としている。粉は新品のキャットスーツに必ずついてくるもの)の表面にたっぷり付けて仕上げ。まわりのものを鏡のように映し込むほど美しい光沢が得られるマホウの液体。
 8アイテム、買えば10万を超えるほどだが決して高い買い物ではない。もちろんそれはラバフェティシストにとってのみ通用する話で、なんの関心もないひとがこんなカッコしたら汗疹で苦しむだけだ。
 ラバーフェティシストは、とりあえず今回紹介した定番アイテムのほかにも、さまざまに趣向を凝らし、自分が一番クルコーディネートを日夜考えているはずだ。投稿ページをみるとそうしたみなさまのご苦労の記録をみることができる。
 Alt-fetish.comにぜひ、あなたのビザールフォトを送って欲しい。
 なおAlt-fetish.comは昨日今日とサイトのマイナーバージョンアップを随所で実施した。クレジットカード決済ができるようになるなど、利便性も向上している。今後とも、ビザールコスチュームのお買い物は国内随一の当Alt-fetish.comでお楽しみいただきたい。
※市川哲也着用済みのキャットスーツ3点(BLACKSTYLEのS、XS、マスク、ストッキング、グローブ付きのS)、ブーツ3点、ドルフィードリーム(人形)を出品中です。
ビデオ全品大幅値下げ処分→販売終了タイトルが続出
モデルになってくれる私以外の人募集(泣)市川哲也
Alt-fetish.com
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トップページをすっきりと整理

 クレカ払いをはじめたAlt-fetish.com。これまでは、カード決済希望者は、FAXや郵便などの手段でカード情報をAlt-fetish.comへ送らないとできなかったが、今後は顧客が直接クロネコ@ペイメントのサイトで決済の手続きを自分ですることにより、こちらにはカード情報が伝わらずに済むようになった。
 また本日、トップページが雑然としていたので古い情報は削除し、すっきりと見やすく整理した。トップページでいいたいことは個別商品の訴求ではなく、サイト全体が持つ主張や、信頼性、ブランドアピールである。そうした観点からまとめてみたので、ぜひサイトをご覧いただきたい。
 さらに、DVDを2点、アップしている。一点はポニーガール Part 1 DVD版、もう一点はディータ──フェティッシュ女神 DVD版だ。これらの作品は「よほどポニーガールが好き」または「よほどディータが好き」そういう人にお勧めの作品。ちょっと腰が引けているのは、じつは夏以降、秋に向けてたくさんのハードコアよりのDVDリリースが予定されているから。
 MARQUISのピーターのキチガイじみた妄想はとどまるところを知らないようだ。楽しみにして欲しい。
※市川哲也着用済みのキャットスーツ3点(BLACKSTYLEのS、XS、マスク、ストッキング、グローブ付きのS)、ブーツ3点、ドルフィードリーム(人形)を出品中です。
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ザラバーアカデミーが好きです市川哲也
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新品のラバーはまず最初に洗う

 梅雨晴れは日毎に暑さを増している。夏がやってくる。夏こそラバーだ。夕方、エアコンをガンガンにつけて、ラバーを着る。ラバーにはなかなかこの季節手がでないものだが、気合いを入れて着れば素晴らしい体験があなたに訪れる。
 夏こそラバーである。どんなに設定温度を下げても、着る前はぶるぶる震えるくらいであっても、ラバーを着て数分もたつと、皮膚とラバーのあいだにぴちゃぴちゃと汗が出たことを知らせる音が、あの甘美なる調べが聞こえてくるだろう。
 ラバピカを塗りこめば塗り込むほどに、つやが出る美しいラバー。
 ところで新品のラバースーツの場合は、いちばん最初にラバピカを塗ってはいけない。最初は、着たら表面にはラバピカを塗らず、そのままシャワーを浴びよう。新品のラバー表面についている「粉」を最初にシャワーで洗い流すためである。最近気が付いたのだが、ドイツから来るラバー製品(つまりAlt-fetish.comで扱うほとんどすべてのラバー製品)の表面には、静電気を抑えるために細かな粉がまぶしてある。その粉がついたままラバピカを塗ると片栗粉みたいになって白くよけいに汚くなってしまうのだ。
 これはAlt-fetish.comがラバー製品を買ったお客様へ製品と同梱している取扱説明書にも書いていない最新情報である。何しろ昨日発見したのだ。
 ラバーの表面についてくる粉の正体は私には正直よく分からないが、製造過程や、輸送過程で必要だからそういうものがついているのだろう。ラバーも工業製品だから、何らかの合理的理由があるはずだ。しかしこの粉は、エンドユーザの元に届いた以降はおそらくは不要なものである。
 最初にラバーを洗う。
 新鮮な野菜を、食べる前に洗うように。愛着を持って洗おう。長い付き合いになるのだから。
 そしてラバピカを塗ってみれば、洗うと洗わないとではまるで光沢が違うのだ。
 話を元に戻すが、夏のラバー。
 とにかく膨大な量の、ビックリするほどの汗が出る。それは、はめていたグローブを外すときやふと体を動かしたときに分かる。びちょびちょと汗がしたたり落ちる。暑い、という感覚がないのに出る汗だ。
 汗の効能か、ラバープレイを終えたあとのすがすがしさは筆舌に尽くしがたい。私のように日頃スポーツをやる習慣が一切ない者にとって、ラバープレイは貴重な体を動かす機会、新陳代謝を盛んにし、身体にたまった老廃物を出す格好の機会だ。
 スポーツと同じような効能を得られるばかりか、私たちラバリストは性的な興奮も得られるのである。本当によかった、ラバリストで。
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ラバー万歳、市川哲也
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