フラット化するボンデージ

 ボンデージ。BDSM。この魅惑の言葉たち。私はインターネット黎明期の90年代初め頃からなんどとなく、このキーワードで検索してきました。今から二十年前なら、この言葉のもつ特別な意味が、深く重く私の心を震わせたものです。それはすべてにおいてコストがかかり、仰々しくて本格的な設備が必要で(たとえば六本木のホテルアルファイン)、数万円を支払わなければ口を利く機会すら得られない先達たちの指南のもとにたしなめる、完全なる大人の趣味の道でした。そしてもちろん、国内に私が求めるボンデージのリソース自体がありませんでした。縄ばっかりでね。縄じゃないんです。アイアンなんです。鉄、鉄と鎖。もっぱらこういうラバーと鉄は海外のネットを漁るほか、拝むことはできませんでした。
 そして時は流れ平成もテン年代に入り、ゼロ年代中盤からアメリカでジャーナリストに指摘されてきた世界的潮流、「フラット化」(cf.『フラット化する世界 増補改訂版版 上・中・下』トーマス・フリードマン著 日本経済新聞社 2008)がこのボンデージの世界にも押し寄せました。ITの力で、とりわけ途上国において、あらゆるリソースを格安の値段で、誰にでも公平に利用できるようになるという、フラット化の力。ボンデージ途上国だった日本でも、このフラット化の恩恵を受けた男がいます。何を隠そう不肖市川哲也。この写真を見てください!
http://www.alt-fetish.com/cnts/gallery/110213steelbondage/index.htm
 安い、安い、安い!! 何もかもが安い!
 従来こうした写真を撮るにはたいへんなコストがかかったものです。しかし、今日ではもう(近所のホームセンターで一本数百円から売っている)足場パイプ数本と、スタジオレンタル料金の合わせて1万円ちょっとでできちゃいます。デジタルカメラで撮影した写真の加工もフォトレタッチソフトであっという間。撮影からウェブに上げるまで、ものの数時間しかかかりませんでした。単管組み方超簡単、ポーズもネットのフェチ画像でいくらでも参考資料が得られます、それも無料で。
 さて、肝心の写真の説明ですが、まず!私が着ている服はなんだと思いますか? 「シナゴム商事」などと同業者にバカにされるまでに、中国製品の販売シェアが上がっているALT-FETISH.comなのですが、市川が着ているのはなんと!BLACKSTYLEの0.35ミリのXSサイズのラバーキャットスーツ、定価37,800円です。
http://www.alt-fetish.jp/25_800.html
 なぜか? BLACKSTYLEのXS0.35ミリは私の体型にぴったり合う唯一の既製品。匂いも素敵な4Dラバーのものだからです。中国製は残念ながらそうじゃないですね。そして、BLACKSTYLEの着心地ですが、時間が経つにつれてラバピカがこの高級な4Dラバーになじみ、ずっと消えない光沢を放ちはじめます。とってもしなやかで伸びもよく、まさに第二の皮膚そのもの。中国のものには絶対に得られない高い満足感が得られます。皆さんも、お金を貯めて、高ーいBLACKSTYLEのキャットスーツ、ぜひいつの日か、挑戦してみてくださいね!!! 既製品サイズを選ぶコツは、サイズが小さめの薄手のものを選ぶことです(ただサイズは必ずBLACKSTYLEのサイトで確認してください)。
 顔にピッタリと着けているのは、Simon.Oの目がボツボツに穴が空けられた、いわゆる蜂の巣アイのマスクです。この目が点々になっている(英語で言うとperforated)ラバーマスクが、ここ数年の私のツボなんです。数年前から、ポツポツとお客様から取り寄せの依頼が入るようになったんですが、はじめはあまりピンと来ませんでした。しかしあるときラバーフェチの同人作家が書いたラバーエロ漫画を読んでから、すっかりツボにはまりました。その漫画にはパフォーレットアイマスクをかぶった真性ラバーフェチのお姉さんが、無垢な(フェチじゃない)男の子を逆レイプするというなんともエロ過ぎる漫画でした。目は口ほどにものを言うといいますが、その目が出ていない分、口がより強調されて饒舌です。
 写真のポーズは3種類あります。一番最初は、バイクにまたがっているポーズ。私のラバーフェチ道は革ツナギライダー姉ちゃんが起源であります。それ故、なんとしてでもこういう格好でバイクに乗りたい。ただバイクの免許は家族に反対されて取れないので、自分で単管組んでやってみました。単管組んで私服でまたがってるときは、ラバー着て乗ったときを想像して勃起したけど、なぜか本番では勃起しなかった。意外に重力がかかって足も股裂気味でつらかったです。人によってはいいと思います。
 もう二つのポーズは、十字架張りつけ状態のポーズと四つん這いのポーズです。十字架のポーズは、上体が微妙に前に反った状態になっていてこれまたキツイ。四つん這いはまあまあいいです。四つん這いはちなみに懇意にしていただいているお客様ご提案のスタイルです。
 すべてのポーズに共通して言える感想ですが。期待に反して残念なものとなっております。つまり、ラバーキャットスーツ着て、重たいヘルメットをかぶり、息はガスマスク着けてるからシューハー苦しいし、チェーンは重いわで、性的な興奮とはまったく縁のない精神状態。おまけに、単管をつなぐ直交クランプから落ちた、小さな金属バリが足の裏に刺さったりして(そしてそれを取るためにラバーのグローブを外したりしてるうちに)チンポ激萎(な)え。写真見て興奮した人には申し訳ないが、私は(モデルとしては)まったく興奮していないし、おそらく二度とやりません。酷っ。だってキツいんだもん。それにこの装備の設営と撤収。6時間はかかった。あり得ません!オナニーに6時間は。
 そう、なんといってもフラット化してめでたくコモディティ(日用品)になったボンデージの目的って、オナニーなんですよ私の場合。だからその一瞬の刹那めがけて数時間かかるっていうだけであり得ない。効率的じゃない。それにそのあとの片付けが何これ現場労働? 日雇い仕事? 給料出ないのに? 
 こうなると、私、本当にラバー着て興奮できる設定、装置って一体何だろうなと分からなくなってきてしまいます。二十年以上夢に見てきたバイクにまたがるポーズもいまいちだったし(じつは密かに大ショック)。いやーでも、もしかすると、こうした目的を超えた労働の果てに、何かものすごいカタルシスが潜んでいるのかもしれない。皆さんはその境地を見つけられそうですか?
 ちなみにこの文章のweb版の前後に写真を掲載していますがラバーマスクはRubber’s Finestのものです。
http://www.alt-fetish.jp/26_767.html
 サイズはメンズの2です。これに口元は販売終了してだいぶ経ったDEMASKのダブルインレットガスマスクを合わせます。かっこいいですよね。販売終了は本当に残念です! ヘルメットは東八道路沿いのハードオフで3150円で買ってきた誰かの中古品でした。撮影者はちなみに配偶者です。それもまた気を遣わないといけないので萎える原因だったんですが……。
ヘヴィー・ラバー・マガジン No.28(英語版)は今回はワケあり品(端折れ曲がり)を500円引きで売っています。ご注文時のオプションで「訳あり-500円引き」オプションをお選び下さい。数に限りがあります。
http://www.alt-fetish.com/mag/2024/2024.htm
MARQUIS No.50も同時発売。
http://www.alt-fetish.com/mag/2023/2023.htm
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文・市川哲也
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ラバーシスターズとL-A-TEX.com

 ラバーキャットスーツ、ラバーフェチから効果的に愉楽を引き出すためには、コスチュームやシチュエーションを使っていかに、通常の普段の、自分から遠ざかるかが鍵となります。社会的規範にガチガチに拘束されて身も心も不自由さから来るフラストレーションに倦みきっている私たちの心身はいつも、ラバーによる大変身、大変化、転換を求めているのです。
 今日から発売のヘヴィー・ラバー・マガジンNo.28ではラテックスコスチュームを使った大転換のテクニックの実践者である、ラバーシスターズの活動と、アマチュアモデルを使って、ラバーコスチュームと照明の工夫によりフェティシズムへの情熱を引き出すことに成功し続けている天才的写真家、L-A-TEX.comのアレキサンダー・ホーンのインタビューが掲載されています。
 まず前者ですが男性が変身を遂げる場合は、男性には生来備わりようもない女性のふくよかな体型を備えるために、空気を入れてふくらませて形を作る特殊なラバースーツが出てきます。このスーツを着ることで、ゴツゴツした岩盤のような男性の身体は胸やヒップにふくよかな隆起を獲得し、美しくなだらかな起伏に富んだボディラインを形作りはじめます。股間には大きく強調された外陰部大陰唇をモチーフとする造形物が装着されます。そして、精巧に作られメイクも施されたフィーメールマスクをかぶり、ウィッグを付ければ、そこにいるのはポルノスターそのものです。中にいる人間に許された外界との接点は、両目と鼻に開けられたわずか数ミリの穴のみです。変身を遂げたフェティシストはこの号のグラビアに描写されているようなさまざまなカテゴリー、シチュエーションでのプレイを堪能します。これらのファンタジーはいずれも本場のラバーフェティシストならではの筋金入りの妄想からわき出るアイディアの結晶です。
 そして、90年代から私が非常に注目してきた有名なフェティッシュフォトのサイト、L-A-TEX.comのインタビューは見逃せません。クリス・アンダーソンがフリー云々と言い出すそのはるか前から、彼はこの自らのサイトで、多額の私財を投じて撮る写真たちを惜しげもなく無料で公開しているのです。彼の記事とインタビューを以下に訳出して掲載しますが、これを読むとフェティッシュな情熱に満ちあふれたこの写真家の哲学には、「営利」というけちくさい資本主義の欲望など微塵も感じられません。私たちがこの世に生まれてきてやりたいのは、フェティッシュな対象を目にしたい、手に触れたい、写真に撮って表現したい、そういうことです。それが目的であり、撮った瞬間には目的が達成されます。そして次の欲望はもちろん、もっといい作品を作りたい、そういうことです。決して、もっとあくせく数を増やして金儲けしたいとか、そういうことではないのです。前回のメルマガでも紹介したマーキスジャパンを主催する人物もまた、そういう情熱の持ち主です。
HEAVY RUBBER FETISH MAGAZINE No.28 84ページ特集「アレクサンダー・ホーン L-A-TEX.comの歴史と現在」 記事抄訳
アレクサンダー・ホーンはむしろ古典的なカメラマンといえる。なぜなら彼の写真はほとんどわずかにしかデジタル加工やレタッチ処理されていないからだ。彼はそうした古典的なカメラマンはもはや絶滅危惧種の職業だと知っている。というのも今日、誰でもフォトショップさえ使えれば、つまらない写真も傑作に加工することができるからだ。「私は依然としてアナログ写真を撮っている。そしてこれは続けようと決意した」彼はそういって笑う。「理由は単に僕が怠惰だから。写真を撮るときに、完璧なものをその場で撮れば、あとでデータをいじる手間が省けるだろう」
 ホーンは1990年代の初めにフェティッシュな作品を撮り始めた。彼は、何を自分が求めているかがよく分かっていなかった。ラテックスをまとった美しい若い女性の姿を。数年がかりで彼は自分のスタイルを確立した。素人モデルを使うから、彼はプロ以上にライティングに拘る必要があった。この熱狂的なフェティッシュへの情熱のすべて、本当のフェティッシュ感覚、そして本物のルックスは、デジタル加工処理をうわべに施しても決して得られるようなものじゃない。
 ホーンは1995年にウェブサイトL-A-TEX.comをはじめた。作品をより大勢の人に見てもらうために。何年も続けるうちに新しいアイディアを見つけるのがだんだん難しくなってきた。結局繰り返し作品を撮るしかない。「実際、僕は同じものを何度も撮ってきた。でもその理由はたった一つ、そうすることによってしか、上達する術はないと分かってるから。まあそうはいってもコスチュームを変えたりして新しい作品を撮る試みにはトライし続けているけど。」
 たいていのホーンのモデルは、若いし、当然コスチュームだって持っていない。だから北ドイツ出身のこの写真家は自分で専用ワードロープを構築するしかなかった。「いやー高く付いたよ、撮りたいもの、気に入ったものは全部自腹で買ってきたんだ。幸い、最近ではいくつかのラバーコスチュームのメーカーがかなりのリベートをくれるようになってきたけどね」
 ホーンの写真は彼の好みを反映している。そして美を表現している。フェティッシュに内在された。ビザールなタッチの写真からでさえ、美はそこにある。もちろん、汚らしさやポルノチックな表現抜きで。ラテックス、マスク、そしてボンデージはアレクサンダー・ホーンのメジャーな要素だ。それらは私たちにヘヴィー・ラバーの風をまっすぐに届けてくれる。
インタビュー
MARQUIS(以下M):いつウェブサイトを始めましたか?
Horn(以下H):1993年に最初のフェティッシュ写真を撮りました。サイトを始めたのは1995年です。
M:どのくらいの業務がこれらのアップデートの裏側で行われているんですか? デザインや、特に全部無料で公開しようとしてからの。
H:めちゃめちゃたくさんです。全部やってるんです、自分で。プログラミングから何から何まで。しかもオープンソースのコンポー年つとかASPなども使わずに。
M:モデルでは、素人も、プロも使ってますね。素人モデルとプロの違いってどんな感じですか?
H:私はプロのフェティッシュモデルの多くと仕事をしてきました。たとえば、ジーン・バードット、ダンテ・ポッシュ、スウェイ、ダイアナ・ナイト、ラバードール、レベッカなどです。
プロと素人、それぞれメリットデメリットがあります。経験豊富なプロフェッショナルモデルの場合、最初は仕事しやすいでしょう。緊張感や不安感が少ないから。でも自然な表現をプロから引き出すのは難しい。なにしろあまりにもポーズや表情がルーティン化してしまってるから。ありがちっていうやつですか。
アマチュアモデルは恥ずかしがったり不安を感じていたりして最初はたいへんです。でも彼女たちはそれを克服するとむしろプロよりも説得力のある画が撮れます。それは別としてもアマチュアは私のウェブサイトでしか公開されていない、つまり単独、限定公開という点も有利ですね。
M:モデルに求めることってなんですか?
H:容姿とかプロポーションといった明白な基準の次に重視するのはラテックスへのウソ偽りのない情熱です。もしモデルがラテックスに心地よさを覚えることができないなら、いい写真にはなりません。あと女王様の場合は、撮影中は女王様でいていただく必要はありません。撮影中はカメラマンのいっていることをよく聞いてカメラマンにしたがっていただきたいです。
M:好きならバーアイテムは?
H:私の好みはラテックスマスク、ギャグ、そしてキャットスーツです。インフレイタブル(空気でふくらませることができる)服も好きです。
M:あなたの好きなままに撮りたいですか? それともモデルのテイストも重視してモデルに妥協しますか?
H:何を着るかは、モデルと私で話し合って合意したものを選びます。彼女がそもそもその服を心地よいと思わないのなら、よいパフォーマンスは期待できませんし。また彼女にとってもその撮影は意味をなさないでしょう。
M:今まで15年撮ってきて、数え切れないほどのシチュエーションを見てきたと思います。まだ実現されていないもので、あなたの温めている撮影アイディアはありますか?
H:そうですね、興味深い環境、パーティーイベントでのフォトセッション、通常とは異なるライティングに関心があります。新しい服にも挑戦したい。町中や、近未来を想像させるロケーションで撮影するのも好きです。
M:他のプロジェクトについても教えて下さい。
H:そうですね、L.A.Texからスピンオフさせた、フェティッシュパーティーやニュースについてのインフォメーションのサイトを立ち上げています。このサイトでは私のもう一つの重要な活動、フェティッシュパーティーのスナップ写真も掲載しています。私は世界中を旅して、世界各国のフェティッシュイベントでスナップを撮っているんです。Kink in the Caribbeanではオフィシャルフォトグラファーです。アメリカ、カナダ、英国、オランダ、もちろんここドイツでもほとんどのフェティッシュイベントに行っています。
2002年にはDVDも出しました。今は品切ですが。私の写真はセックス 野生の道を行くというサンプルブックにも掲載されたことがあります。本当は自分の写真集が出したいんですが、ふさわしい出版社はまだ見つかりません。(取材・文:たぶんピーター、日本語訳:市川哲也)
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ラバーキャットスーツin秋葉原!

(写真付き記事全文http://www.alt-fetish.com/cnts/media/101230cosholic/index.htm)
 文学とは何かといいますと、個人的体験の普遍化です。今日、世の中にあふれる情報が均質化し、あらゆる人間の活動がシステム化(定型化・平準化)されつつあります。世界を超えてこの傾向は加速しつつあります。どこの郊外に行ってもおなじコンビニエンスストアのおなじ品揃えが暮らしを支えているし、ネットの世界でもヤフーやミクシーといった大企業がコミュニケーションの中身さえ同じようなものに平準化しています。
 そうした平準化された世界、システム化された社会のなかでストレスを感じ、違和感を覚え、自分は違うともがきながら生きている私たちが一方で確実にいます。私たちの違うという問題、自分は違うんだという意識こそが、私たちにとっての生存であり、それは毎日の個人的体験の蓄積のなかでより克明に見いだされる感覚でしょう。
 さてここに文学が出てきます。文学というのは個人的体験(エピソード)を書き記すことで大勢の読者のあいだに共感知を引き起こし、社会全体がそうであるかのような普遍化をもたらします。この普遍化が、システム化された面白くもない、まったく古くて変わらない社会に違和感を覚える私たちにカタルシス(浄化作用)をもたらしているのです。
 写真もまた文学のような相貌を持ちます。写真芸術の本質、あるいは正統的な写真の作風を云々するとき、必ず問題になるのが、わたくし性ということです。表現が一般にそうであるが、写真はしょせん、私(すなわち撮影者自身)の感情の表白です。ところで、それは、作者の体験した事実を忠実にウソ偽りなく模写することによって成り立つ「感情の表白」であるところにその特質があります。ですから、一枚の写真を裁く価値基準があるとすれば、それは撮影者の体験した諸事実が、いかに迫真性を帯びて、一瞬の露光に表現されているか、という点の判定にあります。
 感情は個人的体験の結露です。写真は個人体験でありながら、文学同様、見る他者(もの)に共感知を引き起こすことができます。そういうわけで今回、秋葉原で行われた某デジタル展示即売会に文学作品としてのALT-FETISH.comDVDやMARQUIS刊行物を展示即売してみました。売り子にラバーキャットスーツを着せたので、お題は「ラバーキャットスーツin秋葉原!」
 2011.12.30はコミケの3日目に該当します。このイベントはコミケとは無関係ですが、コミケから流れてきたヒトタチを集客できるよう、夕方から夜まで行われていました。場所も秋葉原なので、コミケから流れてきた方々が大勢やってきます。
 市川がもっとも驚いたのは、展示即売会でありながら、会場の壁際にコスプレイヤーが数メートルおきに立ち、カメラマンのシャッターを浴びているのです。つまり即席の撮影会になっていました。いや正しくは即席とはいえません。カメラマンたちは、撮影したいと思うコスプレイヤーの番号が書かれた「整理券」をあらかじめ主催者側から購入していました。お目当てのコスプレイヤーを撮影するのはひとりのカメラマンで、「持ち時間」は観察によると3~5分程度でしょうか? その間、同じコスプレイヤーの整理券を買った他のカメラマンは、列を作って並んで待っているのです! カメラマンたちは手に手に、日本製の一眼レフカメラを持って無言で自分の番を待ちます。そして、コスプレイヤーは床に寝そべったり、股を広げて下着を●●●したりしなかったり、もう大サービスです。指を半開きにした唇にそっとのせる。ずれためがねを直す仕草をする。短いスカートのあいだから白い太ももを露出させる。そんなひとり芝居の素人女を、いい大人が黙々とカメラに収めます。カメラのシャッター音だけが響きます。
 もちろん、コスプレイヤーは特定のゲームやアニメのキャラクターに由来する衣装のコスチュームを身につけています。したがって、なんのキャラにも由来しないALT-FETISH.comの売り子siki嬢は浮いてしまっています。なんのキャラですかと訊かれても答えようもありません。ドイツの有名?なファッションブランド、Cosmic coutreのものですといったところで知ったこっちゃありません。
 同人メディア即売会ですからみんなが売っているものと、ALT-FETISH.comが売っているものには甚だしい乖離が、ここでも生じています。ALT-FETISH.comはMARQUISの雑誌や、自社のエロDVDを格安で売ってみました。しかし売れたのは、あどけない少女がラバー姿でファックしている(ように見えるよう作った)まどか二十歳がわずかに2枚だけ。この結果については私は怖すぎるので論評を控えます。
 左右のブースの方々が売っているDVD(というかjpegファイルがたくさん入ったCD-ROM?)、行列ができていて、どんどん売れていきます。一体何だろうと拝見しますと、結局これも特定のキャラクターのコスチュームを着てそれっぽいメークを施した販売者本人(!)が、きわどい姿態で写っている写真集でした。よく売れているのはエロいこと、しっかりキャラを表現していること、そして本人が手売りしていることです。ただここでいうエロさがALT-FETISH.comが追求しているラバーキャットスーツの美学とはまったく無関係であるという点は強調すべきでしょう。だって、連中のエロさの本質は、「露出」だから。真逆でしょ、ALT-FETISH.comは。ALT-FETISH.comが至高とするエロティシズム=トータルエンクロージャー、分かりやすくいえば全部覆い隠す!!ですからね。それに、ALT-FETISH.comにはキャラがいないのも皆さんに評価してもらえない要因かもしれません。ざんねん!
(写真付き記事全文http://www.alt-fetish.com/cnts/media/101230cosholic/index.htm)
取材・文 市川哲也
スタッフ siki様
衣装協力:COSMIC COUTURE マーキスジャパン様http://www.marquis.jp/
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文・市川哲也
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◆ショールーム 東京都小金井市
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