ミートアップとは

 同じ趣味や考えを持つ同好の士が集まる場所をネットを通して設定するサービスを提供する会社がある。ミートアップ社という。 自分の関心のあるテーマと郵便番号を登録すると、最寄りの場所で、そのテーマで開かれるミーティングがリストアップされる。市民レベルの政治活動とかでマスコミは注目しているのだが、もちろんAlt-fetish.comはこのサイトに登録されたテーマに関心を持った。
 朝日新聞に掲載されていた、ミートアップサイト上のテーマ別登録者数ベスト15を見てみると……
8位 女性のための行進(妊娠中絶)
9位 人権キャンペーン(同性愛)
11位 巨大メディアとの戦い(メディア監視)
14位 ネーダー2004(消費者運動家ネーダー氏)
15位 ゲイ・ライツ(同性愛)
 順位が欠番になっているところは、政治関係が入る。
 こうしたテーマが埋もれずに、きちんとランキングに入ってくるところがアメリカの民主主義(利用者のほとんどが民主党支持者)というか、行動主義というか、日本との違いを見る気がする。
 妊娠中絶については、これは何の検証もない勝手な推論というか妄想だけれども、働く女性が妊娠を中絶してさらに働きたいというケースもあろう。そうなると優秀な女性に職場を追われて男性の生産性が下がる(収入が減る)。反対する男性の理屈が何とも情けなさそうで、ちょっと面白いテーマだ。
 同性愛については、住んでいる地域で同性愛者が「人権」という崇高なテーマで集まって面と向かってまあオフ会をする。フェティシストを標榜する私としては、やはり、「変態」ということで人権侵害の危機につねにさらされている。人権というときに、憲法尊重擁護義務があるのは国民は除かれるため、国家、公務員、政治家、裁判官、こういう連中による、変態への侵害行為がないのかどうかが問題となる。
 近所のヤンキーに「変態」と自宅の塀にスプレーで朱書きされた上、民放のワイドショーで安いコメンテーターに「やむを得ないでしょう」などとコメントされた場合は人権侵害というよりも名誉毀損の損害賠償ということになる。
 やはりフェティシスト、特にラバーフェティシストは、この暑いなか汗だくでラバーを着て、「公道」を歩いてみたい。公道を歩いて、デモ行進すれば、国家にたいし、変態としての権利主体性をアピールできる(あ、踏みつぶさないでねって)。
 変態は隠れてこそこそ変態を、もっぱらしているけれど、こうやって集まってアピールすることで、日歯連みたいに政治に対して圧力をかけられるような団体を形成することも不可能ではなくなるだろう。え?それでなにをやるかって? 公共の施設でラバーのドレスコードありのイベントを開かせてもらうんですヨ。年金基金とか、雇用能力開発機構とかが全国にたくさん作った保養施設、一杯あまってるでしょ! 使わせてって。
 あと、消費者運動の集まり。日本で消費者運動というと、なんか主婦が暇つぶしにってイメージ。それを、男が、それもなぜかみな変態がやる。昼間は企業戦士。夜はラバーにくるまれて消費者運動。これクール。ラバースーツを着て、法外に高い保険会社の前でハンガーストライキ。マクドナルドをラバースーツを着たまま30日間食べ続けて精神や体重がどう悪くなるかを映画化。あとみんなでメディアを監視。これはおもしろい。
 このように、テーマがあって、それをもとに集まってまあ飯でも食うと、そういうのは、地球60億年という歴史のなかでやっと到達した今日の現代社会では、もっとあっていいんじゃないかと思う。
 140万人が登録しているこのサイト、自分がいる場所は全世界から選べるから、実際にはアメリカだけではなく、各国でいろんな人が利用していると思われる。実際、東京で登録トピックスを見ることもできた。テーマは政治ネタがメインだが、ルームメイト、言葉の問題など、海外から日本にやってきた外国人の利便に資するものがやはり多かった。
 同性愛とかそういうのは見つけられなかったけど、まあ外国に来ていろいろそれどころじゃないということだろう。
 あればいいなと思うテーマは、やはり昨日のブログに関連し、「紙に目標や夢を書いてまーす」という人たちの集まり。参加したーい。もちろん、その紙持参で。
Text by Tetsuya Ichikawa
Alt-fetish.com