惚れた相手が変態だったら

 女性は男性を好きになるにあたり、思想信条とか、知識の量、幼少時の体験、学歴、職業とかではなく、おもに第一印象や外見を重視する(ここでは結婚相手として選ぶという場合ではなく、好きになる場合に限る)。
 外見が受け入れがたければ、惚れることもない。たとえばいま人気のぺ・ヨンジュン。彼は外見がかっこいいから惚れられる。ところがじっさい彼は外国人である。したがって歴史はもとよりカルチャーも言葉も、おそらく性格も違う。しかし、女性たちはかれのそうした内面ではなく、外見に惚れる。
 すごーくかっこいい、おしゃれな恋人。ステディーな仲になって喜んでいたところ、セックスのときに見たこともないような黒光りするゴム製のスーツを取り出し、これを着てやりたいという。
 そんなとき、女性はどういう反応を示すか。
(1)一回だけだよ。といってそのときは許すが以後二度と許さない。くどいようなら振っておさらば。
(2)M女になりきって、むしろ変態傾向を甘受する
(3)M女にもなりきれず、かといって強くもいえず、無理矢理あわせる
(4)自分もラバーフェチだったのよと感激して盛り上がる
 このなかで(4)のケースというのはきわめてまれだろう。で、一番多そうな(3)。これがいちばん不幸だと思う。男は、女がわりと変態を受け入れてくれるのかなと誤解する。女は、ずっと演技し続けて苦しむことになる。
 選んだ男を容易には変えられない不幸。似た不幸に陥って苦々しい思いで過ごすある自治体の住民たちが、いる。
 普通地方公共団体、「東京都」。そのトップたる行政庁、石原都知事を選んでは見たものの、世界に向けた恥さらし発言が続く最近の変態的右傾化にすっかり嫌気している、わたしら東京都民である。
 前日のブログで彼の変態模様は読んでもらうとして、まあ今日は趣向を変えて、パートナーとか、大切な人を選ぶ場合は、よーく考えて、いろいろ調べて決断しないとダメだよっちゅう話し。
 選び間違いがいちばんの不幸の原因なんだから。しかも人間、自分のミスを認めたくないから、選んだら最後、できるだけ維持しようとする。株の損切りができなくて損がふくらむのと同じ。
 都知事の損切りは、早くしたいものである。
Text by Tetsuya Ichikawa
Alt-fetish.com