ドラゴン桜「勝手にあきらめてしまう人生」

 TBSで放映され今日最終回を迎えたドラゴン桜で冒頭とてもよい台詞が聞かれた。元暴走族の弁護士という設定の教師が、東大受験の前日、生徒に向かってこういう。
「東大に受かってえばり腐るやつがいる。相手が東大だと分かるととたんに卑屈になるヤツがいる。みんなゲスだ。どうしてそういうヤツばかりなのか分かるか? それはみんなが勝手に東大を難関だと祭り上げ、最初から勝手にあきらめてしまっているからだ。自分なんてどうせダメだ、うけたってうかりっこないと思いこんじまっている。受けようとする前にあきらめてしまうんだ。そうやってコンプレックスの殻に閉じこもった狭苦しい人生を送るほかなくなってるんだ」───たしかこんなようなことをいっていた。
 私はこういう受験ネタというか、受験ならではの根拠なき励ましがすごく好き。なんだか生きようっていう気分が盛り上がるでしょ?
 それにしても、この「最初からあきらめている人たち」「無理だと思いこむ人たち」ってホント多いと思う(もちろん自分を含めて、ハイハイ)。今年は行政書士の試験を「勝手にあきらめちまっ」たし……。あきらめたほうが、やめたほうが、チャレンジしないほうが、チャレンジするよりも断然ラク。そこがポイント。人間ラクなほうに流れるから。でもそうやって流されていくと気が付くとすっごくきつい、選択肢のない、制約だらけの長い人生に填り込む。パートタイムジョブ。リストラ。少ない年金。勝手に変えられてしまう憲法。低賃金。声を出させられる研修。「バカな」上司。痛勤電車。こういうのはぜーんぶ、若いときにどんどん、勝手にあきらめた人たちの末路以外の何ものでもない。
 実際まわりにいるあきらめていない人たちを見ると、こういうのとは無縁の人生をそれぞれでどんどん楽しんでいる。
 どんなことでもあきらめないでやってみよう、より困難な道を選ぼうというのはこのドラマからあらためて教えられた大切な人生訓。
元予備校オタク市川哲也
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