起業する若者、しない若者

 いまは正直言って起業するのにたいへん適している時期だと思う。とかいっても、私が思うに起業する(会社を登記する)しないは、完全に生まれつき(と家庭環境)で決まってくるから、この文章で起業する気もない人をたきつける気は毛頭ない。私は生まれつき起業タイプだったようで、早々起業したわけだが、こんな私に「なんで会社なんか作ったの?」とまるで理解できないみたいな質問をしてきた某信託銀行の若いある社員のような人たちも大勢いるしむしろそのほうが多いだろう。
 起業するのに適した時期なんてじつはなく、したいときがするべきときなのだ。このあいだ、ガイアの夜明けというテレビ番組のなかで、ホリエモンのかばん持ちをした学生にホリエモンが語った言葉が結構面白かった。(以下会話部分は記憶違い、潤色などあり)
 ライブドアのホームページについて、学生が「ターゲットは?」と訊いたところ、ホリエモンは「ないよそんなの。なんでターゲットなんて絞らなきゃならないの?」学「そのほうが差別化できますよね?」ホ「差別化なんていらないよ。なんで差別化する必要があるの。それにターゲット絞ると差別化できるっていうところにロジカルな裏付けはあるの?ないでしょ。世の中みんなが言っているようなことをあなたが言っているだけでしょそんなの」。
 さらに、「会社作りたいのならここに(かばん持ちとして)いること自体間違っている」と説教。あとで取材者に「めざすとか言ってる時点であり得ない。起業するなら今日会社を作れ。今日からやれ」とすごい気迫でうなっていたがこれは同感だ。あと「インターネットを見たときは天地がひっくり返るくらいの衝撃。これで当分はやっていけると思った」とも。よほどたくさん来るんだろう。やりたい業務内容や関心事もないくせに会社作りたいと言ってくる連中が。
 あと同じ車内で、その学生の前でホリエモンは携帯でどうもFXをやっていたらしく、「ポンドの値動きがすごい、怖いよ。ポンド140億売りなんだけど、これってすごいよね?」と副社長に話しかけていたのが印象的だった。なるほど、テレビが入るということで露骨に傘下のFX会社のPRに努めていたのかと穿った見方をしたが、やってることが半端じゃない。さすがだ。ポンドを、140億も、しかも「売り」である(きっと今頃大損だ)。それだけやればまあストレスにもなるし絶えず値動きが気になるだろうし、そこまで太るのも宜なるかな。
 しかしやってるんだからエライ。10万円でドルをぽちょぽちょ買っては負けてびびってやめたりして騒ぐ私とは雲泥の差だが、やっていることは「社長」「FX」「年齢」の3点が同じだ、と妻に威張るも虚しく無視される。
 私がFXをやっている理由は、それがもっとも手数料が安いギャンブルだから(競馬や宝くじ、パチンコなどにくらべて)。うまくやれば投資になるかもしれない。人間の感情を捨てれば。機械になれば。投資になったら他の金融商品よりも手数料はもちろん安い。少なくとも、銀行窓販の投信とか、外貨預金にくらべたら胸がすくくらいの資金効率のよさである。俺はFXやってるんだから、そんなの受け付けないぜっていう、そこのところが何となく孤高でかっこいい気分になれる。
 あー書いてて虚しくなってきたが、件のかばん持ち学生のブログとくらべれば幾分かはこのFJのほうがマシな気がしているがどうか?(密かにこの学生は女装をさせれば結構かわいくなるんじゃないかと思ってそれからは目が釘付けになったのはおそらく私だけだろう。堀江も美女になりそうだと見込んでまんざらじゃないからきっと出資するって言ったんだ)。
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市川哲也
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