デザイナー悲哀

 ニューヨークのファッション・コレクションではシーズンごとに話題を呼ぶ「期待の新人デザイナー」が登場する。しかし、その新生の輝きへの関心は瞬く間に衰え、生き残れる確率は年々低くなっている───日経MJの記事によると、買い付け仕入れが主流の百貨店の統合や淘汰が進み、販路は狭まる一方だという。新進デザイナーがブランドを設立しても赤字続きで最後は消えゆくケースが多いのだ。華やかなファッションの世界の裏側ではデザイナーの悲哀が聞こえてくる。
 SALOのデザイナー渋谷氏も、服飾専門学校のなかでは日本でも有数の名門校。しかし卒業生の多くは低賃金長時間労働を余儀なくされるケースはめずらしくないらしい。
 もちろん厚生労働省が発表する賃金構造基本統計調査学歴別を見るまでもなく、そもそも大卒以外の労働は構造的に長時間低賃金である。長時間ではないにしてもテレアポなど精神的消耗をともなう使い捨て仕事に追い込まれるだろう。おいしい職業ポジションは、大卒の、それも偏差値の高い大学から順番にイス取りゲームのように埋まっていく。
 残されたイスがへぼいのならまだ座る余地があるのだが、従来高卒・専門卒に開かれていた職業ポスト自体がここ日本で次々に消えていっている気がする。というのも従来そうした労働機会を提供してきた産業が、アジアのもっと賃金が安い地域へと移動してしまい、国内に産業が失われる傾向が近年の国際競争社会のなかで顕著だからだ。そうした背景からニートなどが出てくるのは当然だ。
 職業選択にあたっては世界の産業構造の変化も視野に入れた長期的なスタンスが不可欠だろう。小学校くらいから。
 何となく暗いオチになったが明日以降、そういう事態を打破するあるノウハウを開陳する予定なのでお楽しみに。
※たくさんのオークションご参加ありがとうございました。今週もご期待ください。
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市川哲也
Alt-fetish.com
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