ライフスタイルという価値の源泉

 「初めて体験した非常にエロティックかつフェティッシュな体験でした。この感覚は着てみなければ絶対に体験できないと思います」
 これは、昨日報告されたキャットスーツ体験者からの報告である。報告の中で、「体験」という言葉が目立つ。体験は個々人のライフスタイルの文脈に応じて、求められ、消費される。Alt-fetish.comが提案するライフスタイルは、オルタナティブな自分という側面を持つ、豊かな精神世界の実践だ。フェティッシュプレイは一見身体体験のようだが、そもそもあらゆる快楽は脳が感じているのであるから、精神の働きとも密接に絡んでくる。
 やはり日本人の我々としては、ここのところ平和憲法のおかげで、勤勉な働き蜂のような国民性のおかげで、平和で豊かに消費できているわけだし、ちょっと趣味やら心の満足にお金使ったってイーじゃんと、そういったところである。
 そこでたとえばハイアットの社長は「ホテルはライフスタイルビジネスだ」と言っている。客室単価6万、4万、2.5万と3クラスごとにブランドを運営するこのホテルの頂点は、新宿のパークハイアットである。必要かどうかなどは問題ではなく、あくまで客の満足という絶対的価値が経営理念のウエートを占める。SARSのときは、北京のホテルが空っぽになり、客1人つき従業員1000人という状況になったこともあったらしい。
 また吉野屋は、牛肉輸入が再開されたときに、お客が店に行って牛丼がないという状態を避けるため、チャーター機でアメリカから牛肉を運ぶ計画を練っている。全店舗で1日に消費される量をとりあえず、通常の船便ではなく、飛行機で運んで「早さ」という顧客満足にこたえようとするわけだ。そのコストは、牛丼一杯1000円となる。つまり完全に逆ざやだが、牛丼一杯を超える顧客満足の提供という点から、このシナリオは実現される見通しだ。
 サービス業はもとより、あらゆる企業が顧客の心へいかにアピールするかが問われる時代である。
 今日またあるひとりのAlt-fetish.comのお客様から、カスタマイズラバーキャットスーツの注文がメールで寄せられた。
 Alt-fetish.comはショッピングカートを用意しているが、むしろメールでどんどん要望を寄せてもらいたいと思っている。ひとりひとりのフェティシズムに、できるだけこたえたい(もちろん範囲はラバー・レザー・PVCフェチカテゴリーに限るのだが)。
 そうしたコミュニケーションの蓄積を通じて、Alt-fetish.comはお客様に期待を超える体験を今後も提供し続けていきたい。
 ところでchikaさんという、ニューハーフでラバーフェティシストの方がいらっしゃいますが、ここのところアップされている写真があまりに素晴らしく24時間頭を離れないのであります。ぜひみなさんもごらんください。
Shimp head
S.M.F Unplugged World
 chikaさんは私のブログにもコメントを下さったことがあります。
Text by Tetsuya Ichikawa
Alt-fetish.com