ラバースーツとオリジナルスーツの違いについて

 あるお客様から質問があったので今日は、オリジナルキャットスーツとラバーキャットスーツについての違いについて考えたい。
ALT-FETISH.comオリジナルキャットスーツの例 26250円
http://www.alt-fetish.com/costume/size/catsize.htm
ラバースーツの例
RCJ およそ35000円 http://www.rubberist-jp.com/index2.htm
SALO およそ35000円 http://www.salo.jp/
BLACKSTYLE およそ50000円 http://www.alt-fetish.com/costume/1129/1129.htm
 オリジナルキャットスーツとラバーキャットスーツは着心地がまったく異なる。もちろんかたちも違うし、生地も違う。通気性についてはオリジナルキャットスーツは、ナイロン基布にポリウレタンコーティングを施している関係上、ラバーよりも若干だが通気性はあるようだ。ラバーはまったく通気性はない。
 したがって、ハードなボンデージスーツとしてキャットスーツを考えるのであれば、第二の皮膚とも言われる魅惑の素材、ラバーをお奨めする。しかし、キャットスーツの入門に際しては、オリジナルキャットスーツのほうが廉価で取扱も容易だろう。オリジナルキャットスーツの裏地はナイロンなので、スムースに着られるし、ラバーほど汗もかかずに済む。皮膚にトラブルを抱えている人にとっても、オリジナルキャットスーツのほうがいいに違いない。ラバーキャットスーツは3万円以上も値が張るので、万が一、買ってみて何も気持ちよく感じられないのであるならばこれは痛い。まずはオリジナルキャットスーツで自分のフェチ度を試してからラバーキャットスーツを買えばいいのである。何を隠そうこの私ですらそうだった。ラバーキャットスーツはAlt-fetish.comにかかわるようになってもしばらくのあいだは高くて手が出なかった。それに、オリジナルキャットスーツがあれば十分だったのだ。ラバピカなど塗らなくてもいいし、脱いだあとにそれほど汗も残らないのでシャワーも浴びずに済む。それでいて、ある程度の密着感が味わえ、外面の光沢も美しく興奮を呼び覚ます。オリジナルキャットスーツをかなり長いあいだ愛用していた。
 ところでキャットスーツを着る目的はそもそも何かといえば、希有な性的な興奮を引き出すためだ。その性的興奮は、オリジナルキャットスーツを着て生じた人ならば、きっとラバースーツを着ても同じように生じるのではなかろうか? しかしラバーキャットスーツで興奮するからといって、オリジナルキャットスーツで興奮するかは微妙だ。これが全身タイツフェチならばオリジナルキャットスーツの着心地のほうがタイツに近いのでいいかも知れないが、私たちはラバーフェティシスト。第二の皮膚、ラバーを纏ってはじめて最大の快楽が得られる。第二の皮膚感覚という観点から言えばラバーに勝るものはないだろう。
「ラバーフェティッシュというのはそもそもそんなに古いものではない。だいたいラバーというのは服の素材として適していないため、昔から使われていてもゴム靴などそんなものでしかなかったと思われる。しかし、20世紀初めにイギリスのマッキントッシュというブランドがレインコートとしてラバー素材を使い、それがラバーの歴史に大きく関わっている。その後、独特の光沢感や、伸縮性があって、皮膚に貼り付くような素材感がボンテージファッションの素材として広まった。ちなみに対象への興奮というものは視覚から入るものであり、ラバーや革類にみられるフェティシストは光沢感に執着する例が多い。たいていの人は衣装を身に着けることでも興奮を味わうようになるが、実際にフェティシストになるべく育った環境にはそれを身につける機会はないと思われる。(個人差はあるが)ラバースーツに至っては頭から爪先まで全身を多い、性をなくし、自分をなくす事が興奮の要素として含まれるの。ここがラバーフェティシズムが他のフェティッシュよりも心理的な面で面白いとおもわせるところである。見た目でいうと人間の肉体というのはとても美しく、それに隙間無く光沢を持ったラバーが皮膚に密着し、第二の皮膚となる。SFなどに出てくる近未来の服のようでもある。着心地はというと汗がでて、もう一枚の皮膚の隙間に水が泳ぐ感じだが不快感はない。脱いだときは汗が流れ出ている事に気付くが、着衣時は暑くなく、密着するラバーに身体を締めつけられる感じだ」このように述べるのはSALOのデザイナー渋谷氏。
 私たちのフェティシズムは簡易にはオリジナルキャットスーツで満足されるかもしれないが、究極的にはやはりラバーでなければならないのだ。ラバーのたいへんさ、面倒くささもまた、ひとつのフェティシズムのかたちを成す重要な要素、ともいえそうだ。
市川哲也
Alt-fetish.com
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