ラバ活byALT-FETISHでわかったこと

ALT-FETISHは今年の9月ころから、「ラバー部活動」と称して独自の活動を始めました。場所は以前のショールームの場所(東京都小金井市)で、ここを部室として、ラバーを着て過ごしたり、軽いボンデージ体験を味わったりできる設備を調えたのです。

ALT-FETISHがそもそも、創設者の「こんなサービスがあったらいーなー」という思いから、自分のためにまずは小さく始めることからすべて出発していることを思い出してください。部活動も、いわゆるSNSで最近語られるような「ラバ活」と異なり、もっと個人的で、小規模な、男性のみの活動となります。女性を絡めると風営法の問題が出てきますから、ここはしっかりと線引きをしたいし、私がそもそも男ですから、女人禁制でいく以外に選択肢はありません。

とはいえ、男が男のために始めるラバ活っていったい何だろう? 正直私もよくわからないまま始めました。最初のころは、とにかくがむしゃらに、ラバーを着ることで部員も私もすっかり舞い上がって興奮してしまい、単なる性欲のはけ口みたいな感じで終わって後悔するということが続きました。

これだと電車賃を払ってわざわざオナニーしに行くみたいなことですから、来ようという人もいないでしょうし、私だってそんなのの相手ばかりさせられたのではたまりません。

もちろん、ラバーを着てチンコが起つわけですから、快感を得ていることは間違いないですし、かまわない、むしろ喜ばしいことなのですが、射精はしないほうが活動としてはいい、ということが分かったのです。

射精は、人間にとってはあまりにも巨大な「区切り」です。「賢者モード」になってしまうんです。一瞬で。

射精が早いことを「早漏」といって、これはネガティブです。「遅漏」のほうが女性も喜びます。女性は一回のセックスで何度もオーガズムを味わうことができるのに対し、男性は一回きりです。その一回切りが、あっという間に終わったら、女性からすればなんじゃそれってことになります。自分だけ気持ちよくなってるだけじゃん、というわけです。

もし、ラバー着てすぐにいってしまう、あるいはいってしまって終わりたいのであれば、家でやれば済むことですし、家がダメならラブホテルの休憩サービスを利用すればよいでしょう。

ALT-FETISHの部室はラブホテルではありません。では何なのか、ということが問題になってきます。なんでわざわざ、部室を構えてラバーを着る活動を作ったのか。目的は何なのか。

ここで、切り口を変えてみたいと思います。よく最近は女装をする人がいますよね。女装する人に、なんで女装をするのかって、聞いたらどうなんでしょうか? そんなの、理由なんて女装したいから、以外にないのではないでしょうか? それでしてみたら、以外にも普段の自分から解放されて、ある種のカタルシスを得られた。そしてインスタに画像をアップしたら、たくさん反響が得られて、すっかり気持ちよくなってしまった。

マズローは人間の欲求を生存欲求、食欲、性欲、自己承認欲求など、だんだん高次に5段階に定義しました。自己承認欲求というのが、人間には備わっています。

ですから、ALT-FETISHの活動も、そこらあたりなのではないでしょうか?

つまり、普段は絶対に家にないような大きなストロボや写真撮影のシステムがある。家だと床が滑りやすくなるなどの理由から、着ることができない。かといってホテルはいかにもな感じで気が進まないし、そもそも撮影できない。

ALT-FETISHの部室なら、自己承認欲求を満たすに足る素晴らしい写真をとることができます。

それだけでもなかなか素敵な場所だと、私は思うんですがいかがでしょうか?

あとこれはおまけですが、わざわざ部室に来る人にはある共通項を、私は見出しました。ショールーム時代から、これはそうなんですけれども、好奇心旺盛、知的、育ちがよい、そういう人が多いように思えます。

世間にはステレオタイプがあります、おなじみのあれです。つまり、政治家や医者が、SM女王様にぶたれてひーひー言っている。知的エリートは変態だという固定観念というか、偏見が世間で共有されています。こうした偏見が広く定着するには、やはり事実としてそういうことがある。私が目にしたのは、このおなじみのステレオタイプがだいたい真実を言い当てているその証拠の数々です。