世代を越えて継承されるラバーフェティシズム

 Alt-fetish.comのフェティシズムは一言でいうと、幼少時にヒーローものの影響を受けて発症する、全身を包むツルツルとしたセクシーな素材へのフェティシズムということになるが、一語で言うならそれはラバーフェチに行き着く気がする。このフェチの欲求を満たす唯一の商品がラバーのキャットスーツといえる。もっともAlt-fetish.comはその導入編、簡易版として特殊素材によるラバーの雰囲気を持つオリジナルキャットスーツを販売してはいるのだが。
 ラバーキャットスーツがどうして私たちのフェチをかなえる最強の商品であるかというと、ヨーロッパでラバーキャットスーツの工房がいくつもあってもう立派な一市場として成立しているからにほかならない。日本ではまだまだ圧倒的な少数派だが、ヨーロッパをみるともう当たり前のようにそれは存在しているのである。
 ラバーキャットスーツなんてめずらしくも何ともない、もはや普通の、日常に、あるいはエンタテインメントの舞台衣装に欠かせない「コモディティー」───そういう認識で市川哲也は日々暮らしている。ところが……。
 先日次のようなメールが来てハッとした。
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自分は約3年前、ネットでオルタ・フェティッシュさんを見るまで、ラバーフェチと言うのを知りませんでした。
仮面ライダーの怪人や、たまにTVに出てくるゼンタイなどを見るとなぜか興奮はしてたのですが。
SM関係のビデオには、たまにラバーグローブやぴったりしたブーツが出てきたりするので、自分はSMの方の気があるのかな。と思い始めたとき、ここに出会いました。
ビデオ紹介を見た瞬間。
稲妻が走ったようでした。
これだ!!と。
すぐにビデオを注文し、最初に見たときの興奮。忘れられません。
それが、実際に着てみたくなって少しずつラバーウエアを集め。
やっと一式そろえる事が出来ました。
キャットスーツ・グローブ・ソックス・マーキスのマスク・ブーツ・さらにガスマスクをかぶってラバピカをまんめんなくぬって、自分の体をさわった瞬間。それだけで達しそうになったのが衝撃でした。
これからもお世話になると思いますがどうぞよろしくお願いします。
(beroさんから2005/1/28にいただいたメールより抜粋)
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 このメールを読んで、学生時代に、四ッ谷にあったアズロというフェティッシュカルチャーの店で自分のフェチが「ラバーフェチ」であることを知ったときの衝撃を思い出した。その時の自分が書いているのではないかというくらい、beroさんのメールは親近感を持つものである。
 誰しも自分の変態性をかなえるものを市場の商品群のなかから見つけだして手に入れるまでにいろいろと苦労をするものである。しかしAlt-fetish.comのようなサイトが、昔アズロがそうだったように、あなたのその興奮の理由はもしかするとラバーフェチかも知れませんよとささやく。
 そうやってラバーフェチは世代を越えて承継されていくのだなあ。
 まだまだ日本ではラバーフェチはマニアックであるし、今後、このフェティシズムがもっと勢力を増すとはとうてい思えない。私は最近、自分のカラダがラバーを求めてうずくのを感じることがある。もうラバーを着たい、着て全身に発汗してぐちゃぐちゃになって、うんようんよと動きまさぐってひとりで(理想をいえば誰かパートナーと)達したいと思うのである。
 beroさんはまだ20代の前半だが、30代の前半の私だって、ラバーを着たらその都度、衝撃が全身を走って息が上がり、着ただけで達しそうになるのを必死にこらえる有り様である。
 いったい何なんだろうか、この興奮は。ラバーって本当に変態、罪深い悪魔そのものなんだ。
※お詫び
先日「ラバリストの状況、孤独かどうか」の記事で「HN」氏という仮名は「マスクん」氏のあやまりでした。お詫びして訂正します。HNというのはハンドル・ネームの略だったんですね。それと勘違いしました。お恥ずかしい。
Text by Tetsuya Ichikawa
Alt-fetish.com
info@alt-fetish.com

「世代を越えて継承されるラバーフェティシズム」への3件のフィードバック

  1. 四谷のアズロとは懐かしいですね。バブルの余韻が漂うあの頃はまだネットが普及しておらず、立読みしたSM雑誌の広告で存在を知りました。確か最初は都営新宿線の曙橋にあって、その後四谷を経て麻布の方に移ったのでは。主宰の山崎ユミさんは、今はどうされているのでしょうか。広告の記憶だけを頼りに、都心からやや外れたほの暗い裏町を江戸川乱歩のような気分で徘徊し、妖しげなロフト風の店のドアを開けた瞬間の興奮が昨日のことのように甦って参ります。市川さんより更に一回り年長の私はその遥か以前からラバーの悦楽を見知ってはいましたが、これほど本格的なショップが日本にも出現しようとは思いもよらず「あと10年早く開店して欲しかった!」とつくづく思ったものでした。「独身の頃にこんなお店があったら、もっと好き放題楽しめたのに・・・」と。

  2. ああ懐かしいですね、あの黒い扉、私は小心者でしたから、ひとりで行ったときは怖すぎて開けられず、後日トモダチといってやっと入ったくらいです。別にオソルルに足らず山崎さんはじめみなさん紳士淑女な方ばかりなのですが、何となく怖かった。独身時代ならそうですよね、もっともっといろいろできたと思います、年に一度くらい完全に家でひとりになるときがありますがその時の「乱れぶり」にそれは現れます(笑)。私は、「そういえばいま、Alt-fetish.comの市川哲也ってどうしているんだろう」みたいに言われないよう、一生続けますからついてきてくださいね!ラバーフェチ万歳……(万歳とかって絶対アズロさんはいわなさそう、笑)

  3. 拙文は次の一節を以って締め括るべきでした。気が利かなくてすみません。;
    "それに較べたら、今の若い人たちには Alt-ftish.com があるから幸せね!!"

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