おなじキャットスーツばかり着ているのでは、当然飽きてきます。もちろんそれを脱げばもっといいかと言えばそんなはずもなく。脱げば、数十年見飽きてきた「裸の皮膚」が出てくるだけでなおさら興ざめです。飽きてきたからと言って着ないわけにも行きません。なぜなら諸般の事情ですぐに逝ってしまう事態だけは避けなければならず、定期のガス抜きが不可欠だからです。
ショールーム改め、この8月から商談ルームに変わったミニマルスタジオの間借りの空間で聞く、お客さんの体験談に刺激されたりして、意を決してさすがに着ようと思い、今日久しぶりに着てみました。準備するのも一苦労。着るモノ一式を収納場所から引っ張り出してコーディネートを決めます。それだけでもうおなかいっぱいというか。これをまた仕舞うことを想像しただけで萎えてしまいました。
そこで昼寝してまた挑戦です。ドリンク剤も飲んで、もうたたなくてもいいや、写真でも撮ろうという覚悟(大義名分)で取り組みをはじめました。キャットスーツを着る前に、ボディ・ローションを塗ってみました。普通に、ドラッグストアで売ってる、ベビーローションみたいなやつです。それをラバピカに混ぜて塗ると、肌が本当にしっとりとして、見違えるようです。ラバーもスルスルと入っていきます。
最初に、ペニスシース付きパンツを着ますが、念入りにペニスやアナル、大殿部付近、玉にローションを塗り込みます。シースの内側にローションを垂らして、十分粘度を確保しておきます。ラバーパンツがケツにはまると、なんだかとっても嫌らしい感じがしてきました。思い出した、この感覚です。やっぱり、ラバーは、着てはじめてエロスを獲得するんだなと。着ることがやっぱり大事なんです。
キャットスーツもおなじです。ぺろぺろ、薄いワカメみたいになっている臭い物体を肌にまとってはじめて成立する、美しい創造物。でもまだまだ、下半身の静寂は相変わらずです。
その後ラバーマスクをかぶり、ヘッドハーネスを付けて、今は販売終了となった(残念!)DEMASKのレスピレーターを装着して鏡を見ると……。きた。これだ──。目がアイホール(蜂の巣みたいな点点がいっぱいついてる)になったSimonOのしなやかなラバーマスク。その上に装着されたへヴィーデューティーな装備たち。
ブーツもグローブも装着した頃には完全に別世界です。着る前には想像もできなかった気持ちが湧き起こってきました。この衝動はコントロールできない津波のような圧倒的な自然現象です。黒い物体、マシーンになってしまった自分のものすごい異形が、鏡のなかから迫ってきます。
感じたことは黒いラバースーツ姿の自分、なんとかっこよく、エロくて、美しいんだろうということです。これは単なるナルシスティックなうぬぼれとは違うんです。だって誰もそこにはいないし、自分がどう感じようとそれはあくまで自分のなかでの反応です。
折しも、筆者が敬愛してやまないビザール画家(と勝手に私が呼称している)、松井冬子が言っていた言葉を思い出します。(自分が描く、あらわになったヒトの内臓を)気持ち悪いとか、怖いと感じるとしたら、それは既存の文化がそういうふうに擦り込んだから。本当は人の臓器はとても美しい。自分が美しいと素直に感じるものを文化の刷り込みに阻害されないもともとの感性で捉えて欲しい。
ラバースーツを着た自分の姿を感じる気持ちも素直に考えたい。変態とかキモイなんてもちろん感じない。きれいでかっこいい。あこがれの存在だ。理想の姿。まさにフェティッシュイコンそのもの。
松井冬子に助けられて、私はよけいな文化的な刷り込みを排してその美しさと素直に向き合う機会を得たのです。
この存在に出会うために、たしかに煩わしい手続が前後にありました。でも、それを乗り越えて、この夏、私は改めて大切にしたいものを見つけました。それは、ラバーの美しさを感じることができる自分の原初の感受性。
過日、ショールーム改め、商談ルームであるお客さんが私の前でラバーをまとってくれました。そのときに、思わず私は彼の股間のファスナーを開け、しまってあった怒張するペニスシースを、取りだして眺めたものです。美しいものを求めて。取りだされた、黒くテカる美しい対象に、しばらく見とれてしまいました。相手が男だとか、変態チックなラバーの格好をしているとか、そういう後付の状況、手垢の付いたばかげた言説、他人の視点をすべて捨て去り、対象と純粋に向かい合う気持ち。この気持ちを大切にしていこう。そして、この気持ちを共有できる数少ない仲間たちに向けて、このことをこうやって書こうと思いまた。
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文・市川哲也
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