恋のマイヤヒーという、O-Zoneの曲。欧米で4000万枚を売り上げたというとてつもない「変態」曲である。何が変態って、一回聴けば分かるが、人間の脳味噌を直撃する「マイヤヒー」という裏声の雄叫び、あり得ないほどわかりやすい旋律。ところがこの曲が、iTune Music Store(米)で買えば0.99ドル。日本で、プリペードカードで買うと、だいたい160円、mora.jpという国内最大規模の楽曲ダウンロード販売サイトで買うと、210円。値段がバラバラなのである。
最後のmora.jpだと、ATRAC3というファイル形式でダウンロードすることになるのだが、これがMP3と違い、ひどいことになっている。ダウンロードしたファイルを最初に保存したPCまたは、ソニーをはじめとする一部のオーディオメーカーが出しているアホなキカイ(つまりハードディスクにしては割高なキカイ)でしか聴くことができない。さらにあきれることに、ATRAC3ファイルは、2台のPCでは同時に聴くことができない。ただコピーしただけでは全然ダメで、それを専用のアプリケーションで復元する必要があるのだが、その復元の過程で、すでにそのPCに入っていた別のATRAC3ファイルは聴けなくなってしまうのである(たぶん)。レコード会社や音楽事務所などによって、CDに焼けたり焼けなかったり、別の音楽再生端末にコピーできる「回数」が違ったりする。さらにいえば、mora.jpには日本を代表するサザンとか、山崎まさよし、SMAPが入っていない。
結局まだまだ業界はわたしたちにCDを買ってくれということだよ結局。ITの全知能を動員して、必死こいてATRAC3というバカげたファイルを考案し、CDに焼いて汎用できないようにしてある。アホか。もったいない。技術をそんな自分たちのエゴを守るために使うだなんて。ケチで前近代的な、腐れ業界、乞食連中の集まりだな。自分だけ儲けようとしている。自分さえよければいいと思っているんだ。もっとも音楽の癒しを必要とし、音楽を愛する、とりわけ未成年者やニートはそもそも音楽が買えない(クレカが必須だから)。よってたかって、わしら消費者の小銭=パイの奪い合いだ。メーカー、著作権者、管理団体、国、一円でも損しまいと必死である。アメリカの0.99ドル、しかもMP3に比べてひどい有り様だ。はずかしい。
アナログで出力して、アナログ入力を録音できる機器があれば最終的にPCで何らかのファイルにしてディスクに焼けるから、私はそうすることにする。もっとも聴くのをやめりゃいいんだが。
ただ誘惑にはかなわない。昔好きだった(恥)田村英里子のアルバムがmora.jpでは全部ダウンロードできる。まあいまは当面、楽曲ダウンロード販売が始まったばかりだから仕方がないのかも知れない。今後、日本のあらゆる曲がiTune Music Storeと同じような水準で売られることを願いたい。
もっとも友人がやっている「交換」も選択肢のひとつではあるが……。でも品揃えがいまいちなんだよね。ちなみに私はmora.jpでは中島美嘉の曲を何曲か「買い」ましたよ。けっ
音楽は、ストレス社会の抗ガン剤by市川哲也
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“ケチで前近代的な日本の音楽業界” への1件のフィードバック
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ようやくiTMSが日本でも開始されますね。
少し米国より値段は高めのようですけど
何はともあれ万歳!
iTunes使う意味がやっと出てきました(笑)