映画「愛についてのキンゼイ・レポート」の一シーンで、学生に講義中のキンゼイ博士のスライドに、男女の性器が大写しになっている場面がある。映倫はこの映画の主旨をかんがみるに、このシーンにモザイクをかけるのは妥当ではないとして、性器大写しのまま審査を通しこのたび上映される運びとなった。
日本の映画館で性器がモザイクなしで上映されるのは映倫始まって以来はじめての出来事らしい。この映画がはたしてDVDリリースになったときもやはり世紀にモザイクが入らないで済むのだろうか。これまでに、性器の発表をめぐってはエマニュエル夫人の裁判を筆頭にさまざまに争われ、結局性器だけはダメと一貫して裁かれてきた。ところがついに、性器そのものが公衆の面前ででてくるのである。
欧米では性器は当たり前のように露出して上映されている。もちろんR指定で見られる人は一定の年齢条件が付加されているのだが、日本のように一律絶対にダメ、というのは欧米にくらべるとかなり異質であった。しかも性器だけである。
キンゼイレポートが、はたして性器解禁になるのか否か。非常に関心がある。というのも、Alt-fetish.comが輸入しているMARQUISの雑誌やビデオがたびたび税関で性器を理由に面倒な手続きを踏まなければならなかった経緯があるからだ。MARQUISの作品は性器ではなく、ラバーという着衣の美しさが主題となっているから、そもそも性器の露出自体が少ない。しかし、なくはない。そこが問題となって、税関では必ず性器の表現を削除した上でないと輸入は認めないのである。
もちろん、当面はAlt-fetish.comもこれまで同様法律を遵守して販売せざるを得ないのだが、このネット全盛時代、すなわちネットを通じて誰でも簡単に性器を見られるようになったいま、司法の判断に時代に即した変化を強く要望する。
キンゼイレポートのフェチ版やりたい市川哲也
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