野村総研が、消費者がテレビ番組をデジタルビデオレコーダーに録画して番組を見るようになったり、ブロードバンドの普及などの影響から、テレビCMの効果が費用に見合わなくなるなどとした研究論文を発表した。これに対し、テレビ局各局が異例の猛反発。「謝罪して欲しい」「撤回すべきだ」などと騒いだという。
それに対して、野村総研の当該リポートを担当した人は「無料で番組を見せて、広告費で儲けるという仕組みの自信のなさのあらわれ」と一蹴。電波行政に守られ、独占的な利潤を少数で寡占してきたテレビ局の静かな、しかし確実な瓦解が始まろうとしている。
将来の雲行きが妖しくなって焦るテレビ局各局。ブロードバンド放送に相次いで乗り出そうとしている。これまで、ブロードバンド放送というと、通信事業者が主導してきた。しかし、そもそもコンテンツを制作して持っているのはテレビ局だ。豊富なコンテンツ資産を武器に、このジャンルへの参入を逃すまいと躍起になっている。
私に言わせるといろんなビジネスがある中で、テレビ局はずるい。汗水流してわずかな年収というのがもはや当たり前になろうとしている世知辛い世の中で、自分たちだけかなりおいしい思いをしているのがテレビ局にほかならない。そういう不公平を、新しい技術がなくそうとしているような気がする。
今さらブロードバンドに進出するったって、ネットに流せる放送コンテンツなんてそんな大したことないに違いない。本当に観たいものは権利関係が複雑で無理だろうし、かといってどうでもいいものは誰も見ないような無価値なものに決まっている。
アメリカではゲイがダサイノンケ男をおしゃれに変身させる番組とか、いろいろ素人を使った面白い「企画もの」が話題だが、日本のテレビ局もタレント頼みのドカーンバカーンというのばかりじゃなく、そういう企画ものをどんどんやるべきだと思う。たとえば景気動向にかかわらずいつもバブリーなテレビ局社員の日々をドキュメンタリーで放送してみてはどうか? アイドルグループの未成年に酒を飲ませるなど「ネタ」としても面白い事例がちょうどでてきているではないか。しかしそうしたネタは何もテレビ局がバーンとやる必要はない。
デジタルビデオカメラが数万円で手に入り、しかも映像圧縮技術が進歩し、そうした技術を格安のソフトで誰でも使えるようになった。何もいまの時代、自分のコンテンツを制作し発表するのにテレビ局である必要はなくなった。個人でも、自分が撮影した映像をブログなどのメディアにぺたっと貼り付けて公開することが、デジタルビデオカメラとPCが一台、それに早い回線さえ用意すれば簡単にできる。もちろん一晩徹夜の覚悟がいるケースもあるかも知れない(凝りに凝った画像をやりたい人、ただしこれは続かないぞ)。
ネタさえあれば、誰でもテレビ局になることができる。そういういい時代に、テレビ局からすれば困った時代に、なったんですねえ。
※昨日コスチュームストアのトップを整理したのですが、ナビゲーションバーでリンク切れを連発してしまいご迷惑をおかけしました。修復作業が完了したようですからお知らせします。
フジテレビのエントリーシートは新宿郵便局に終電間際に出しに行った思い出がいまだに痛すぎる市川哲也
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