資本主義は欲望をエンジンに回転する。ライブドアが粉飾決算をするなどしてホリエモンら幹部が逮捕された。堀江起訴有罪、ライブドア本体は上場廃止、こんなシナリオが進めば、株価は暴落。株価で持っていたこの会社は命運尽きることになる。買い集めた既存の実業はどこかに引き取ってもらったあとは、ライブドアは静かに解体の時を迎えよう。
決算を黒字にしたり、株価を上げようというふうな意向が強く経営陣に働いたのは、連中の欲望もさることながらライブドア個人株主の経営幹部に対する強いプレッシャーがあってのことだと思う。個人の、飽くなき欲望がダイレクトに堀江を直撃し、株主もライブドア経営陣も「ファンタジー症候群」(現実とファンタジーの境目が付かなくなり、最終的にはファンタジーのほうを重視するようになる傾向)にかかったのだろう。
機関投資家やプロの投資家はライブドアをほとんど持っていなかったらしい。そういう妖しげな銘柄には機関投資家はノータッチだったというのが非常に興味深い。さすがはプロというか。値動きよりもファンダメンタルズを重視して銘柄を選んでいるんだろう(と思いたい)。結局ホリエモンは姑息なショートカット野郎だったんだ。まあ彼をそういう風にしたのは個人投資家にも一因はあっただろうが───というのが、メディアで語られている意見の大勢である。
私はといえば、ただただ、日本株を今回買うに至る前に、コトが起こって本当によかったと胸をなで下ろすだけ。無傷である。為替も買ってないし。先日、日本株が外為よりもきれいな上昇トレンドを描いていて乗りやすいなどと書いた。それに乗って買った人がいたら心が痛むがまあ専門家は年末には2万円も夢ではない、とも言っているから、ここはひとつ調整所と思って踏ん張って欲しい(ナンピンは御法度)。わたしとて昨年末来の株高に浮かれて口座開設をいそいだアホな泡沫投資家。もっとも余裕資金がなく、口座に金を入れることすらおぼつかないのだが。だいたいライブドアなんて会社は社員をゴミみたいに扱っているそうじゃないか。そういう会社がまともなはずがないと思う。まああとになればいろいろいえるんだけれども。あともうひとつ、額に汗水垂らして働いている立場から言うと時価総額だとかそういうのを経営基準にもってくる異様なフェティシズムが堀江には見受けられた。これはある意味古典的で、パーで子供じみている。やはりフェティシズムはあくまで下の話にとどめておき、表ではそれは言いすぎない方がいい。
いずれにしても、相場は感情の恐怖をすべての参加者に平等にもたらすことがあらためて歴史において確認された。これをもって個人投資家が反省し、もっと地に足のついた(バフェットのようなファンダメンタルな予想に基づく長期投資)投資姿勢になれば、ニッポンの資本主義もいよいよもってオトナに近づける、そんなこともいわれてる。もちろん私はそんな偉そうなことをいえる立場にないので、謹慎したい。というのもちょっと前のブログで煽ったところがあったので……。反省している。FXや株への投資は余裕資金で、これが鉄則という言葉を繰り返して終わりたい。
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余裕資金なき市川哲也
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