ラバーキャットスーツモデル3名がフェティッシュ撮影会に登場

○はじめてラバーキャットスーツを着た女子の感想は?!
 今日、ALT-FETISH.comははじめて「コスプレ撮影会」へキャットスーツを貸与するという協力(宣伝)活動をしました。着てくれたのは、もともと「レプリ撮影会」に何度も参加したキャリアを持つコスプレイヤーの3人です。着終わっての感想は「身体のラインが出るからどんなポーズでもきれいに見える」「照明を反射して映える」「思ったほどきつくない、暑くない」と全体として好印象をいただきました。脱いだあとに腕に生々しくキャットスーツが食い込んだ痕が残り、たいへん申し訳ない気持ちで心からお三方の素晴らしいお仕事に感謝申し上げた次第です。
○撮影会における人間の欲求とその満足
 正確には、お仕事ではなく、無償で自信の身体を被写体としてカメラマンに差し出しているのです。ここが私にとっては驚きで、一体どういう秩序であるいはモチベーションで場が成り立っているのか、その観察も今日の課題のひとつでした。
 経済的なことをいえば、主宰者には、場の設定、モデル・カメラマンの募集、当日の進行などさまざまな労務提供履行義務があります。参加料から必要経費を除くと利益が残りますが、経費にはモデルのギャラが想定されていません。人気投票で上位のモデルには賞金を支払います。ですが、基本的にカメラマンは支出して写真を撮り、モデルは無償で、これを務めるのです。出版社に勤務し、モデルにもカメラマンにも報酬を支払ってきた私としては、こうした無償の関係モデルというのは新鮮で、興味深いものにみえます。ここには、仕事で活動するという経済的欲求以外の、別の動機があるはずです。はたしてそれはなんでしょうか? 観察してみると、場の雰囲気は、カメラマンがモデルに注ぐ「やさしさ」に満ちあふれていました。モデルたちは、何人ものカメラに動じることなく、落ち着いてポーズを取っています。じつに堂々としてなれたものでした。
 カメラマンは、なぜお金を払ってまで撮影会に参加するのか? この疑問はそれほど難解ではないでしょう。誰でも、いいカメラを買えば、何かを撮ってみたくなるものですし、それが好きなコスプレイヤーなら支払う金など安いものです。カメラマンさんの中には、自分のサイトを持っており、そこに「新作を発表」するという重要な目的もありましょう。撮ったものをモデルにあげればよいコミュニケーションのきっかけにもなりますよね。
 モデルはどうでしょう。これはマズローの欲求の5段階を思い起こせば、合点がいきます。欲求の五番目、自己実現欲求というのがあるわけです。モデルはシャッターを切られることにより、社会心理学でいう「社会的承認欲求」がおおいに満たされます。大勢のカメラマンからフラッシュを浴びせられれば、まるで自分が時の人、著名人になったかのような気分になれます。以前衛星放送でニューヨークのコスプレイヤーを取材したドキュメントを見たときに、そのコスプレイヤーが、たくさんのカメラを前に「この瞬間は何ものにも代え難い、最高にうれしい」といっていたのを思い出しました。最高にうれしいし、コスプレイベントのために何日も前から衣装作りなどで準備する彼女は、それがあるから生きていけると言ってもいいほど生き生きとしていました。
○ラバースーツで進化を遂げたモデル
 ところで、ALT-FETISH.comがラバースーツを3着提供したことがどのくらい寄与したかは分かりませんが、今日開催されたレプリ撮影会は大変盛況だったようです。定員を上回る申込者がいたようです。これはALT-FETISH.comとしてもたいへん悦ばしいことですが、本当にうれしいのは、はじめて、ラバーキャットスーツを着た女の子たちがわりと喜んでいたことでしょうか? ラバーキャットスーツをひろげる草の根的活動としてこれからもこうしたことを続けていきたいと考えています。 今回、ラバースーツを着る人は全体のモデルの中では3名で、総勢10名を超えるモデルの中では限られてはいますが、ラバースーツの3人というのはビジュアル的に相当インパクトがあり私も度肝を抜かれました。本人たちは、マトリックスやゲームのキャラなどから、こうしたスーツに対して違和感を持っていませんでした。単純にかっこいい格好をしたいということで今回着用に名乗りを上げたようです。
 かっこよさそうだから、キャットスーツを着てみよう。こう考え、実行するのはしかしそれは簡単なことではありません。事前に、この服を着ることの困難さ(汗、痣、動きづらい、トイレに行けないなど)を聞かされていたはずで、それぞれに覚悟があったことと思います。それに、身体のラインがピッタリ出るこの服を着れば、人前で少なくともラインだけは素っ裸になるも同然なのです。ある程度身体に自信があってのことと思います。着ている最中、彼女たちは互いのスーツ姿をはじめて見て、しきりに「エロい」という言葉を発していました。もちろん、エロイのです。誰がどう見ても、エロい。しかし、いやらしいという意味でのエロさではまったくありません。かっこよく、クールなエロさ、ファッショナブルな魅力としてのエロさです。彼女たちは今回、普通のコスプレイヤーよりも一歩二歩秀でた領域に「進化」を遂げたことは間違いありません。
 キャットスーツが3人並ぶと、場の雰囲気が一気にゴージャスで、本格的になるから不思議です。大規模な予算が投入されている映画やCFの撮影のような感じで、撮影会自体の付加価値はおおいに上がったといえるでしょう(自画自賛)。
 病院の中で、思い思いのコスチュームに身を包んだモデルたちと、夢中でシャッターを押すカメラマン。私もかなり楽しみました。平和の享有の一バリエーションとして、こんな素敵な活動が行われているということを発見した有意義な1日でした。
【後日談】どんな仕事、どんな人生の局面にも、「雪かき」をしているときのような途方もない徒労感に襲われることってあるものです。村上春樹は、『ダンスダンスダンス』の中で、誰がやっても同じフリーライターの仕事のことを「文化的雪かき」と書きました。ラバースーツを提供したあと私に残ったのは、スーツのクリーニングというまさに雪かき仕事。つらいこのアフターワークをこなす私の心の支えになったのは、モデルの3人が私に言ってくれた「ありがとう」という言葉でした(泣)。
※当日の模様(写真)はALT-FETISH.comのこのページにアップしました。
http://www.alt-fetish.com/cnts/repli/index.htm
市川哲也/ALT-FETISH.com
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