峰不二子が好き

 峰不二子が好きという理由でラバー好きになってしまう人は多い。というか、後を絶たない。
 ラバリストのフェティシストは基本的にはMであるような気がする。だからたとえばこのイラストを見たときに、ルパンが不二子ちゃんを一方的に攻めているような見方をしない。
 そうではなくて、不二子がルパンに「もっときつく閉めなさいよ。早く。こののろま!」などともっとキツイ攻めをルパンに強要する倒錯した女王様像を不二子に投射する。 不二子は縛られていて、立場としてはルパンの支配下にあるが、それはあくまで肉体的な状況においてである。肉体は精神の僕にほかならない。したがって、この絵にMが興奮するためには、あくまで不二子がS、すなわち精神的上位者でなければならない。
 だから不二子はルパンに、もっと激しくきつく締めて!叩いて!もっともっとと命令している。
 よりハードな状況をストイックに追求するラバー美女不二子。私たちの永遠のアイドルであり、そしてまた私たちいきとしいけるものの永遠の記憶である。
 作者が付記した小説によるとこのイラストの不二子はなんと変装した「ルパン」である。そして描かれているルパンは不二子になっている。作者もまた私たちと同じラバーフェティシストである証左といえる。
 作者は「中国地方の片田舎」に住むという「b.b」さんによる。性的虐好は「ぎっちぎちの拘束」だそうだ。やっぱり。素晴らしい描き手。今日は長い夜になりそう……。
Text by Tetsuya Ichikawa
Alt-fetish.com