いのちの呼びかけ

フェティッシュ・ヴォイスでは何度か紹介してきたが、この日記サイトはとにかく壮絶である。なぜなら本人が死んでしまったからである。
「最後のお知らせ
二階堂奥歯は、2003年4月26日、まだ朝が来る前に、自分の意志に基づき飛び降り自殺しました。
このお知らせも私二階堂奥歯が書いています。これまでご覧くださってありがとうございました。」
若い、20代の女性。早大第一文学部哲学科を卒業し、出版社を経て大手新聞社の書籍編集部に勤務していた。筆者は身内の縁で彼女と知り合ったのだけれども、じつは彼女はフェティシストというか、もっともうすごい変態、マゾだった。
こんなひどいことを言えるのも、彼女は生前よく筆者にこう語っていたからだ。
「私は、知り合う人すべてに、私は変態なんです!って公言しているんです。もし知り合った相手の人が変態だったら、とっても素敵なことじゃないですか」
筆者は変態だったので、とても素敵な出会いとなった。忘れられない出会いである。その出会いの半年後に彼女はこのブログを残して自分で死んでしまったのだから、それを知った筆者の衝撃は中学時代にヤンキーにボコボコにされたときに次ぐ強大なものとなった。
せっかく変態ということで仲良くなったのに、彼女を失ってしまった。変態として、これはとんでもない怠慢をおかしたのではないか。彼女はわざわざ、恥も外聞もなく、自分は変態ですと、変態ではない普通の人にも公言していたのである。それほどまでに彼女は、寂しかったのだろう。
筆者と彼女はもちろん恋人とかそんなんじゃなくて、すごーく浅い、2回しか会ってしゃべったことのない完全に知り合いレベルなんだけれども、互いに変態だったためにすごく分かり合えた気がするし、喜ばしい友人だった。まもなく一周忌なのでご冥福を改めて祈りたい。
男性のフェティシストにくらべ、女性の場合はその病理が深刻なケースが多いような気がする。筆者が出会った真性フェティシストの女性全員が、過去に自殺を試みたことがあった。
最近ここで紹介した晃子さんのケースも、そういうことがあったと知って、もうこれは経験的に、女性のフェティシストは要注意だと確信した。
女性のフェティシストのみなさんに呼びかけます。市川哲也は変態のフェティシストですが、あなたの気持ちが分かる数少ない友人です。
ぜひ、今度自殺を試みる前に、メールください。いや冗談じゃなく、本気です。Alt-fetish.comを3年やってみて、この私が、経験的に分かったことなんです。これは。本を読んだり、聞きかじったことじゃなく、実体験に基づいているんです。だから、今夜、呼びかけます。命の呼びかけ───
女性フェティシスト命のメール info@alt-fetish.com
どんな悩みでも結構です。もちろん、FPなのでお金の悩みも(笑)。