世の中では通常女装する男子といえば変態と相場が決まっています。しかし、変態とそれを評価する視座があまりにも短期的で、辟易してしまいます。何でそんな短いスパンでばかり物事を評価したがるのか。
人類が猿から分かれて200万年。狩猟採集から農耕型になって、ストックの管理が必要になったことから法を作り始めたのが1万年前。それ以来人間は、むしろそのときからはじめて、変態になったと思います。普通と変でいったら、199万年の歴史がある方が普通だと考えるのが合理的ではないかと思っています。
いいたいことは、もちろん人類はほとんどの歴史上、女装をしていたというのではありません。そうではなくて、なにかを変だとか区別するのは、尺度によってまるっきり違うっていう話です。
今男らしさを規定している諸諸の世の中の枠組み、法、イデオロギー、これらが全部、狩猟採集時代の人類のほとんどから見て奇怪で変なんです。だから、今の変な世のばかげた前提条件において、女装が変というのは、変なやつが変と言っていることになり、それゆえ変じゃないんです。うふ!
さて、変な人類である今の人間のうち、特に男は、出産をしない身体メカニズムの影響もあり、オキシトシンホルモンが出にくい。その代わり、やたら攻撃的でイライラが募る原因となるテストステロンのようなものばかり分泌して、その苦痛を正当化するために、男とはかくあるべし!みたいなジェンダー規範にすがる。本当に息が詰まるし、科学的にも幸せには慣れないですね(オキシトシンが幸福感をもたらすことから)。
それで、大阪には「変身体験専門店 女装紳士」という店があって、数時間、プロのメークアップアーティストが、男性を女装するサービスに、月20人くらいお客が入っているようです。
体験者が口々に言うことは、女装をすることによって男に課された重荷のようなものから解放されて、気持ちがすっきりしたとか、女性を思いやるようになったとか。お金を払って受けるサービスとして成り立っているのですから、ポジティブな効果はある程度の普遍性を持っていると思います。
さて私たちラバーフェチのあいだでも、非常に少数ではありますが私を筆頭に女装する人がいます。女装をすると、しないのにくらべて、変身度が高まり、いよいよ普段の自分の面影はなくなります。そして、女性ですから、不思議な解放感、規範からの自由な感じがやはり体から脳に、「情動」として迫ってきます。鏡を見た瞬間は、まったく違う自分に驚いて言葉を失うんですが、しっかり記憶に残って忘れないほどのインパクトです。その後しばらくすると、「自分はもう女だ、男じゃない」という喜びに包まれます。
男は、対象をコントロールして、なにより規律や秩序を求める傾向が強いのに対し、女性というのは、すぐにトランス状態に入ることができます。理由はたぶん、ホルモンのバランスとのととか、体のいろいろな器質的由来があるとは思いますが、不思議なのは、ラバー女装をすると、本当にそういうふうな女性ならではの柔軟性が男の体にもわき起こってくるのです。
ラバー女装と普通の女装は、中の人がラバーフェチかそうでないかの違いであって、女装で得られる効果は変わらないでしょう。
ラバーフェチの方で、「最近、もう男としての稼業に疲れ果てた」「社会的肩書きがうざい。本当の自分との差が開く一方だ」「恋人もできなければ、友達もできない。一人でいると妄想が膨らんでやばい感じになり、危うくネトウヨになるところだ」などと思っている方。は、ぜひとも、ALT-FETISH.comの「ラバー部」においでいただき、このえもいわれぬ解放感を体験してもらいたいと思っています。
というか、そもそもラバーフェチである時点で、すでによほどラバーを着た変身願望が強いという感じです。メーク絶対おすすめです!
メークは素人ですが、私がお手伝いできます(下手です)。ラバーズファイネストまたは、リビデックスのラバーマスクで小さめのをかぶると、目のまわりのたるみを微妙にコントロールできます。一番きれいに見えるようにラバーに皮膚を引っ張らせて、その後メークしていきます。一応道具はおいてあります。しかしお客様の方も、ネットでいくらでもメーク動画がありますので、事前に勉強してできるようになって下さい。
以下の動画が参考になります。ラバーマスクをかぶるので目のまわりだけで十分です。目のまわりをどうしているのか、どんなツールで、どういう順番でどう塗っているのか、しっかり勉強してきてください。