恋をすると女性は美しくなるという。これは女性ホルモンの分泌が活発になり、女性がより強く男性を惹きつけようとするからだ。美容液などには女性ホルモンのはたらきを効果にうたう製品が珍しくない。また最近では女性ホルモンの研究が進み、どうやら痴呆にも効果があることが分かってきた。アメリカではアルツハイマー病の治療薬の研究で女性ホルモンがさかんに用いられている。
男性でも恋をして活発になった男性ホルモンが脳にはいると、女性ホルモンに変化して脳の働きを活性化するらしい。若く美しくなおかつクレバーになるためには、まず恋をして、男女を問わず女性ホルモンを脳へ導こうというわけだ。
女性ホルモンに、男女問わずよいはたらきがあることが分かったところで、私らフェティシストにはどうなのかを考えてみよう。
そもそもラバーに興奮するというのは、女性ホルモンの分泌を促すような意義があるのだろうか? 別にアピールしたい異性がいるわけでもないから、女性ホルモンは出ないのだろうか? 私はそうは思わない。ラバーを着るときに、少なからずナルシスティックな欲望も満たしたいということから鏡を見る。鏡のなかのラバー姿の自分は少しでも美しいほうが興奮は高まるから、自分を惹きつけるために女性ホルモンが出るのではないか?
それに、女装する人だって、きれいな姿をより多くの人に評価してもらいたいと思っていないはずがない。だから女装をするということ自体がすでに女性ホルモンが分泌されやすい行為であり、恋をしているのと同じような状況といえる。
わたしの例を話すと、ラバーを着ると気分的に女っぽくなる(受動的になる)。ラバーに恋というより、ラバーを着た自分に恋をするような感じだ。もともとM体質なので、ラバーを着るとますますその傾向が強まる。ラバーに犯されるごとに美しくなる(と、勝手に思いこんでいる)、ひとりでしあわせなわたしである。
ラバーに恋をすれば、若く美しく賢くなれるなんて、夢のような話だが、女性ホルモンがラバーを契機に分泌されるのであれば、あながち夢物語でもない。ラバーを着てみなさんもどんどん美しく賢くなろうではないか。
Text by Tetsuya Ichikawa
Alt-fetish.com
“女性ホルモンで美しく賢く” への2件のフィードバック
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市川さんの「女性ホルモンで美しく賢く」と「ラバーの身体感覚」のテキストにインスパイアされて、蝦頭でも少し書いてみました。
こうして見ると確かに「ラバー」というフェチ対象は、色々な意味で興味深いアイテムでもありますね。
ラバー関係ではけっこうネタ切れというのが実状の私ですが、おっしゃるとおり、ラバーは奥が深い。着るごとに発見があります。コメントありがとうございます。これからもラバーについての探求を続けます。