大阪市立大学の近勝彦先生のこの文章を読むと、私たち人類、とりわけ豊かに発展したこの日本でいまを生きる私たち日本人の多くは、原始的欲求が充足され、今度は自分をより表現したいという自己実現の欲求にもっぱら関心が向いている段階にあるということが分かる。
私は実感として、そう思っている。
そうした欲求をかなえる手段としてブログを上げている。これまで、個人はおもに経済的な理由からメディアを手にすることは稀だった。自分の考えや表現を発表するメディアは、ごく限られた作家やメディア企業の従業員、専門家などにもっぱら寡占されてきた。しかしインターネットの普及により、いまや誰もがブログを通じて自由にインターネット上に自分の表現を発表することができる。私はブログを書く時間が何ともいえず好きだが、この時間の居心地のよさはちょうど、コミケやデザインフェスタ、ワンフェス、ドルパといった、個人の展示即売会に出店したときに私がいつも感じている居心地のよさと同じタイプの感じだ。
コミケ、デザインフェスタなどを総称して展示会イベントと言うことにしたい。
私は常日頃いろいろな社会組織に属している。近所づきあい、仕事関係、家族、友達関係などだ。そうした社会関係の中では決して得ることができない出会いが展示会イベントではある。これは貴重な出会いである。展示会イベントでは、フェティシズムについて「一家言」持っている人たちが私に話しかけてきてとても有益な情報をもたらしてくれる。彼とはそれっきりになるケースがほとんどだが、そうした情報は少なくとも展示会イベント以外の関係、近所づきあいや仕事、家族関係からは得ることができない。
仕事、家族、地域社会とのつながりが生きていくうえで欠かせないのと同じように、展示会イベントで得られる関係(情報)もまた、私にとって不可欠なものである。
Alt-fetish.comは創業してすでに4年が過ぎたが、そろそろそうした新しい関係を提供できる場の構築というサービスをスタートさせてもよいのではないかと思っている。その形が展示会のようなモノなのか、クラブイベントのようなモノなのか、はたまた映画アイズワイドシャットにでてくるようなヤバイ秘密結社のようなモノなのかわからんが、考えただけでも楽しい。
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私は、ひとりではない、たぶんたくさんいる→市川哲也
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