今日はテレビ(快適住まいるナビ、テレビ東京、毎月よる10時)を見ていて、安く戸建て住宅を建てる方法のひとつに、施主直営方式、別名コンストラクションマネジメント方式(CM方式)というのがあるのを知った。
この方式はアメリカでは主流だったが、最近は日本でも建築発注に慣れている大手企業などで広がってきているようだ。
いちばんのポイントは、施主が現場に入る専門工事会社と直接契約を結ぶ点。従来は、施主が工務店と契約を結び、工務店が大工や住宅設備施工会社、水道屋、左官屋など専門職掌ごとに工事を契約するパターンが主流だった。この方式は一括請負方式と呼ばれる。
一括請負の場合、施主は、工務店がどの業者を、どういう基準で選び、果たしてそのコストは適性か、いくら中抜きするのか、そういうことは一切分からない。
それに対し、CM方式ならば、施主は自分で業者を選ぶわけだから基準も自分が自由に決められるし、価格も直なので分からないということはあり得ない。
建材などは、たとえば建材市場のように、建材のアウトレット店も出てきており、価格破壊が進んでいる。施主直営方式ならば、建材についてもどんどん安く自由に仕入れることができる。工務店によっては、建材に思いっきり乗っけてふっかけてくるケースもあるので、建材が安いだけでも大幅なコストダウンとなるはずだ。
CM方式では、契約と現場管理、進行面で施主は死ぬ思いをすることは間違いない。しかしそれで数百万円安く家が建つのならば、進んでやるのが今の自己責任時代にはふさわしい。
契約さえしっかりしておけば、金を払うのはこっちなのだからどんどん言えばいいのである。この方式にたいへん魅力を感じる筆者、そのわけは、筆者が去年体験した、工務店を通じてしたリフォーム工事の苦い思い出にある。
工務店を通したのに、必ずしも工務店の現場監督の仕切りは完璧ではなかった。もちろん非常に複雑怪奇で凡人には理解不能なリフォームだったために、彼なりに精一杯やってくれたが、2度ほど施主が切れる場面があり、また請求書も金額が不当だったため、プロの仕事であるはずの工務店というのに、不信感を持ってしまったのである。もちろん、地域の中規模の工務店だったということもある。また完璧な仕事をするからと、大手の建築会社へ頼むほど財布に余裕はない。
電話帳にはいろんな工事業者がたくさんある。正しいリーガルマインドと、ねばり強さ、丁寧な日本語口語表現を持つ常識人ならば、きっとこの施主直営方式で安く家を建てられるに違いない。
最後に、安い戸建てを立てる必須条件、安い土地。戸建ては土地もぜひ所有権を持ちたい。そこで悪条件で2割3割安くなっている土地を見つけてはどうだろう。たとえば狭小。旗竿。
こういった土地は都心には少なからず安値で放置されているに違いない。
家を建てるのは、一生の買い物であるだけに、つねにアンテナを働かせて雑多な知識をどん欲に吸収しても損はない。
なおこのブログでは、FP有資格者市川哲也が今後も住宅関連のネタを不定期ながら継続して取り上げる予定である。
住宅関連の雑誌って、本屋で何時間見ていても飽きない。よく世間には、「クルマ好き」の男がいるけれど、筆者の場合は「住宅好き」これは間違いない。
Text by Tetsuya Ichikawa
Alt-fetish.com
“格安で家を建てる法” への3件のフィードバック
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小生は或る私企業で購買の仕事をしている。この仕事に就くまでは建築工事関係の分厚い見積書の見方なんて全然判らず、自宅を建てた時も殆んど「良きに計らえ」状態だった。今ならあと数百万は値切れただろう、と思っても後の祭り。ゴムよりもキツいローンだけが残っている。
はじめまして、左官職人の長八と申します。
建設に携わってる身としては大変興味深い記事だったので、図々しくもコメントをさせていただきます。
少々辛口になるかもしれませんが、ご勘弁ください。
私の経験上、施主直営方式は金額的には大変魅力的ですがリスクも多いと思います。
実は私の家も8年前に施主直営方式で建て替えたのですが、色々な面でとても苦労しました。
私の家は親父の代から左官業を営んでいるので、左官以外の職人も一流どころを揃えました。
一流の職人が集まり、建設業に携わって40年以上の親父が現場を仕切ってるので、その時は問題などあるはず無いと思ってました。
しかし現実は違いました。
打ち合わせを密にしていたつもりでしたが、収まりが悪い部分が出てきたのです。
幸い、それぞれの職人が現場で意見を出し合い、事なきを終えました。
私たち親子は建設業に携わっておりますので、収まりの事に関してはどれがベストなのか判断が出来ます。
また、出来るモノと出来ないモノの判断が出来ます。
もしこれが素人同然の人だったら、どうなりますか?
最近、施主が無理難題を言ってくる事が多くなりました。
世の中の風潮として、家を建てる時は“何か言わなきゃ損”という変な流れがあります。
たしかに悪い業者も存在します。
しかしそれ以上にプライドを持って仕事をしている職人達も居るんです。
魂を込めて仕事をしたのに、訳の分からんクレームを付ける施主も後を絶ちません。
それによって本来きちんと収まってる部分が、どうしようも無くなる場合も・・・
私は施主直営方式もしくは設計士の分離発注で呼ばれても、絶対に参加しません。
建設現場の事を分かってない人達が現場を仕切ってスムーズに事が運ぶとは思えないし、それによって段取りが狂うのは職人として我慢ならないからです。
そしていくら単価が良くても、結局はマイナスですからね。
それでも施主直営方式で家を建てたい人達に言いたい。
せめて自分の家の事そして建設の事を勉強してください。
家を建ててる最中も、職人がどんな思いで仕事をしているか、良く見ていてください。
施主直営方式は表面上、金銭的には魅力があるかもしれません。
しかし、結果的に高く付く場合があるという事も覚えておいてください。
長くなりましたが、以上が施主直営方式で家を建てた者の意見であり、職人としての意見でもあります。
はじめまして、左官職人の長八と申します。
建設に携わってる身としては大変興味深い記事だったので、図々しくもコメントをさせていただきます。
少々辛口になるかもしれませんが、ご勘弁ください。
私の経験上、施主直営方式は金額的には大変魅力的ですがリスクも多いと思います。
実は私の家も8年前に施主直営方式で建て替えたのですが、色々な面でとても苦労しました。
私の家は親父の代から左官業を営んでいるので、左官以外の職人も一流どころを揃えました。
一流の職人が集まり、建設業に携わって40年以上の親父が現場を仕切ってるので、その時は問題などあるはず無いと思ってました。
しかし現実は違いました。
打ち合わせを密にしていたつもりでしたが、収まりが悪い部分が出てきたのです。
幸い、それぞれの職人が現場で意見を出し合い、事なきを終えました。
私たち親子は建設業に携わっておりますので、収まりの事に関してはどれがベストなのか判断が出来ます。
また、出来るモノと出来ないモノの判断が出来ます。
もしこれが素人同然の人だったら、どうなりますか?
最近、施主が無理難題を言ってくる事が多くなりました。
世の中の風潮として、家を建てる時は“何か言わなきゃ損”という変な流れがあります。
たしかに悪い業者も存在します。
しかしそれ以上にプライドを持って仕事をしている職人達も居るんです。
魂を込めて仕事をしたのに、訳の分からんクレームを付ける施主も後を絶ちません。
それによって本来きちんと収まってる部分が、どうしようも無くなる場合も・・・
私は施主直営方式もしくは設計士の分離発注で呼ばれても、絶対に参加しません。
建設現場の事を分かってない人達が現場を仕切ってスムーズに事が運ぶとは思えないし、それによって段取りが狂うのは職人として我慢ならないからです。
そしていくら単価が良くても、結局はマイナスですからね。
それでも施主直営方式で家を建てたい人達に言いたい。
せめて自分の家の事そして建設の事を勉強してください。
家を建ててる最中も、職人がどんな思いで仕事をしているか、良く見ていてください。
施主直営方式は表面上、金銭的には魅力があるかもしれません。
しかし、結果的に高く付く場合があるという事も覚えておいてください。
長くなりましたが、以上が施主直営方式で家を建てた者の意見であり、職人としての意見でもあります。