イヤな気分マニュアル

 9月にリリースしたSALOのキャットスーツ、初速はよかったものの今月に入って動きが鈍ってる、ぐすん。
 生地の入荷が間に合わず納期が著しく延びたのと値段が3千円ほど上がったのが響いておりますか。
 短期の結果に左右されないでがんばろう。別にうちには株主なんかいないんだし。のんびりとSALOのウェブサイトを現在準備中。SALOのコンセプトはあくまでラバーの美しさを追求すること。フェティシズムという狭い領域ではなく、もっと広く一般に、ラバーコスチュームのよさをアピールするブランドに育てていきたい。
 9月に買われたみなさんはいかがでしょうか? 着心地などお教えくだされば幸いです。
 さて、秋だがすべてがイヤになる季節。売上も減る。気分も落ち込む。あの暑い夏が終わったのに、蚊は一層増えている。なぜ?
 そんな秋にピッタリなのが読書。
「子供のいない男の人とは口をきいちゃいけないって、うちのお母さんが言ってた。そういう人はカクリツ的にヘンてこな人が多いんだって」というのは、『東京奇譚集』(村上春樹)に収録された短編の一節にでてくる、「小学校にあがったばかり」の小さな女の子の台詞。
 AERAが3号前に子育てと仕事の両立で疲弊しきってついにふたりともガンになってしまった共働き夫婦の実話を掲載した。その反響がすごかったらしい。いま働きながら子供を育てる、特にお母さんにかかる負担は並大抵なものではない。もちろんお父さんが分担すべきものは多いのだろうが、将来のことを考えると収入面でお父さんにはまず会社でがんばってもらうほかない。ところがその収入もなかなか満足できる水準にないので、やむなく(または望んで)お母さんも働くことになる。お母さんもお父さんも働くのに、家庭のことはお母さんが分担させられることがほとんど。子供のいるお父さんは、基本的にお母さんに子育てと家事のほとんどをお任せしている。お母さんがそれで納得しているのならいいが、納得していない場合は、人権蹂躙だ。子供のいる男の人のなかにも、お母さんの人権をないがしろにする「ヘンてこな人」がいることを忘れることはできない。子育てと仕事の両立はよほどの専門職でないかぎり今後もずっと困難なままだろうと思う。そうするとますます、少子化が進むだろう。企業と政府が思い切った改革をして(たとえば子供をひとり産むごとに1千万円を10年にわたって支給)あげないと、出生率は増えない。特に企業はひどい。学歴の高い順から採用。ギューッと搾取して定年でポイ。それでも学歴があるだけましだ。無い場合は企業に採用されることなく、人として最低限の生活しかできないままに終わる。さすが、世界第2位の経済大国だけはある。効率化が徹底している。
 村上春樹、好きなんだけれども、性的な描写や男尊女卑なノリがたまにあって、どうしてもそういう部分は引いてしまう。あとけっこう古風というか、ステレオタイプなものの見方が好きな人だ。
※デマスクのシングルインレットガスマスクが入荷しています。
市川哲也
Alt-fetish.com
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