ラバーフェチへの欲求が世界的に高まっています。Porker faceのPVで斬新なラバーコスチュームを見せたLady Gagaが今度は最新作Bad romanceで真っ白な全身ラバーキャットスーツにラバーマスク姿の大勢のダンサーを登場させました。押しも押されもしない世界的なアーティストとなったLady Gagaは自分の姿を「素材」に、メークアップやウィッグ、コスチュームなどで「アート作品」に仕立て上げています。作品には世界中のクリエイターが注目していますから、今後さらにさまざまなメインストリームでのラバーイメージの登場が期待されます。そうしたことを予言するかのように、ALT-FETISH.comで今日発売のMARQUIS最新号(http://www.alt-fetish.com/mag/1867/1867.htm)の巻頭言でピーターは次のように発言しています(以下、同号巻頭言の大意を掲載、訳出・市川)。
【巻頭言】あなたのフェティッシュライフを楽しむ手段は、今かつてなく豊富に用意されている。街を歩く、ドレスコートパーティーをアレンジする、週末ホテルを借り切ってパーティーを開く、DVDやフェティッシュアートのコレクションをする、オリジナルプリントを集める、フェティッシュ小説を読む、ネット見る等々。でもなんと言っても、彼女、彼氏が同じ趣味で盛り上がるのが最高にいい。男ばっかりなんてのは遠い昔。今はフェティッシュを楽しむ女子がいくらでもいる。みんなフェティッシュモデルにあこがれている。フェティッシュ出版業をはじめたのは、20年前だけど、当時はフェティッシュモデルなんて、モデルエージェントから断られることもしばしば、モデル探しに苦労した。でも今は全然違う。フェティッシュな要素は、今では文化、カルチャー、メディアでありふれたものになった。ミュージックビデオからスタートして、民放やハイファッションなど、いろんな領域で取り入れられてきた。ディータにみんなあこがれて、うちのプライベートフォトセッションに応募してくる女の子が後を絶たない。今号でも、そこで撮れたとびきりの子たちを紹介しているよ。見てね。フェティッシュモデル体験は、彼女にとってキーになる体験。その後、自信を得てイベントのモデルをしたり、ウェブサイトで写真を公開するようになったりというかたちで「デビュー」を飾っていく。ピーター・W・ツェルニヒ
いかがでしょうか。このファッション後進国日本でも、レディーガガに触発されて、ガールズラバーピープルが増えてくることを願ってやみません。また、そうした女子は郊外の公園やショッピングモールの駐車場で夜、ダンスの練習をしている「ダンサー」たちに出てくれるとうれしいと思います。ダンスの動きが触媒となって、ラバーの持つ陰イメージがポップで最先端のイメージへと変化するためです。
次に、この号で絶対に見過ごせない、超クールな広告を見つけたので、あえて全部訳文を載せます。フォトコミック形式のこの広告は82ページから6ページに及び、スポンサーはPolymorphe(www.polymorphe.com)。カナダ出身のラバーファッションモデル、ビアンカ・ビショップが超変態ラバーフェチのキャリアウーマンに扮していて、ラバーの快楽が人間に与えることのすべてが込められている気がします。傑作です。
かならず買って写真と一緒に読んでみてね!!! 広告の域を超え、これはもはや映画のような総合芸術といっていいクォリティーです。同時代にこのような「作品」と巡り会えた私たちラバーピープルは幸せです。だから、ぜひ、買って、以下の訳文と一緒に味わってみてください。本当です。マジです。今回、買ってもらわないと話にならないのでサムネールは小さいサイズしか見せません。こんにち、皆さんがお金を投じて買うという行動、意思表示以外のいったい何が、こうしたラバー芸術を支える原動力たり得ると思いますか。それ以外にありません。
MARQUIS No.46 82ページ
職場での長い一日が終わると、私はいそいで馬小屋に駆けつける。ここで行われる超やばいことに、昼間のあいだ、私の心の準備はできていただろうか。この変身遊びの敷居はかなり高い。馬小屋で、まわりを見回すと、心配よりも期待感が強くなる。
ふいに体の芯を稲妻が走るように身震いする。なんでこれって、こんなに興奮するんだろう? もうはじめちゃお。もうあとに戻れないよ。今夜は。
もう私は彼女のもの。彼女のペット。彼女の欲望の対象物で、彼女の命令に応ずるがまま。なぜなら彼女が私を「所有」しているから。
(ネクタイを外し、黒のフォーマルなスーツを脱ぐと、下にピンク色の薄い透明ラテックスキャットスーツを着ている)
83ページ
命令に従って、この馬小屋へと駆けつけたの。一日中、体中から出ていたこの密着していたラバーキャットスーツの甘いにおいで、忘れることができなかった。スーツを脱ぐと、悦びで体が小刻みに震えているのが分かる。彼女が私のために準備しておいてくれたスーツケース。この中に、私の変身プレイに必要なアイテムすべてが入っている。
(スーツケースを取り出して、なかから黒のラバーキャットスーツを取り出す)
84ページ
いよいよね。教えられたとおりに、今日一日着ていたピンクのキャットスーツは着たまま。その上から、これを着るなんて。さすが、彼女ったら、悪魔的な天才ね。もう彼女は、私のこと全部知り尽くしてるんだ。強烈なエクスタシーが、甘美な苦痛を運んできた。(ピンクのキャットスーツの上から、黒のキャットスーツを二重に着てコルセットやポニーブーツを履き、仁王立ちになるビアンカ)
すごいキツい!
ずっと長い間、たくさんのラバーを重ね着して得られる感覚を夢に見てきたわ。でも今は夢じゃない。彼女のための準備はすっかりできてる。私の皮膚は、たくさんのラテックスを激しく求めている。
(チューブのついた呼吸用のマスクを着けた上から、ラバーの全頭マスクを被り、馬小屋の中で横たわる)
86ページ
大きく息を吸い込んで、きょう最後の、そして最大の変身に備える。
(巨大な馬の頭部のかたちをしたラバー製のオブジェを頭からすっぽり被り、ポニーグローブ(!)をはめる)
私はもう私じゃない。私は「It」(それ)になった。私は、彼女の妄想を体現したオブジェになったわ。そう、壮重なポニーガールに!
87ページ
(馬状態のポニー・ビアンカが前足を上げていなないている)
ヒヒーン(←書いてないって 編註)
いかがでしたか。多くは語りませんが、これを読みながらページを繰ると、無性にキャットスーツ着たくなります。おすすめ。ちなみに原文で「she」という主語が出てきたため、「彼女」と訳しましたが、別に誰かがいるのではなく、あくまで主役の頭の中の想像上の人物あるいは別人格として読むのが吉でしょう。人間の二面性や、変身というこの広告コミックの主題をイメージしながら読んでみましょう。いやーこれ、多感な高校生に見せたらかなりハまるひと出てくるよ。間違いない。
さて、そんなマーキスNo.46ですが、今日から発売しています。このブログをよく読んでいる読者のために、ここだけでちょっと言いますけど、半額でお求めいただけるご案内です。この最新号の仕入れの際に、台風で荷物が濡れてしまいました。この本もその台風の濡れ被害に遭いました。その際出た不良本を読者限定告知、半額で販売します。ネットで買う際に通信欄に、「台風被害の汚れありでOK」と書いていただければ、1050円にいたします。被害状況ですが数十ページにおよび、本のとば口(綴じているのと反対側)の上部幅5ミリ×タテ3センチの範囲(それ以上あるいはそれ以下の場合あり)で、ページがくっついて、そこを剥がすと印刷も剥がれてしまっています。金額は請求時に定価をこちらで訂正して1050円とします。この不良本はもちろん、中身を読むに当たり一切影響はありませんが、美麗本を希望のお客様には向きません。限定数3冊で先着順ですので、そういうことを気にしないお客様(名より実を取る)は、ぜひどうぞ。
最近、新型インフルエンザの予防接種をしたのでその話題を、MARQUIS編集長のピーターの奥さんのビアンカに振ってみたら次のように返事が。健康についてかなり腐心しているファミリーのようです。
We are a very healthy family, we are never sick. I couldn’t afford not to be in the office each day, and the same for Peter. We eat a lot of fruits and vegetables, don’t smoke, go early to bed and never to parties, and we do sport. And I am addicted to a green powder tea called matcha, which I drink in large quantities 😀 Life is so simple.
野菜をたくさん食べてタバコも吸わず、適度に運動してお茶をたくさんのみ、夜はパーティーにも行かず早く寝てるんですって。ドイツではこれほどのビザールマガジンの大編集長がそんな健康ライフをしているというのがなんだか興味深いですね。前回のリポートでジャパン・フェティッシュ・ボールが喫煙/禁煙エリアを分けている旨書きましたが、フェチ業界も健康志向でとてもうれしいです。
※お知らせ
乾はるか原作/監督作品 黒パンストの女王5~真夜中は別の顔~(DVD版http://www.alt-fetish.com/movie/1891/1891.htm)も同時に発売しています。こちらの作品へは衣装協力クレジットが出ています。ぜひこちらも合わせてお買い求め下さい。熟女ミストレス大好きな方向け。
【フェティッシュジャーナル ラバーフェティシストのためのメルマガ・ブログ】
文・市川哲也