ネットのダラ見という言葉がありますが、皆さんお気づきですか。パソコンを使う仕事を、ひとりでしているとふと、ネット(とりわけSNS)を見たくなってブラウザを立ち上げる。気がついたら、20分とか、30分があっという間に過ぎちゃってる、なんてこと、ありますよね?
私が必ず毎日チェックするようになって久しいSNSにTumblrがあります。ALT-FETISH.comがリブログする秀逸な、世界のラバー美女たちの画像をまずはご覧下さい。なお最新のリブログ画像は当ブログ右側に10個表示されています。
http://alt-fetish.tumblr.com/
Tumblrをやり始めてからと言うもの、新規に雑誌を仕入れようという気力は失せました。手元にある、美しいタブレットの画面に、無料で数分おきに見たい画像が流れてきますから、もう昔みたいに、たとえばアズロでは、中を見たいヘビーラバーマガジンとか、スキン・ツーをレジに持っていって、ビニール袋を開けてもらわないと見られなかったものです──店で紙の印刷物に何千円も払ってみてみようという気持ちは戻ってこないでしょう。
ところが先日、驚くべきお客さんが現れました。大量のマーキスをネットショップのカートから注文してきたので、中を見せて好きに選んでしかも値引もするとオファーしたところ、そのお客さんはわざわざショールームへおいでになりました。この東小金井の駅から徒歩7分もかかる僻地にです。いや、僻地というほどではないんですが、中央線沿線に住まいがない方にとっては、自宅のある中央線以外の最寄り駅からいったんターミナル駅に出て、さらに中央線に入ってたとえば新宿から30分ともなれば立派に小旅行です。
それほどの労力をかけてもわざわざ見たいというのは、並々ならぬ情熱をお持ちの御仁です。非常に興味があり、ご来店当日は朝から興奮していました。紙媒体に、この時代に、そんなに意欲を持っているということだけでも、知り合いになりたいし、尊敬してしまうのです。
そしておいでになってその人は、一時間以上にわたってじっくりと、当店にあるすべてのバックナンバーに目を通し、何十冊も買っていかれました。私はまるで骨董屋の老主人になったかのような気分でした。
試しに、「ご自分でもそういう服を着てみたいのでは?」と訊くと、もちろん、ラバーキャットスーツを着てみたいとの返事。雑誌をたくさん買っていただいたので、無料でご試着いただきました。そしてとても気に入って、スマホでうれしそうに自画撮りしていきました。
この人は、本当にラバーのキャットスーツをこよなく愛しているんだと感じ入りました。こういう人がいる以上、私はこの商売をこれからも続けていこうと固く決意したのです。そして、マーキスの仕入れを復活しようと思いました。すべての人が、Tumblrに好みの画像を流せるようにリテラシーを持っているとは限らないし、ネットと紙では、もちろん、すべてが違います。
テクノロジーが進化しても、紙に印刷された物を見たり、実際に服を着たり、パートナーとプレイに興じたりしてみましょう。パソコンだけでは決して出来ない体験を見直してみることで、かけがえのない価値を再発見できます。
最後に、Tumblrでわりと印象に残った画像を2つ選んでみました。