「メディア時評」カテゴリーアーカイブ

憲法を変えるのは愚の骨頂

 ニュースによると衆参両院の憲法調査会(そんなもんを作っていること自体がうさんくさい)は「憲法は改正すべきだ」という「考え」を最終報告書(法的拘束力なし)に盛り込むことにしたという。
 憲法改正ではまず憲法の役割に対する深い理解が欠かせない。
 いまの日本国憲法はアメリカがつくったものを和訳した。占領軍は、戦時中に、たくさんの日本の民衆がアホな為政者、軍部にいいようにされたことにかんがみ、為政者が国民の権利を勝手に侵害できないよう、この憲法を最高法規としておいた。条例とか規則、省令、内閣府令といろいろな法令があるけれども、そういうものとは比較にならないくらいに重要な法律、それが憲法だ。もちろん、国民の権利を侵害するもっとも顕著な機会、戦争には一切関与しないということも書いてある。
 戦争しないことには、または子供がどんどん産まれないことには、資本主義というのは基本的に行き詰まるようになっている。だから財界は政治家と結託して戦争できるようさかんにやっている。
 会報ナベツネ(公称読売新聞)をみれば、財界の息のかかったきな臭い極右の論調がどんなものか、たちどころに理解できる。このあいだも、自衛隊のどっかの演習を記者が見てきて、一面に「自衛隊の存在感を示さねばならない」などと結論。こんな大規模なメディアがなんてことをと、筆者はぞっとした。
 もちろん、筆者だって資本主義の恩恵なくして生きていけない(共産主義やらほかのへんな制度はまっぴらごめん)。そうは言っても、いまの為政者や大規模資本の連中の右傾化は不愉快だし危険なものを感じる。せっかくこの、敗戦国にもかかわらず今のところ努力してまあまあなポジショニングに着けてるんだから、ここら辺で、右にも左にも寄らず、環境とか平和とかでお茶を濁しつつ押しとどまればいいと思う。
 国民のみなさん(公務員や国会議員ではない人たち)は間違っても改正に賛成してはいけない。私が思うに憲法は資本主義の利害の影響を少しでも受けるべきではない。それなのに「時代とともに変わるべき」とかいって、自分勝手な都合で変えようとしているのがいまの政府与党である。憲法改正には国民投票が実施され過半数の賛成が必要なので、そこで絶対に反対しないとダメだ。いまメディアおよび政府与党が、必死こいて国民の世論を右へ右へと洗脳しているけれども、それもこれもこの国民投票を睨んでの長期の戦略である。
 これは子供が産まれず、成長も見込めないと長期的に危機感を感じている連中(金持ち高齢者)の意図的な戦略にほかならない。何度も何度もこの変態ブログで訴えていることだが、とにかくみなさんはもっともっと賢くならんと、そしてこういうことに時間を費やさないと、どんどん、変な方向、自分に不利な方向へと制度を変えられてしまう。
Text by Tetsuya Ichikawa
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M・ムーアのボーリング・フォー・コロンバインを観る

 アメリカはとんでもない金持ちが貧乏人を徹底的に搾取する、イカれた国だっていうことがあらためて追認できた。日本もはじまっている経済格差。しかしアメリカは日本の比じゃない。猛烈でえげつない(この映画では銃推進派の金持ちぶりと、銃の被害者となる貧困層の対比などがえぐく描かれる)。ここんところドキュメンタリー映画が話題だが、この作品をはじめ、同監督の華氏911や、スーパーサイズミー(マックを30日間食い続ける)などおもしろいドキュメンタリーが続けて登場していることが人々のドキュメントへの関心に火をつけている。映画ビジネスが見つけた新しい市場、ドキュメンタリー。なんといってもそれがおもしろいということが重要だ。人々の好奇心を刺激し、しばし日常を忘れさせてくれるエンタテインメント産業らしく、仮にドキュメンタリーであったとしても、貧乏対金持ちという伝統的な対立の構図をネタに使った点ではハリウッドのSFX超大作物と変わりない。何か現実の事象(もちろん架空の事象でもよい)に、「差」を見つけだす(作り出す)。そしてその差が相互に利害相反していることにする。バチバチと火花。あとは誰が撮っても同じといっていいくらいおもしろい作品に仕上がりそうだ。
 さてこの日本ではどのような「差」がネタに使えそうかしら。たとえば───。
 日本道路公団の歴代総裁と、国民とのあいだの、「公金」に対する考え方の「差」。このまえのNHKスペシャルでは歴代総裁が、不採算道路を造って積み重なった借金についてどう思うかとインタビューされこう答えていたのが「おもしろかった」。ある総裁は「国からとにかく作れといわれる。我々の仕事は、後世に残る事業を成し遂げること」「採算など考える余地はなかった」。作れといったのは建設省とか、政治家である。もちろんそういう奴らをそういう方向へ持っていくのは地方の土建屋とかゼネコンだ。NHKは土建屋はもちろん、土建屋に使われる現場の労働者の方々まではカメラで追っていない。そこまで追えば一級のエンターテインメントに仕上がろう。
 ほかに思い浮かぶのは、人名漢字で最近流行の「斗」という漢字を子どもの名前に「平気で」つける親の平均年収と、そういう流行の字はあえて使わない親の平均年収の「差」。最近栃木で、同居人の無職の男に殺された「塗装工」の子どもの一人は一斗ちゃんと、確かいった。「斗」という字が使われていることに注意。名付けた親は「塗装工」○○さんというふうに報じられている。「上場企業社員」「会社役員」「公務員」「大学教授」「医師」などではなく、「塗装工」である。その被害児童の親も、「無職」と報じられている加害者も、元は暴走族であったということも報じられていた。M・ムーアなら、おそらく被害児童の親を雇用していた建設会社の役員や、彼が実際に塗った場所を取材するだろう。また、暴走族へ乗り物を供給する自動車メーカーのCEO、整備工場の社長、彼らが走る「公道」を作るのに直接関与したキャリア官僚もインタビューしたに違いない。無職とされる犯人の親の存否やその職業も調べて、雇用者のインタビューや所得を推測させる映像(家とか)を流しただろう。
 映画・ボーリング・フォー・コロンバインでは、6歳の黒人少年が6歳の白人の女の子を射殺したときに、30分以内に全米のマスメディアの取材チームがそろったという。もちろん、この田舎町に、これほどのマスコミが集まったことは過去にない。集まった報道陣の一人、あるキャスターが写されていた。リポートする前後に髪型を気にしたり、取材チームの手際の悪さに不平をこぼすなどのようすがリアルに写る。白人男性リポーターが着ている、高そうなコート、育ちのよさそうな顔立ちや仕草、そういうのが何ともいえずリアルでいい。むしろ筆者にはリアルすぎて痛みすら感じる。というのも、マスコミに正社員として入社し、リポーターの仕事をするにはたいへんな競争を勝ち抜かねばならぬことを身をもって知っているからだ(シュウカツの「敗者」だからね)。
 ちなみに、映画では加害児童の親は黒人で貧しく(ちなみに地域全体もGMの撤退で貧しかった)、元武器製造企業の福祉プログラムで、とんでもない遠距離通勤を事実上強いられていた実態を、当該作品で、監督は調べあげている。別に、だからその子供が白人の女の子を銃殺したとかは言わないけれど、とにかく事実として加害児童の親の貧困と長時間労働は、「存在」する。
 きっと日本の栃木で先日起こった、幼い兄弟が殺された殺人事件でもにたようなことが言えそうだ。リポーターはアメリカのそれと同じで忙しくて金持ちで勝ち組。被害者のことなんて何とも思っていない。とにかく彼らの目的は悲惨さや恐怖を強調するのみ。それで視聴者が一分でも長い間自局のチャンネルに合わせて、スポンサーのCMを見てくれることを願うのみ。なぜ、殺された兄弟が、高額所得者の子ではなく、元暴走族の親の子供であったか。殺した犯人のキャリアはどうだったか。男の子の名前で人気のある漢字「斗」を、自分の子どもにつける親とはどういう人たちなのかまで思いを巡らしたりは、絶対にしない。そういうことは民放視聴者からは求められていない。普通の視点じゃないからだと思う。そもそもそんなこと調べる時間はあり得ない。筆者の知人が勤める放送局正社員の平均睡眠時間は4時間である。そんな「無駄」なことをしていたら、自分の命を削ることになる。
 そういうわけで栃木の事件で民放が伝えたのは、親は「塗装工」、犯人は「無職」で「キレ易い」。キレやすいというのは、犯人が犯行前に立ち寄ったガソリンスタンドの店員が、マスコミの取材でそのように言っていたから。無職の殺人犯が「キレやすい」というとあたかも当然のように写るが、実際にキレるのはもっと別の種類の人であると筆者は認識している。私が知っている「キレる」人とは、たとえば私がたまたま学生時代にアルバイト先のTBS(東京放送という民放キー局)で目にしたプロデューサーとかディレクター、早稲田大学の西洋社会思想史の教授、OB訪問でお話を伺った電通という大手広告代理店の社員たちのほうである。こうした人たちのほうが「塗装工」とか「無職」よりも、よっぽど「キレやすい」ということは筆者が経験的に知る事実だ(残念ながら塗装工や無職の人がキレたという話を、筆者の身の回りでは聞いたことがないだけのこと。というか、そういう職業の人のうち何パーセントが切れるかどうかを比較したというデータを筆者は知りませんから)。
 「差」はまだある。身近に。この間、尋常ならぬその「差」についドキドキしてしまったのは、立川の北口、国道16号線を、五日市街道を背に駅へ向かう途中に、道沿いに数多く目にすることができる「スラム化した」商店街の廃墟の数々だ。普通商店街といえば、平日の夕方には買い物する奥さんがたで賑わうというイメージだった。しかしこの筆者のイメージは完全に誤りだった。シャッターは軒並み閉ざされ、落書きされ、アーケードは照明がつかずむしろ暗さを強調していた。そのホーンテッドマンション街を通り過ぎて駅に近づくにつれて、ビッグカメラや伊勢丹などの巨大な建物が大勢の人を吸い込んでいた。寂れた商店街と、ビッグカメラや伊勢丹など巨大小売店舗の建物の規模の差には、変にワクワクさせるものがあった。
 この閉店した商店街の店主を親に持つ子供は、今頃何をしているんだろう。ビックカメラの店員?それとも……。日本ではおなじみの光景である「シャッターが降りたままの商店街」、その子供たちに焦点を合わせたドキュメンタリー映画「閉店後」、きっと作ったら面白そうだ。
 最後に、こんな「差」も。地方自治体(公共団体)貧乏ワーストコンテストではつねに上位ランクでおなじみ「東京都小金井市」と、そのとなり、税収が芦屋市に並んでトップクラスの「東京都武蔵野市」。両市にある公園、それも平日昼間を観察してみよう。遊具といい、来ている「奥様方」といい、その奥様方の公園までの交通手段といい、未来のドキュメンタリー映画監督なら思わず小躍りしたくなるような胸躍る「差」がうようよ、いっぱいだ。
 この日本でも、まだまだ掘り下げれば刺激的な「差」というのは埋もれている。というか、これからもっともっと増えてくるはずだ。なんたって日本は、アメリカのことが大好きだからね。奇妙なことに戦争で負けて以来の、熱々の仲だってことは世界中のみんなが知っている。
 そんな日本のドキュメンタリー映画監督志望者にとっては当面、ネタに困ることはなさそうだ。筆者だって例外ではない。M・ムーアのドキュメンタリーをみたあとに、監督を志さないヤツがいたとしたら頭がおかしいとしか言うほかない。
 ムーアが、デブでだらしない格好を取材スタイルとして貫いていたのなら、筆者はもちろん全身ラバーがスタイル。ラバーコスをキメてスター・マップ(大金持ちの有名人の家の場所だけが掲載された地図のこと)片手に、いざピン・ポーン!
 最初のターゲットは、楽○の三○谷、おまえだ! 楽○に出店している数多くの埋もれてしまった「出店者」の人たちや、ネット商店のあおりでつぶれたリアル商店街の人たち、猛烈な管理主義の社内でノルマに追われて過ごす楽○社員ならびにその家族の、たまに野球観戦などにも行くそのつつましやかな暮らしぶりと、ゴルフ三昧のおまえの暮らし、その家、そのレジャー、そのクルマ、その食っているもの、全部全部、一切合切のその「差」を、くらべてやります。(野球ネタで)タダで宣伝しやがってからに……。
Text by Tetsuya Ichikawa
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村上春樹のアフターダーク

 章ごとにアナログ時計のイラストが描いてあって、最初の章の午前零時から、最後、朝の午前7時前までの、都会でのある夜を緻密に書き込んでいる。
 もっともこの本は活字が大きくてさらっと読めるので、この時刻通りに読み進むのは難しい。午前零時から読み出せば、たぶん2時前には終わってしまうだろう。
 陳腐な人生設定ながら、発生する奇妙な事件、きわめて具体的な、細かい物の描写、感情吐露、会話の一貫した音楽性で、この本は相変わらず健在な村上ワールドを楽しむことができる。ただし残念なのは、やや短すぎるということだろう。
 前の長い作品、『海辺のカフカ』のほうが筆者としてはよかった。というか、彼の作品は長ければ長いほどいい。もっともどっちがいい悪いとか、あらすじがどうのこうのではない気がする。村上春樹の楽しみ方は、あくまで自分の人生をより楽しくする、死ぬまでのこのひとときにちょっとした一服を得る、そういうようなものである。村上春樹の新作が出た、じゃあ読もう、読んだ、あいかわらずだ、それでホッとする、私であった。
 ところで筆者の読書歴は、文芸についてはじつは貧弱かも知れない。一貫して新作を読んでいる現代作家は村上春樹だけである。それ以外はいかなる作家のものであろうとフィクションは金輪際読むつもりはない。正直言って、時間の無駄にしか思えないから(文学部卒のくせに。ほかの学部落ちたからです)。
 思春期の頃読んだもので印象に残っているのは、谷崎潤一郎、太宰治、三島由紀夫(ただし仮面の告白だけ)。村上龍、山田詠美、村上春樹、島田雅彦。これだけ上げればまあ私の「趣味」というものは伝わろう。
 読んだ本は二度と読むことはないが、捨てずにすべてとってある。
Text by Tetsuya Ichikawa
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金持ち対貧乏人

金持ち対貧乏人の対決がアメリカで鮮明になっている。一言でいうとそれは共和党対民主党である。保守層から支持を集める共和党、ヒスパニックなどリベラル層や貧困層から支持を集める民主党。
 ほとんどの人が、ある映画鑑賞をきっかけにケリー候補への投票を決定的にするという。マイケル・ムーアの華氏911だ。
 私は見ていないけれども、アメリカの共和党が、先日のNHKスペシャルによるとキリスト教右派、ユダヤ層、農民など、日本でいうところの経団連や創価学会とくっついている自民党みたいなことになっているらしく、そういう点からは共和党への支持は首肯しかねる。また、あのブッシュ、アホのブッシュをよくもマアあと4年も大統領をやらせられるものだと、共和党支持者にはあきれている。世界最大の軍事力をあのアホにゆだねるのは恐ろしい話である。その恐ろしさは北朝鮮に対する恐怖と近いものがある。
 筆者の価値観に強く影響を及ぼしている社会的事象が二つある。
 ひとつは、少子高齢化。日本のみならず世界の先進各国で加速している。日本や中国などは高齢化社会への突入が欧米諸国に比べて遅い一方、高齢化進展のスピードが異様に早い点も看過できない。そしてもうひとつの注目点は、結構大きな戦争がここ数十年と起こっておらず、平和が続いている中での各種制度疲労である。
 年金破綻や地方財政の破綻、行政国家現象(三権分立のはずが行政ばかりが国家形成・運営で重い役割を占めるようになる現象)、所得格差の広がりなどがその症状である。
 華氏911を見た人の多くは、悲しくて悔しくて、泣くという。大統領のひどさに対する、自分らの無力さも泣ける要因ではないか。給料を貰ってどこかに雇われていたり、あるいは非正社員として働いている限り、御かみがどんなひどいことをしてもどうしようもない。
 その場合はでもじつは手段がある。たとえば最近、財政難から合併を余儀なくされた町長が、任期が80日しかないのに、数十万円の公金を支出して、欧米へ「視察旅行」へ行った。国と地方の借金が700兆円で、しかも地方税収が景気回復状況下でも回復しないにもかかわらず、町長が公金で奥さんと海外旅行(奥さんは自腹)。それって絶対に許せない。住民監査請求をすべきである。それがとりうる手段だ。そうすればマスコミは取り上げ、すっかり町長らをへこませることが出来るだろう。孫などが「おじいちゃんの事新聞に書かれているよ」などとなれば、否が応でも効果は出てこよう。
 さて話題を米国ドキュメンタリー映画に戻そうと思う。華氏911に並んでヒットしているユニークなのが「スーパーサイズ・ミー」だ。監督のモーガン・スパーロック氏は、自ら30日間、朝昼晩とマクドナルドだけを食べ続けてどうなるかを記録した。結果、マックなくしてはイライラしたり落ち着かなくなる、マックなしではやっていけないマック依存症となり、体重はひと月で14キロ、体脂肪は11%増えた。マックの広報部は毎日食べればなんだって偏食になると反論するが、問題は、マック依存症は低所得者層に多いという点だ。低所得者は忙しくて金が無いから、マックに頼らざるを得ない。結果、肥満になってますます社会的に落ち込んでいく。
 日本のマックに勤めた経験のある友達が言う。社員はマックを食べるには、普通に金を払わなければならないという。彼女はマックの昼休みに、マックを食べた事は一度もないと言った。「きもい」というのがその理由である。ちなみに彼女はさっさと「マックジョブ」から足を洗って今は専業主婦をしている。子供を連れてマックへ彼女が行くことは、もちろんない。
 最近、マクドナルドは再び多額の経常利益を上げはじめた。アップルの日本法人の社長を迎え、今の日本の景気の波にうまく乗ったのだろう。
 マックにしても共和党にしても(さらにいえば、社会保険庁やら、日本の官僚組織、大企業、政治家ら)、貧乏人からどんどん金を吸い上げて、彼らを問題の本質から目をそらし続ける戦略にかけて右に出るものはいないだろう。一見、堅牢に見えるこの構造だが、最近のいろんな現象を見るにつけ、次第に壊れ始めているのではないかと、内心ホクホクとして見ている。最も心躍るのは、巨人戦視聴率の低迷振りだろう。あんなくだらない野球の試合に国民の大半が熱中する国など、正直ずっと薄気味悪さを感じていた。ところがそれが下げ止まらないのである。筆者としては、他の代替エンタテインメントが、ロリコンゲームとかでないことを祈るだけだ。
Tetsuya Ichikara 
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受動喫煙放置過失の判決

 公務員が受動喫煙でひどい目にあったとして、勤務先の区(特別地方公共団体の特別区)を訴え、東京地裁は、区に、慰謝料5万円を支払うように命じる判決を下した。
 昔筆者が勤めていた会社はマスコミに属する業種だったため、当然のように社内喫煙がまかり通っており、ひどい目にあった。筆者はタバコを吸わない。
 役員が、出先から帰ってきてうまそうに紫煙をくゆらす。煙が、末端事務作業に忙殺される私の目や喉を容赦なく攻撃する。
 もちろん止めてくれとも言えず、まさに人権侵害禍だと思って苦痛だった。
 じつはこういう筆者も昔は喫煙者だった。学生時代に女友達がもってきたタバコを吸って好きになった。しかし、ある時から吸うと胸が痛くなるという意味不明の現象に悩むようになり、吸えなくなってしまったのである。そんな、肺の痛みが起こらなければ、自分に甘い筆者のことである。今でも吸っていたことは間違いない。
 筆者の場合は親しい友人知人に喫煙者が多い。しかし親族に喫煙者はほとんどいない。喫煙、非喫煙を理由に人を判断するようなことは一切するつもりはない。むしろ喫煙者の居心地が、今日どんどん悪くなっている気がしている。
 公共施設や飲食店などでの受動喫煙を巡っては、管理者が防止措置をとるよう定めた「健康増進法」が昨年5月に施行され、官庁や自治体が喫煙室以外を禁煙としたり、首都圏の私鉄各社が駅構内を全面禁煙にしたりしている。
 また、今回の判決のようなものがでると、喫煙者と非喫煙者は対抗関係にあることが、社会的にますます認知される。
 喫煙はラバーフェチと同じように、本来不必要な、快楽目的のアディクションといえる。平和な状態が長期にわたって続くと、細かなこと、従来はたいして問題とされてこなかったものも、問題にされるようになってくる。それはそれでいいと思う。そうした細かな問題ひとつひとつに、真摯に向かい合っていくことが必要だしそれをするチャンスだろう。
 そうすれば社会が一歩前進することができるのではないかと思う。
 ジェンキンスさん、私らはあなたが北朝鮮政府から、特別待遇者向けに配られるという外国製タバコを喫煙している映像を見て、なんだか複雑な心境でした。
Text by Tetsuya Ichikawa
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みなさん戦争って好きですか?

 みなさん戦争って好きですか? 私は嫌い。
 さて、今月11日の参議院議員選挙では、参議院の総議席数242席の半数、121議席が改選される。
 もちろん、自民党、公明党、強烈な組織票、あやしげな「活動」票を前に、私たち一般市民の意思などが政治を変えるなどということはもはや起こり得ない。
 しかし、多国籍軍に参加を表明するなど、国は着実に、憲法が禁止している戦争に日本も参加できるよう、事実とか実績を積み上げてきている。
 これに敏感に反応し、国民として、無党派、浮動票層としては、ぜひとも「反戦」を訴えるある意味ロマンティックな、非現実的な政党へ投票してみることをオススメしたい。その政党とは、「国民にとって不可欠の政党」と今回の選挙にあたり、党員に熱く語った、あの根っからのドリーマー、志井が率いる共産党。そしてもうひとつ、あったんですか、社民党。
 そういう党へ、投票しよう。選挙はロマンだ。夢だ。夢を投票にぶつけずして、何が楽しいというのか? ディズニーランド。新木場のアゲハ。そういうのが、どの非民主主義国家にありますか? Alt-fetish.com。北朝鮮に、ありますか、こういうの?
 ない、断じて、ない。つまり、民主主義というのはみんなの夢や欲望で成り立つ。
 戦争したくないですよね。
 だったら、みなさんでぜひロマンあふれる平和主義の党へ投票しよう。もちろん公明党には裏切られ続け。あそこはダメ。
 意味ないって言わない。世界が見ている。
「浮動層、左派へ流れる」
 日本のこの現象を世界にアピールし、あらためて日本が頑固なまでに平和にこだわっているということを訴えていきたい。
 体育が2であり続けてきた筆者。女みたいな、変態な筆者。万が一戦争とかになったら、一発で死ぬだろう。
 みなさん、戦争って好きですか? 私は、大嫌いです。え?ガスマスクつけてる写真? あれは、趣味、戦争とは無関係です。それにあのマスクじゃ毒ガスどころか奥さんの屁にすら無防備同然。
Text by Tetsuya Ichikawa
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株式投資はほんとうにおいしいのか

 株は儲からないのだろうか。AFPの端くれとして今日は株式投資についてもの申したい。
(※この文章で私は特定の投資を奨めたりするつもりは一切ありません)
 ひとつひとつの事例の発生確率はランダムでも、ある一定の数が集まるとある程度の法則・確率が見いだせることを大数の法則という。
 たとえば生命保険や医療保険。ひとりの人間がいつ死ぬか、いつ罹病するかは分からない。でも何万、何十万人という人間全体で見てみると、年代別の死亡率とか、病気の発生率というのが見えてくる(そしてさらに言うと、保険会社はこの大数の法則で必ず儲かるように商品を設計する。特に掛け捨ての保険や一生支払い続ける保険。よって、万が一の備えなら、出来る人は預貯金をしたほうがいい。働いて家族を支える世帯主は奥さんと相談してみて)。
 株式投資においても、もし株価が上がるとか下がるというのがランダムな確率であるならば、そうした株式投資を繰り返していくと、確実に損をするということがいえる。なぜなら、取引をするごとに手数料分、確実に資産が目減りするからだ。株価が値上がりしても、値下がり分がその儲けを相殺してしまう(確率が半々の場合)。
 そういう株式投資で儲けを出すことは、果たしてできるのだろうか。立場によって答えが変わってくる。
 証券会社や証券会社の息のかかった専門家は「長期投資で優良株を選べば儲かる」などという。
 学者先生たちはどうか。そもそも学者は株式投資はしない。研究対象にすらしない。ちなみに株式投資では個人投資家やファンドマネージャは儲けられないと主張している「ランダムウォーク派」というのがいる。
 筆者の考え方は儲けることが不可能ではないと思っている。ファンダメンタルである程度スクリーニングした優良株の値動きを、テクニカルに分析して確率的にいけそうな銘柄(できれば値がさ株)を買う。そういうことをやれば、まあ儲かる確率は高いのではないかと思っている。ではなぜ実践しないか。
 まず金がない。そしてもう一つ、パッシブ運用のほうが手間いらずで確実に値上がりする景気拡大局面では、仮に個別株投資で儲かってもそれが相対的に徒労となることがあるのがイヤのね。
 結論を言うと、資産を運用するなら株じゃなくて、別のものに投資するのがいいっすよ。それはたとえば不動産とか、事業である。エーそんなお金なーいという方へ。そういうあなたは、残念ながら投資してもうま味は一切無い(それどころか金融機関の小銭稼ぎの餌食になるだけ)。
【好きなブーツアンケート集計結果】
■レザー:エナメル:ラバー=7:2:1
□編み上げ:ジップアップ=2:8
■薄底:厚底=8:2
□超ロング(腿まで):膝下まで=4:6
さああなたも今すぐ参加!(お礼にブーツ画像プレゼント)
【好きなブーツアンケート(カッコ内の選択肢から、いいと思うものを残してメールにてお送りください】
メール宛先:info@alt-fetish.com
Q1 素材はどちらが好きですか?(レザー・エナメル・ラバー)
Q2 編み上げとジップアップどちらが好きですか? (編み上げ・ジップアップ)
Q3 靴底は厚いほうがいいですか、薄いほうがいいですか。なおいずれにしてもピンヒールです。(厚い方=プラットフォームタイプ・薄い方)
Q4 腿まである超ロングブーツがいいですか。膝下までの普通のロングブーツがいいですか?(超ロングブーツ・ロングブーツ)
メール宛先:info@alt-fetish.com
 質問は、以上です。
 男性でも履ける安くて本格的なビザールブーツの流通実現に、ぜひご協力くだされば幸いです。
Text by Tetsuya Ichikawa
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拉致被害者を批判するのはおかしい

「若い世代は拉致当時のことをあまり知らない。26年前、学校帰りに姿を消した一人娘を捜し、夫妻は泣きながら海岸を歩き、似た少女を見ては追いかけた」(毎日新聞。横田夫妻の心境を取材して)
 メディアが報じるように、小泉首相に対し「感謝しない」などとして横田さんら拉致被害者を批判している人たちがいる。
 そもそもどんな立場の人たちが言っているのか、筆者にはまったく腑に落ちない。
 まず、内閣の長たる総理大臣に、国民がなにを感謝しなければならないというのだろう。彼は国民の代表に過ぎないのであって、彼がしたことはすべて法によって定められた権能(職務)であり、特定の国民から「感謝」されるような特定の、だれかを利するような行為は予定されていない。もちろん法的権能についての報酬なら国費から支払われている。彼に感謝する必要はないのである。
 だからそもそも、国民が総理に「感謝」するということ自体が成り立たないのである。感謝しろとは、むしろ何か違法な臭いすら感じる。
 ただし、横田夫妻は「感謝したが報じられなかった」とメディアを批判している。彼らは(意味はないけど)その誠意から首相に感謝したのである。
 インチキ国家北朝鮮に対してはまず拉致問題解決無くして一切の国庫の支出はあり得ない(そういう意味では小泉は感謝どころか批判されなければならず、それについては本人も反省していることはすでに報じられたとおりである)。それが正しい主張であって、意味不明、論拠不明な被害者家族批判は、嫌がらせ、名誉毀損の犯罪行為に等しいといわざるを得ない。
 テレビを見て、テレビに反応するような、つまりここでいう「テレビ」とは消費者金融や不健康な消費財の跋扈を許し助長する腐れメディア、資本主義のかす、濾過の必要な古い天ぷら油のようなものであるが、そういうメディアに反応する国民ではないことを筆者はこのブログの読者に切に願うばかりである。
Text by Tetsuya Ichikawa
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増える独身女性

ラジオで云っていた。理由はいろいろあるだろうが、筆者の推論は世の中いろいろなことが見えすぎてきたからではないかと思う。
 ネットやメディアの発達で、さまざまな情報がかつてなく安価に、タダ同然で手に入る時代。結婚しても結局家事育児の負担は女性に来るという将来と、いまの独身の身分でいる現実と較べると、あえて結婚しようという動機が強まりづらい情報がより多く流通しているのだろう。
 結婚してもすぐに日常が変わることはない。むしろ子供を産んだ後が壮絶な日々となる。
 子供は秩序ある暮らしを破壊するアナーキストである。この子供を、かわいがって育て、社会の一員として立派に更生(?)させるのが親のつとめであり、それは無償の労働、というか、むしろ金を払ってそうする必要がある。
 この子育て費用は近年増大の一途をたどっている。
 ただこれは一般論である。筆者は子供がいる身分であるが、ただ一つ言えることは、独身時代は本当に自由だった、それだけだ。ちなみに筆者は自由はあまり得意なほうではない。
Text by Tetsuya Ichikawa
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強まる景気ピーク感

 きょう内閣府からGDPが発表された。実質GDPは3パーセント台、一方物価の影響も含む名目GDPは0.5パーセントと実質と大きく開きがある。これは依然として国内物価がデフレ傾向にあることを物語っている。
 そんななかで筆者が注目したいのが経常収支である。経常収支は赤字か黒字かで語られる。赤字とは、日本が海外にモノを売るよりも、買う方が多い(現金の対外支払いが多い)ことを云い、黒字とは、海外にたくさんモノを販売できて、外からお金がいっぱいはいってきたことをいう。
 どうやら昨年度はおもにアジアや欧州方面向けにたくさんのモノが売れて大幅に黒字だった模様である。財務省は昨日、昨年度の経常収支は対前年度比29%増の17兆2600億円となったと発表した。
 経常収支が黒字というのは、海外で日本製のモノがうけている状態のことである。何とも素晴らしい話で、作ったモノが世界で売れる日本にいることにまずは安心したい。おかげで、景気もだいぶ回復した。
 しかしここ数日、日本経済が抱える負の面である不良債権問題や、年金問題に代表される少子高齢化からくる社会保障のほころびなどが相次いで露呈し、株価も円も大きく下げた。
 市場関係者のあいだでは、もっぱら株価の天井は遅くとも6月にはピークをつけ、再び循環的な不景気へ突入すると云われている。
 筆者などは、12000円の壁を二度ほどつつき、大きく下落している東証株価平均などを見るにつけ、もうそろそろお祭りは終わったかなというのが率直な印象だ。
 国・地方の借入金残高が数百兆円に上る日本の行く末はたいへんに厳しい。循環的な好景気が来ても、どうだろう、私たち庶民にはあまり実感も湧かないまま、いまこうして終わろうとしているではないか。
 目先の社会保障に汲々とするのもいいのだが、やはり国内需要を活性化する方向に国策の重点を移すべきだというのが私の主張だ。
 また国内株式や外貨で資産を増やしたいと思っている個人投資家は、今後の株安や円安には十分に注意しなければならない。また外貨預金はいまはすべきタイミングではない。
Text by Tetsuya Ichikawa
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携帯で普通にネット見られる時代へ

DDIポケット、Opera搭載「AH-K3001V」を発表。コンテンツビジネス終焉の槌音が聞こえてきた。
 携帯電話でインターネットが見られる、やれ定額制だ、速いと騒いだところで、家で見るPC経由のネットに較べたらとても割高だった。
 それが、このようにPHSで普通にネットが見られてしまうのである。筆者など出先でネットが見られないためにいつもどんなに悔しい思いをしてきたことか知れない。
 ずっとドコモのPHSのユーザだったが、こっちに変えちゃおうかな。
 ところで、私の名前「市川哲也」ですが、競艇選手や経営ノウハウを売っている人ではありません。同姓同名でそういう人がいますが誤解無きよう。
Text by Tetsuya Ichikawa
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お台場から世界を考げえる

お台場にあるホテル日航東京へ骨休めへ。ウィークデーなので安い上に非常に空いており、快適そのものだった。近くの大江戸温泉物語へも入る。ここへは、ゴールデンウィーク中の5日間で約3万人が訪れたという。こんな狭い施設にそんな押し寄せたのだったら、一体どんな「地獄」が展開していたかと思うと、空恐ろしくなった。
地獄といえば、イラクでイラク人を虐待する様子が写真で各紙に報じられ、一躍有名になったアメリカ人女性兵士。監獄を「地獄にするのが私の仕事」と、熱心に「虐待」に興じた模様だ。
彼女の年齢はなんと26歳である。将来、気象学関連に進むための学費を手っ取り早く予備役で稼ごうと入隊したのが運の尽きのようだ。
それはいいのだが、この女性兵士の写真一枚で国防長官も大統領も必死に謝っている。イラク人に。イラク人との関係は不明なアルカイダが国連事務総長を殺すと表明しているそうだ。
アメリカという国が国際社会でいまだいぶ厳しい状態にはまりこんでいるわけだが、これは歴史的に見るとアメリカという国は何様であったか、そして今後はどうなるのかがうっすらと見えてくる。
古いところでは自分(ウィルソン)で言い出した国際連盟には入らない(上院の反対で)から始まり、包括的核実験禁止条約(CTBT)はシカトする、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約は勝手にやめ、ロシアとの戦略兵器削減条約(START2)を破談させる、この時世に対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)は署名すらしないといったことから、世界の平和協調には一貫して「ふてくされた態度」をとり続けている。
一方では軍事支出を圧倒的世界最高水準で拡大しまくって今、イラクでこのザマだ。
もちろんアメリカといえば民主主義、自由、今の世界の繁栄と富のモデルケースでもある。良識ある人々も大勢住んでいる。しかしこのアメリカが仕切る世界情勢がこれほどの混乱とめちゃめちゃ状態になっているところを見ると、どうもこれからはアメリカ一国主義は通用しないと言わざるを得ない。
先進国共通の問題として、政府(行政=お上)が巨大化しすぎである。日本が民間や地方に権限を委譲して、行政のスリム化を図る行政改革を進めているように、アメリカもまた、自分たちのやりたいことをもっとNGOとかに委譲して任せたほうがいい。
具体的には、世界的に元気なブランド企業をどんどんイラクに投資させ、マクドナルドや吉牛もイラクでやる。医療ミスのネットワークでの開示もまずイラクでやる。平和、安全のあと投資ではなく、まず投資して雇用も創出する。そうすると自ずと平和安全がやってくる。
インターネットカフェもコンビニももちろんやる。するとアルカイダも利用するようになる。防犯カメラにばんばん写る。プロバイダの記録にどんどん残る。そのうちビンラディンも写るかもしれない。
お台場は平和だった。マックも、大戸屋も、とんかつの和幸も、フジテレビもじつに平和に営業。夕闇の中、等間隔で渚に座り肩を抱き合うカップルの列。海辺で、小さな犬を散歩させるなぜか平日なのに私服の30代男性。
地雷は今、世界で1億個埋まっている。その除去に、米軍など中心となって世界中で取り組んでいる。少なくともお台場には地雷はない。そうだ、イラクも、外資の前に地雷除去だ。
わざと、子供とかが遊ぶようななんの変哲もない空き地に、地雷は埋められる。それも、即死するほどの威力はもともと備わっておらず、戦意喪失のために身体が損傷する程度の爆発力を持つのが最近の特徴という。
というか、地雷の原因になる戦争をやめないと、お台場的平和は来ない。お台場とは、埋め立てゴミの上に作られた資本主義のモデル都市。埋まっているのはゴミであるほうがいい。少なくとも地雷より。
パレットタウンにある大きな観覧車から、大江戸温泉物語方向を見やると、さらにその向こうに島が見える。その島は地図で見ると廃棄物処分場となっている。きっと数年後には、そこにまた平和が作られるに違いない。
Text by Tetsuya Ichikawa
Alt-fetish.com
※ドルフィーに生地の色は移りません。

TVCMが無効な失われた男たち

 このサイトは、アメリカの大手ハンバーガーチェーンが開設した。一週間に4600万回のビジターを獲得。
「わが社にとって、18歳から34歳くらいの若い男性 ── テレビを見ないためテレビ CM の効き目がない若者たち、いわゆる“失われた男たち” ── に訴求する手段を持つことが重要だった。この世代の男性がインターネットを活用しているのに注目した」担当者の弁。
「失われた男たち」という表現が傑作だった。
日頃テレビは週に2時間程度しか見ない。一方、PCモニタは一日に5時間は必ずみる。だから筆者も失われた男である。ただかといって、新しい商品が嫌いかといえばそうではなく、日経流通新聞などから話題の新製品情報をキャッチして積極的に試す。ある程度そういうのに「乗る」というのも楽しいからだ。
ちなみに、筆者がこの鶏さんにお願いしたなかでいちばんおもしろかったリアクションを得られたのは、
Kiss me!
Watch TV.
Think about yourself.
I want you to see your back.
Do you like MacDonald?
だった。結果はお試しあれ。
Text by Tetsuya Ichikawa Alt-fetish.com

イラク人質反省

 パスポートに書いてあるから、旅行者は守ってもらえるとか、憲法で移動の自由がある、取材の自由があるからと、イラクへ行った人たちのことは責められないという風なことをブログに書いたら過去最高数のコメントで一斉に批判を浴びた。
 今日のテレビなどを見るにつけ小泉首相とか、たいへんな心労で涙ぐみながら苦言を呈しているさまに、ちょっと反省している筆者である。
 とくに高遠さん(女性でボランティア活動をしていた)が、イラクで活動を続けたいと言っているのをみて、どうしてイラクなんだろう、って思った。日本にだってボランティア精神を発揮して手をさしのべるべき対象の人はいる。
 たとえば、教育の現場では公立学校の底辺校で荒廃が進んでいるという。そうした荒れた学校に通う生徒のために、町の寺子屋的な塾を運営するとか、そういうこと。それだってボランティアとしてやりがいがありそうなものだが。
 多くのコメントに共通していたのが、自己責任という言葉である。まあそれはもっともなんだけれども、じつは彼ら三人がなんであそこまでリスクを取らなければならなかったのか、にも注意してみる必要がある。
 あの3人に共通しているのは、少なくともいい大学を出ていい会社にはいるという、高度経済成長のときに信じられていた人生のレールを歩んではいないという点だ。そして、もう一つ、イラクで自分の人生の新しい境地を切り開こうとしている点である。
 少子化が進む日本では、需要が増えないために企業収益は構造的に頭打ちである。そうした中で、必然的に社会の閉塞感は進み、将来に希望のもてない人たちが増えてきている。そうしたなかで、自分の人生からより多くの意味、意義を見いだしたいと考えている人たちが、今回のようにリスクを引き受けることもめずらしくなくなっている。
 だから、筆者は彼ら3人に対し、イラクに行くなんて考えずに、ほかのことで生き甲斐を見いだしてみたらどうなんだ、ほかの仕事を見つけてみたらどうなんだ。そしてこんな仕事があるんだよってきちんと言えないのであれば、いくら自己責任だ、他人に迷惑かけるななどといっても、まったく説得力を持たないだろう。
 ただ、やはり大勢の国民の税金が、彼らのために使われたのは紛れもない事実である。イラクへ行ったのは彼らのミスだったことは否めない。そういう点では、公明党とかがいいだしている、部分的に移動の自由を制限する法律を制定することもやむを得まい。いまのように、法的に自由が認められていると、外務大臣などが「(危ないところへ行くのは)やめていただきたい」と弱々しく申し入れるのが精一杯で、それじゃああんまりだと思うから。
 以前、警告を無視して川の中州でバーベキューをしていた何組かの家族が、増水で全部押し流されてみんなおぼれ死んでしまった事件があった。何となくそれを思い出した。

人質日本人解放

 イラクの武装勢力によって誘拐されていた日本人が今日、8日ぶりに解放された。武装勢力は3人は民間人であり、また日本国民が自衛隊派遣をやめるようデモを行ったことを、解放の理由としている。民間人を手厚くもてなすイスラム聖職者協会の方針にしたがったことも解放の理由である。
 筆者が今回の事件で日本国政府がどんな役割を果たしたのか(あるいはまるでなんの役にも立たなかったのかも知れない)サッパリ分からないけれども、少なくとも国外へ出国するときに必須のパスポートには次のように書いてある。
「日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。日本国外務大臣」
The minister for foreign affairs of Japan requests all those whom it may concern to allow the bearer, a Japanese national, to pass freely and without hindrance and, in case of need, to afford him or her every possible aid and protection.
 問題は、この英文である。これって伊藤の英文解釈教室並に難しい。最初に書いてある「日本国民である……要請する」は日本語は主語がないごく普通の固い日本語だが、これをたぶん無理矢理直訳したんだろうと思われる。
 今日は、FPとしてこの、海外旅行者がまず頼りにする唯一の書類、パスポートのこの英文について考えたい。
 英文での主語はThe minister of foreign affairs of Japan日本の外務大臣である。動詞はrequests求める、要請する、という他動詞の現在形である。英語の時制には7つだかあるが、ここで現在形を使うのは、こういう法律とか公文書ではよくある話。requestが他動詞であることから、目的語である名詞を探すことにする。すると目的語はall those whom it may concern to allow the bearer, a Japanese nationalこのパスポートを持っている日本国民を受け入れる担当者全員に、というのがわかる。つまりこの文はS+V+Oの第三文型であることが分かる。
ここまでで、大臣は、担当者に要求しているんだなーっと分かる。で、なにを? そのなにを、というのが、非常に重要だと思う。
自衛隊派遣に反対の意を表明する目的で誘拐することを(要請する)、
とか、
自分の宗教理念に基づいて、火あぶりで殺すなどと脅すことを(要請する)、
とかでは、どうやらないようだ。
 英文に戻ろう。副詞句としてrequestを修飾しているto pass以下だ。to pass freely and without hindrance and, in case of need, to afford him or her every possible aid and protection.自由に、支障なく通過させることを。また彼ないし彼女(つまりパスポートを持っている日本人)に、もし必要な場合、援助したり保護してあげることを。
 以上の解釈によって、この文章は、付記されている日本語のような意味を表していることが理解できる。
 しかし筆者が注目しているのは、果たしてこの英文が、彼ら武装勢力の人たちに理解してもらえたのかどうかだ。
 というのも、けっこう難しい文章だと思うから。筆者はちなみに、最近受けたTOEICは730点だった。TOEICこのこの水準は、上位2割以内ということなので、大多数の読者にとっては自慢に映るかも知れないが、ここでは私は自慢したいんじゃなくて、それでもこの英文は難しいということを強調したいためにあえて自慢している(って自慢じゃん)。
 この英文は、きっと武装グループには意味が分からなかったかも知れない。というのも、この文にはto不定詞をとる他動詞がconcernと、allowと、ふたつあるから。しかもそのあとに、肝心のto不定詞が4つもある。これはけっこうわかりにくいと思う。しかも一文である。カンマでばんばん区切っているし、all those whomなどという難しい関係代名詞も入っている。
 というわけで、海外旅行へ行くみなさんには是非、このパスポートに書いてある英文の意味を熟慮した上で、また、日本はいま、自衛隊派遣していて海外旅行はリスクが高くなっていること、この辺をふまえて欲しいと思う。
 ところで筆者は、ドイツやフランス、ロシア、中国などほかの超大国がぜんぜん派遣していないのに、派遣される日本の自衛隊って、本当にお気の毒としかいいようがない。もちろん自衛隊のイラク派遣には反対である(劣化ウランなどの放射能汚染がひどいでしょ。それに税金そんな余裕はないはず)。
 ドイツ、フランス、ロシア、中国のように、派兵する理由がない、必要がないから、派兵しないというスタンスを貫ける国がうらやましいカギリですなあ。ちなみにこれらの国は、いずれも英語が公用語ではない点において日本と同じである。
 あともう一つ、この3人は、危ないところへ行ったのだから自業自得だなどという人もいるけれども、それはまったくの誤りである。というか、そういう考え方は、憲法に反する。取材の自由というのは憲法で保証されているからである。