(1)スタイル
キャットスーツは、全身の身体のラインがぴったり出るように着る、いわば全身タイツのような衣装のことです。トップスとボトムス一体型で、フロントにファスナーが付いています。色は主として黒で、素材はラバーやポリウレタンコーティングナイロンといった表面に光沢のあるものが主流です。
(2)意義
この服を着ることにより、人は、身体の線を自覚し、また拘束感をも味わいます。過ごしやすさや快適性への配慮から、日常の服はゆったりとしていて、身体とのあいだに空気の層が取られている事が多いの対して、キャットスーツは身体に密着します。日常では体験できない「拘禁感」が、非日常性を演出し、興奮をもたらします。
(3)魅力
若い女性が着ると最高度の魅力が出せます。もちろん、旬を過ぎたタレントや歌手が底上げのために着ることもあります。安室奈美恵や浜崎あゆみがその例です。90年代にマドンナが着て話題になりました。非日常性と女性の美しさを際だたせるため、映画にも頻繁に使われてきました。
(4)性
裸で行うのに較べ、キャットスーツを着たセックスは魅力に富んだものとなります。専用のスーツには股だけを開けられるファスナーが付いています。清潔なキャットスーツに、ゴム、グローブ、ソックス、シースを装着すれば、衛生的で安全なセックスが出来ます。
(5)写真
芸術的なインスピレーションを刺激するもっとも本源的なもの。それが身体です。身体はつねに芸術の最も重要なテーマであり続けています。キャットスーツはその身体のフォルムを強調し芸術性とエロスをあふれさせます。キャットスーツモデルを撮影する行為は、成熟した大人に許された、創造への欲求を満たす自己実現活動のひとつです。
(6)第2の皮膚
全身に密着して着るラバーキャットスーツの場合は、服というよりももはや身体の器官の一部のように感じられます。第2の皮膚というキーワードはラバーキャットスーツを象徴的に表しています。身体の一部でありながら、人工的に追加された機能でもあります。まさにサイボーグです。第2の皮膚をまとって「変態」したキャットスーツ装着者は、自意識の変質から逃れることは出来ません。
(7)課題
一様でない人の体型へ工業製品であるキャットスーツをぴったり合わせることの困難さがキャットスーツを巡る最大の問題点です。また、ラバーは通気性がなく、汗疹等の皮膚の疾患や、汗が冷えたときの不快感はときとして性的興奮を打ち消すほどです。着る際の身体的・環境的コンディションには細心の注意が求められます。
|