フェティッシュなコスチュームを身に付け、軽いセルフボンデージを楽しみながらブログを書く女の子がいた！

　ブログを知っているだろうか？　ブログとは、Web LogWebを使って公開する日記、もしくはそのような形式で綴った（Webページ制作者の）所感などを述べたWebサイトのこと。比較的更新頻度が高く（毎日、もしくは数日という短いサイクルで更新される）、制作者自身が日々感じたことや行動ログ、仕事や趣味、興味を持っている分野などに関して考えたり、行ったりしたさまざまな事柄や主張などを、日記のような形で記述して公開したものだ。
　ブログはアメリカが発祥だが、きっかけは、直感的な操作で簡単にウェブサイトに日記を書き込み、掲載できるサーバ上のアプリケーションソフトのおかげだった。老若男女、猫も杓子もブログを書くようになり、いまや世界中で数万単位の新しいウェブログが誕生している。
　もちろん内容は「今日、タイヤがパンクした」とか「ケーキを食べ過ぎた」などおよそ読むに値しない退屈なものがほとんど。９割は読む価値がない。所詮すべて、価値があるのは全体の１割り程度なのである（このフェティッシュ・ヴォイスは、その１割りに入るよう、がんばっている）。人気のビジネスメルマガ「経営戦略考」著者の森さんなんて、書くのに毎日３時間くらい費やしているという。この私だって、それくらいは費やしているだろう。
　それはそうと、すごいブログを見つけたから報告したい。なんと、このブログの著者は23歳のフェティシストで、女性なのである。しかも、Alt-fetish.comのキャットスーツを着ながら書いたりしている。

サイト名：believe
管理者：しのぶさん
URL：http://www3.halhal.net/~believe/index/index.htm※現在このサイトは閉鎖されているようです。

　作者のしのぶさんは、もともとミストレスだった。懇意にしている（？）奴隷の「けい」氏にインスパイアされて、フェチに目覚める。そしてAlt-fetish.comのキャットスーツに出会い、日々ますますフェチに強い関心を燃やしているのでる。
　筆者は個人のブログなど一切見ないが、このブログだけはあまりにもある種の近しさを感じたので特別に今回取り上げる。重要な部分を、本人の承諾を得て抜粋した。なお、最後に、ご本人の「フェチ」への思いを掲載している。これは、許諾メールへの返事にご本人が書き送ってきたものである。

※引用部分の文章、写真の著作権はご本人にあります。無断複製を禁じます。(C)2003　しのぶ
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4.13（日）
買うぞ、買うぞ、買うぞ。
ALT-FETISHで、キャットスーツを買おうと思います。けい（Alt-fetish.com註　奴隷のこと）と私で2着vv　今日注文しようと思います。ドキドキドキドキ。キャットデビュ〜ン？　カラーは、けいが「色は黒にかぎりますね！」と言ったので黒にしましょ。
　今ねぇ、頭の中ラバー「一色」なんですよぅ。なんだか、けいと連絡が殆ど出来ない週末の……あの空虚な感じを味わってる所じゃなかったです（笑）　気が付いたら夜じゃんとか言っていたしぃ。多分今日もハァハァ言っているのではないでしょうかぁ？　わははは　いいですね、ミチミチ。ラバー万歳。

4.15（火）
視界に入るノイズ
月に一度の欲求不満デー　ヽ（ ´ｰ`)丿 　どうも、先月より“ソレ”が来るのが幾分か早いです。先日からのラバー熱のおかげでいつもより酷い欲求不満！性欲噴出でも可（自爆）　まるで、しのぶさん家のお猫様がにゃごにゃご発情しているのと同じです。こうとも言うにゃりね……猿かよ！（笑）　どうも、ブリがついたみたいですぅ。お蔭様で今朝はずっと煙草ばかりふかしています。吸いすぎて気分が悪くなってきました　┐('〜`；)┌　正直、ホンマ……エロテックな事がしたいです。変態的でも、鬼畜的でもイイです。何と言われても良いです。とにかく頭ン中イキまくりたい。こういう気分の時は視界にノイズが走ります。そして、時間がたつのが遅いし、味覚もなくなるし。脈は速くなるし、馬鹿な事口走るし、サイフの口は緩むし。ダメダメモードです。さっき、また海外のラバーフェチ関係の雑誌を注文しました。CD注文しました。小説買い込みました。けいに何だか意味不明なメール送りました。本当、ダメダメです。明日には治るでしょうが、ピークは今晩です。なので、夜が明けるまで引きこもり決定です（笑）

4.17（木）
現実逃避
プチ家出？ふふ。飯はうまく風呂は広い。禁酒中断。酒のみしのぶ。月が綺麗。明日は海を見よう、町を歩こう。綺麗なモノ見て疑心消さなければ。先ほどけいとTEL。何を語ったか忘れた、忘れる。代わりに脳内麻薬。夢見るラバー。興奮を頂戴。安らぎを頂戴。安堵を頂戴。 全て私が悪。そう思う事、それが楽。逃げ。さよなら、自分。あ、来週にはALTのキャットが届くvvv

4.20（日）
お届けvv
ALT-FETISHのキャットが届いたにゃりよんvv　ちょっと、身体がまだ本調子じゃないんでもうちょいしたら着よう！！　で、また何やら注文しちゃいました（笑）あーぁ。最近、鞭振るってないなぁ。イライライライラ……。。でも、体力技出来ないし（苦笑）……会えないし。
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なんだかんだで、結局着ています（笑）　着やすかった！！　なんていうのかなぁ……
SHOP LaLaさんで良くボンテージを買うのですが、それらのエナメルボンテージより滑らかで触り心地がイイ！って感じです。あ、決して非難しているワケではないです＞SHOP LaLaさんを（＾＾；今、着たままタイプ打っていますが……、今、フト思ったのが……ダイエットスーツ着ているみたいだにゃん〜（笑）　とりあえず、着心地が良いのでこのまま寝ちゃったら……ダメ？
一枚目の写真、撮ったわ良いが。猫しゃまのお家の前で撮ったので……あまりにもなのでちとモザイクがわりに色入れた……けど、下手クソがするもんじゃないですにゃ（Ｔ-Ｔ）

4.21（月）
百人一首&画像〜
（Alt-fetish.com註　ご本人のサイトから、許可を得て転載しました）

百人一首が好きです。ひとまず、今の私に合う歌です（笑）　昔の人は良いコトバを残したものだね。
●長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れて今朝は ものをこそ思へ
（待賢門院堀河）
●忘れじの 行末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな
（儀同三司母）
（中略）
画像はしのぶです。
長い髪をしまうのが大変だったにゃ〜〜　ALTのキャットにボンテージテープ。それからエナメルグローブですぅvv
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しんどくて、ほの悲しくてなんだか泣きたい気分。衝動的に、もう一度キャット着て、ブーツ履いてグローブはめて包帯を顔に巻いて、その上からボンージテープを巻いて。髪の毛を出す隙間も与えず、マスクのようにぐるぐる巻いています。ハァハァ。あぁ、早くマスク欲しい……。あるいはけいか、他の雄への虐待……ニヤリィ

4.22（火）
>私はSEXよりもSMがスキ。
>そして、最近平行線あるのはいつもKISS。
それに加えて。今、ひたすらにラバーやレザーなど。もう１枚の皮膚。私の皮膚。今日は雨です。ちょっと肌寒いのですが……着てるよ、キャット（笑）　ALTのキャットは素材のせいか、普通に着てても苦にならない気がするのですにゃ。まぁ、ラバーキャット未体験だから言えるのかもしれませんが、普通に、服として着ています（苦笑）　今、仕事着なのですが、その下にはALTのキャットに愛用のコルセット。変態フェチ街道まっしぐら〜ん　ハァハァ。ちょっと待て。私はミストレスのはず？　なに、雄達の羞恥プレイにさせる様な事をしているの？　ん。いや、だからフェチとＳＭは別世界なんですってば＞私。

4.24（木）
私ハ何処ニイッチャウノ？

「自慰」

久しぶりに、自慰をしました。
いわゆる、プレイ中に痴女の様に「見せ付けて」やるとか。
暇だからするとか。
溜まってるから（と、言っても溜まる様な肉体構造はしていませんが……笑）
そんなのではなく。
衝動的に。

外は雨。
耳障りな程雨の音が聞こえています。
私はその時ブーツにキャット、エナメルグローブにボンテージテープ。
片目だけ残し、片鼻だけ息が出来る様にして顔をボンテージテープでグルグル巻きにして。
片手には鳴らない携帯電話。雨の音だけ聞いていました。

おもむろに、自分で自分を抱きしめて。直接触れられない肉体を撫ぜていると
異様に興奮してる私がそこにいました。
私は性的感度は鈍い方なんですが、（少々触られても感じない……苦笑）
とうとう、局部を触る事なくイケました。
まるでSMプレイをしている時、鞭を振るいながら、あるいは流血している時、言葉責めをしている時etcの……あの、頭の中でイッちゃうのと同じ……ううん。ヘタするとそれ以上？の絶頂。

全身「何かに包まれる」
ひたすらに、イイ。
寂しさも、辛さも、憂鬱も忘れられる。
でも、それは逃げじゃない。
昇華だわ。

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姿鏡に映る自分は普段は直視するのも億劫な自分が、黒光りを帯びて変化してそこに居るの。いつも、けいやその他の下僕どもに崇拝され満足（美だとかそんなモノ）を得ても自分一人で、自分を直視するのは本当は苦手。だから、男達の色眼鏡で見た自分にきっと自分を満足させてる。……誤魔化してるいのね、きっと。けどね、今はこの自分の肉体が愛しい。そりゃ、変わっていく事への恐怖も確かにあるんだけどね。黒い皮膚に包まれる事はこんなにも快楽だったんだ。

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　──いかがだっただろうか？　しのぶさんが、キャットを買ってからハマるまでの心境告白が、よく伝わってくる。とても正直で赤裸々な心情吐露、そしてどこか知的な雰囲気を感じさせるこのテキストに、ぐっと来るものを禁じ得ないのは筆者だけではないだろう。
　バトルロワイヤルという物騒な映画がある。高校生同士で、生徒が殺し合いのゲームをする。女の子が悲鳴を上げ、流血しながら殺し合う。全編に漂うのは、悲壮なまでの覚悟、死への一途さである。そこに、独特のエロティシズムが漂う。この若い（23歳）しのぶさんのサイトだが、他のページには、奴隷の「けい」との、流血を伴うハードなプレイの模様が写真で収録されている。そのせいだろうか。しのぶさんのサイトからは、バトルロワイヤルに漂う空気に似た、どこかモータルなエロさを感じ取れるのである。
　いずれにしても彼女は、Alt-fetish.comのキャットスーツを着てかなり満足している様子だ。自分の欲望の落としどころを知っている女性の果敢な挑戦に、敬意を表したい。
　このブログの作者のしのぶさんは、フェチに関心を持ち、実際に行動を起こして実践した。その結果、新しい快楽に出会うことに成功した。この一連のプロセスを見てきて、筆者が想起したのは、次の聖書の言葉だ。「あなた方は、求めないから得られないのだ。Ye have not, because ye ask not.」（ヤコブの手紙から）　もうひとつ、中国の諺から。「意志あるところに道は通ず」
　注意したいのは、この日記をキーボードで打っているしのぶさんのその皮膚には、Alt-fetish.comのキャットスーツが容赦なく密着し、しのぶさんをある種の「緊縛」状態に置いていることである。そしてその状態を自覚的に楽しんでいるしのぶさんがいて、それをさらに見る、不特定多数の読者が、いる。キャットスーツの、フェティッシュのエネルギーが、ネットというリバレッジを得て爆発した瞬間だ。
　フェティッシュ・ブログ・プレイというべき新しい「表現」のジャンルを樹立した、芸術的フェティッシュウーマン、しのぶさん。筆者は、しのぶさんに続く多くの自由な女性と出会いたい（イヤ、変な意味じゃなく）。ここで、彼女から寄せられた「解説」（抜粋）を掲載しよう。以下の文は、筆者が、しのぶさんのサイトをメルマガで扱うことの許諾をご本人から得た際、返事として返ってきたものの一部である。
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今までいわゆるＳＭ……支配し、支配されるその行為をもう十代はじめの頃から行っていましたが、フェテッシュ的な行為はここに来てはじめて体験しています。それらに伴う様々な感情はなにもかもがはじめてで……そうですね。まるでバージンの頃。初体験を迎える前後の様なモノではないでしょうか。ただ、私の場合は初体験前後の感情はとても冷めていたので本当にそれらと相するのかはわかりませんが。先日までのALTのキャットで手に入れるまでのドキドキな日々これからラバーな日常を手に入れるであろうこのドキドキ感。
このドキドキは、いわゆる万人の方々が初体験を迎える時の其れと似ているのではなかろうかと思います。すべて、パートナーのけいのおかげと言うか、けいのせいと言いますか──。いままで築き上げてきたモノ全てが、日々音を立てて崩れ去っている感じです。（人を支配してきた自分やその行為・感情、それら全ての類を）まさか、ここまでフェテッシュな行為にはまるとは思ってもいませんでした。ですが、それは決して不快な事ではなくむしろ喜びとして、現在進行形で体験しています。そのお陰でこのたび、ATLのキャットスーツと巡りあったわけですが。
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　ここでは、巨大化した大脳新皮質が、原始の脳、大脳辺縁系の束縛から真に自由になるよすが、つまり変態プレイへのロストバージンが象徴的に謂われている。
　女性が積極的に生殖以外の性快楽を追求する、21世紀型のウーマンリブのような運動が、Alt-fetish.comから出てくる、そんな予感を覚えたのは、おそらく筆者ひとりだけではあるまい。