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第1回ALT-FETISHトークイベント───ラバーフェティシストがラバーについて、自分について語る! 開催日:2007.12.31 テーマ:ラバーフェティシストのメディアとコミュニケーション 司会・文・構成・撮影:市川哲也(ALT-FETISH.com主筆) パネリスト:RUB武蔵野君 会場:ファティーグ合資会社内、多目的ルーム

I(市川哲也):ALT-FETISH.comの市川哲也です。今日はお客さんのひとり、近所に住んでる大学生のRUB武蔵野君と対談したいと思います。私も彼もラバーフェチなんでラバーキャットスーツを着て、ガスマスクを付けています【このページ内の写真参照。左:市川哲也、右:RUB武蔵野】。RUB武蔵野君は2007年の始めに、ALT-FETISH.comがはじめて実施したモニター調査で協力してくれたんですよね。それで親しくなりました(もちろん友人としてです)。最近、投稿してくれたB-FOXさんとは別人です、念のため。
R(RUB武蔵野):すみません、苦しいんで、ガスマスクだけはとっていいですか?
I:どうぞ。僕たち、ゲイじゃないんで、男どうして対面してキャットスーツ姿というのはかなりこたえます。まずは、今日持ってきてくれたBGMを紹介してください。
R:ラインナップとしてはラバー、ボンデージ、女王様に関係のある曲ということでセレクトしてみました。【末尾、曲目リスト参照】
R:あと、今日こんなの見つけたんですよ。(『スペースピンチー』(トニーたけざき著、講談社、2002)を取り出す)
I:いつも持ってくるね。これはいい。古代宇宙人ピンチ星人の末裔、ピンチーが主人公。真っ赤なラバーキャットスーツ風の宇宙服を着てる。確信犯的だね。
R:講談社の編集者って結構ラバーフェチいるんじゃないですかね。たまにあるんですよ、こういうの。最近だと『もやしもん』(石川雅之、イブニングで連載)とか……。
I:いそうだね。いかにも。B5版でフルカラー、全ページコート紙で222ページ、値段が2000円弱か。安い、しかしこれは講談社じゃないとできないね。変態編集者の熱意を感じる……。
I:唐突だが読者に君のラバープロファイルを。きっかけは?
R:中学校時代に目にした競泳水着ですね。自分は中学時代から水泳部員だったんで、目にする機会が多かった。ぴっちりした水着が水に濡れてぬめぬめ光る。あれはかなり影響したと思います。成長するにつれ、ビザールマガジンとか読んでだんだんラバーとかSMに目覚めていきました。ラバーへの目覚めは中学時代、性の目覚めと一致しています。最近だとネット上で豊富にラバーの画像が手に入るんで、ネットで狩猟採集してます。【末尾、ラバー関連URLリスト参照】
I:僕は学校の帰りとかに町で見かける革つなぎ着た女子ライダー(最近はめったに見ない)とか、スケバン刑事の麻宮サキがたまーに着るレザースーツ。あとはウルトラマン、ガンダム(のノーマルスーツ)あたりから入ったかな。とにかく、ライダースーツのイメージが強烈で、かなり影響したと思う。よく、修学旅行とかで高速道路にバスで乗るじゃん。そうすると、SAでライダーが休憩してるんだけど、80年代とかは結構みんなビッチリのレザースーツ着てて。子供心に強烈に脳裏に焼き付いて、いまだに思い出せるくらいだよ。レザーの質感とか。だから、ビザールマガジンとかの、安っぽいエナメルとか、肌の露出が多い女王様ファッションはピンと来ないんですよ。全身タイツも、同じくくりで語る人いるけどまったくダメ。ラバーでも、黒で光ってないとダメ。とにかく色は黒、レザーのようなハードな素材でビッチビチに覆う。これですよ。ラバーとの出会いは、90年代はじめ頃なんだけど、SPA!がよくボンデージ特集とかやってて、そこでアズロが取り上げられてるのをみたりして。アズロが僕にラバーを教えてくれました。最近のオナニー、どうやってしてますか?
R:今も着ている、このALT-FETISHのオリジナルラバーキャットスーツ(ショルダーファスナー)を着て、月に一度くらい、やってますかね。へたれなんで風俗とか行きません。もっぱら一人です。
I:僕も、一月に一度着られたらいい方かな。こんな感じのデマスクの、インフラタブルバスト付きのバックファスナースーツが好きでよく着ます。顔はマスクとかハーネス、ガスマスクなどでギチギチに拘束して。貴方は着てどうやってしますか? 僕は着るともう興奮して、股に手が行って、すぐこすりだして我慢できなくなります。
R:同じですね。ついつい股間に手が。
I:長く着られないよね。ラバーの興奮を長い時間味わっていたいけど、熱しやすく冷めやすいというのがオナニーの逃れがたい宿命だね。
R:ボンデージといえば、アベンジャーズとか、バーバレラとかの映画ビジュアルも結構好きですね。
I:僕も。
R:あとは乾はるかとか、ラバーを描き込んだ漫画をかなり蒐集しました。市川さんが編集者時代に作った『世紀末フェティッシュ読本』ではじめて乾はるかを知ったんですよ。
I:僕も、あの本作るときにライターさんに教えてもらいました。あと、秋田昌美、北原童夢の評論なんかもフェチの思想を形作るのに役立ったかな……。
R:世紀末フェティッシュ読本はここ最近も古本屋とかでよく目にしますよ。実家(関東近県)周辺で3回、都内で4回は目にしました。何部くらい刷ったんですか?
I:8千部くらいかな。実売はたぶん、3〜4千というところだろう。それにしてもあなたよく古本屋まわるよね。いつくらいから?そもそもフェチねらいで?
R:いやフェチだけじゃないですが。もちろん新刊書店も毎日チェックしています。ちなみに神保町でトパーズのバックナンバーが値段上がってましたよ。
I:最近の出版界はどう? 本やまわってるから詳しいでしょ。
R:イヤー英知出版とか、司書房が倒産したり、結構ぱっとしませんよ。ラバー着せた、かっこいいビジュアル、最近はあまりでなくなってる気がします。
I:ネットに圧されてただでさえ苦しいところで、超少数者向けのラバーなんてコストもかかるしやってられないんだろうね。昔の僕みたいに、フェティッシュ読本みたいなサブカルムック(雑誌形態の単行本)を作る若者が出てきてもいいとは思うけど、ALT-FETISHへの取材申し込みなんて一切ないからね。ただの流通業者の一つと思われてたら結構寒いな。
R:紙媒体ってどうなんですか?
I:ALT-FETISHとしてCD-ROM写真集、僕が撮ってモデルさんに協力してもらって出したり、がんばってますよ。紙に印刷してどうのとなると、ロットがね。CD-ROMは一タイトル30とか40とかしか出ない。紙に印刷したときの在庫の山はとうてい受け入れがたい。
R:でもMARQUISは雑誌出してますよね。
I:世界市場だし。あそこは。フランス語、ドイツ語、英語版と三カ国語でやってたけど、数年前にフランス語をやめた。ビジネスベースというよりも、情報誌というか、広告モデルである程度成り立っているんじゃない? この間、質問したら、オンラインも紙も両方苦戦しているって。あとメディアではどうすか。ラバーフェチのあなたがメディアとどうつきあっているか。日々の実践など。
R:とにかく店には行きますよ。都内のブックオフ全部まわりましたよ。100店舗以上あります。あとマニアックなとこでは中野とか秋葉原にあるDVDショップとか。でもそういう店に何度か足を運んでいるうちに、次第に見えてくるんですよ。在庫に新鮮味がないことに。
I:というと。
R:ブックオフとか、神保町の古本屋もそうですが、新しいものが最近出てないじゃないですか。だから当然、見るものも、一回は見たことあるものばかりになってしまって。陳腐化です。サンショップ等で売られてる、海外物、日本物、いろいろラバーをちょこちょこ取り扱ったDVDとかもおなじです。新作が出てこない。日本物はあとが続かないし。全体的に、既存のコンテンツプロバイダが作る物はいまひとつです。
I:イベントなどへは行かないの?
R:ロフトプラスワンにこのあいだいったらPFC(ぴったりフィットクラブ)のチラシがありました。
I:PFCはどちらかというと全タイツ系だよね。ラバーとは素材が違うからあれだけど、熱心だよね。立派だと思う。
R:東京パーブのイベントもたまにALT-FETISHはリンク貼りますよね。
I:そう。応援してますから。あなたイベントへは行きます?
R:行きません。
I:なんで?
R:何となく気が引けます。ビビリ体質なんで。
I:このあいだ、ある演奏家が言ってたんだけど楽器の演奏家って、楽器を使ってどこまで音を究めるか、ということがまず至上命題としてあると。演奏家とラバーフェチ同じだと思う。ラバー素材のキャットスーツを使って、自分はどれだけの快楽を抽出できるか。ラバーフェチは、演奏家と楽器の関係と同じように、ラバーキャットスーツを深耕する。演奏家が、演奏家同士の交流を副次的なものと考えている(楽器に劣後するものと考えている)のと同じで、ラバーフェチもラバーフェチ同士の交流は、そもそもはたしてどうなのかと。
R:表現手段としてラバーを考える人たちがパーティーに行っているんじゃないですか。コミュニケーション手段というか。カリワンズさんとか、完全にアートの領域ですよね。
I:そうだね。ALT-FETISHも最近は接着剤だけとか、いろんな色のラバーシートだけの注文が増えているからね。みんな好きなものを作るようになって。とてもいい傾向だよね。僕には表現欲求はないかなあ……。
R:でも、ラバーフェチはパートナーがほしくなっちゃいませんか。僕なんかもキャットスーツ着てある程度一人で満足したあとは、どうしても一人じゃ物足りなくなってきます。パートナーと知り合うにはイベントしかない気がします。
I:そうだね。ALT-FETISHも、イベントとは違う形で、パートナー探しのお手伝いができたらいいと思ってるんだけど。
R:腐るほどの出会い系サイトとか掲示板と、差別化しないといけませんね。役得というか、ぜひ読者のみなさんに御願いしたいことがあるんですが……。
I:なに?
R:僕、ラバープレイができるパートナーを募集中です。この場で告知したいんですが、女性の女王様の方、年齢不問なんで御願いします。
I:はいはい。じゃあご希望の方はメールください。contact@alt-fetish.comです。取り次ぎますよ。さて、話をパートナーと出会えるサービスに戻すけど、とにかく出会い系サイトとか、風俗やパーティーでは今ひとつ確度が足りない。信頼性を高めるには、ヤフープレミア会員の与信システムが参考になると思う。あれはきちんと住所を持っている人じゃないと登録できない。ネットだけど、会員になるために一回必ず「郵便」でのやりとりがあるんだよね。掲示板にしても出会い系にしても、どうしてもオンラインだと一定のリスクがあるよね。ヤフープレミア会員が郵便という古い制度を使って与信を管理しているようにリスクをどこまで減らせるかが肝要だと思う。結婚紹介ビジネスみたいな感じがいいかな。信頼度の高い与信システムで、ALT-FETISHに行けば必ずラバーフェチのひとがいるという風にしたい。
R:女性のラバーフェチなんて、いるんですかね?
I:めちゃめちゃ少ないでしょう。よくて女1:男9くらい?まあ私の勝手な想像ですが。
R:このあいだ奥さんとラバー着てしましたよね? すごいですよね。奥さんはラバーフェチなんですか?
I:全然違います。お願いして一回だけ。マスクかぶりませんよ。あなたはどうなんですか。R:僕はやるんだったら、自分も相手も両方キャットスーツ着てほしいですね。何がしたいかというと、自分はMなんで、そういうプレイがしたいです。
I:ラバースーツってどちらかというとM用のスーツだよね。両方Mになっちゃうね。どんなプレイをするんだろうね。
R:今年は、CD-ROM写真集、あれかなりよかったですよ。
I:でもあれでは抜けないでしょう。
R:はい。でも、ああいうのを作るというのはいいと思いました。オリジナルで。
I:どこもやってないでしょう、あれは。なかなか自分でやっててレアだと思いますよ。
R:どうやって知り合ったんですか?
I:コスプレイヤーのチカさんを、ある店でお見かけして、でお店の人から彼女のHPを聞いてメールを本人に出したら色よい返事が来たんです。それであれよあれよという間に話が進みまして。
R:キャットスーツ似合いますよね。
I:似合う。すてきですよ。コスプレイヤーの人と何人か知り合いましたが、皆さん抵抗ないですよ。ラバーに。
R:今後は、お客さんにどんなイメージで作ってほしいか、聞いてみたらいいと思うんですよ。ストーリーとか公募してみてはどうですか。
I:そうですね。ストーリーとか設定をもとに作るようにしたいです。ただバックに布垂らして撮るんじゃ限界がありますからね。
R:そういえばこのあいだ、ラバーに全然興味ない友人を連れてきてやった実験、寒かったですね。
I:ああ、そうだね。ラバーギチギチのチカさんの写真何枚見せても、何のリアクションもなかったね。で、こういうのを着ている人とエッチできたらどうかって訊いたら一言───、
R:「じゃまだから脱いでほしい」
I:そう。まあそんなところだよね。ふつうは。ラバー着たら我慢できなくなってオナる僕たちから見ると宇宙人だよね。
R:だからキャットスーツ着てくれるコスプレイヤーの皆さん、ホントありがたいですよね。I:そもそも不快だからね、この服は。こうやってスーツ着て、君としゃべってると地獄だね、一刻も早く脱ぎたいんだけど。助けて。
R:何も、本当に着てしゃべらなくてもいいじゃないですか。
I:いや、リアリティーだよ。写真も撮るんだし。
R:汗が。すみません、エアコンの温度下げてもらえませんか?
I:はあはあ。あれ? リモコンどこかな?(ばたばたとリモコンを探して、設定温度を下げる) 設定温度18度でいいかな。ウォームビズもこれなら文句ない。ああーもう暑い、ダメだ。写真を撮ってもう終わらない?
R:うーん最後に、サロ、あれはどうなっちゃったんですか? 何かあったのですか? ALT-FETISHが自社ブランドとして立ち上げたのに、事業をデザイナーの渋谷氏に譲渡しましたが。
I:いやー、SALOは渋谷君には気の毒だったと思う。うちの事情で、これまで工房として使っていた不動産物件、賃料は実質うちが負担していたけど、売上高が少なすぎて負担できなくなってしまった、というのが分離の理由です。完全に消えちゃうよりいいでしょ。
R:じゃあ、SALO、今後は?
I:渋谷君の友達が自分ちで作ることになっています。新しい作り手の彼ですが、ちゃんと、服飾系の専門教育を受けている立派な若者でしたよ。たまたまこの近所なんですよ。これからも支援を惜しみません。ですから皆さんもホント、応援してあげてください。値段もうちの取り分が減った分、安くなっているんじゃないですか?
R:サロとALT-FETISHのオリジナルラバーキャットスーツ何が違います?
I:生地が全然違う。サロの方がいいですよ。4Dラバー社の、それはそれはいい生地を使っている。型紙も渋谷君がものすごい心血注いで作ったから、日本人体型にぴったり。今でも、サロのキャットスーツが、今日本で手に入るもののなかでは一番いいと思ってます。ALT-FETISHのものはあくまでコモディティとして、サロよりも必ず値段は安く設定して、普及をねらいます。うちのは中国で作ってます。
R:ALT-FETISHはゴスロリとかそういう方向へは行かないんですか?
I:うーん行かないと思う。サロはそっち方向にも訴求していくんじゃないかな。そういう意味では住み分けというか、共存できると思っています。
R:僕も手伝った六本木のバーでのチカさんの新作、いつ出ます?
I:2008年2月発売を予定しています。お楽しみに。
R:今日はありがとうございました。これからもALT-FETISHに期待していますから、がんばってください。特に、パートナー紹介ビジネスの展開と、あと独自コンテンツの充実を期待してます。
I:こちらこそ、ありがとうございました。うちとしては常に、品切れを起こさないというのが至上命題なんですが、CD-ROM写真集とか、出会えるツールのようなもの、新規に考えて実践していきたいです。
R:こういう対談の第2弾、ぜひ他のお客さんも入れてやりたいんですけど。
I:いいですね。ラバーフェチが語り合う機会ということでぜひ、次回対談に参加したい人はメールください。できれば女性がいいです、年齢不問です。真性ラバーフェチの方の応募をお待ちしております。contact@alt-fetish.com すいませんが対談場所(東京都内)へ来られる方に限らせていただきます。


※曲目リスト
人間椅子の『桜の森の満開の下』のなかの「東京ボンデージ」
まりちゃんズの『まりちゃんズの世界』のなかの「SM(サドマゾ)夜曲」
Primal Screamの『Evil Heat』のなかの「Miss Lucifer」
女王様物語の『女王様』のなかの「女王様物語」
筋肉少女帯の『SISTER STRAWBERRY』のなかの「いくじなし」
戸川純の『ツインズ スーパー・ベスト・オブ 戸川純』のなかの「コレクター」
玉川紗己子の『メキシカンRock A GO! GO!』のなかの「完全無欠の女王樣」
Basement Jaxxの『Tomb Raider』のなかの「Where's Your Head At」
少年ナイフの『Heavy Songs』のなかの「ラバーバンド」

※Rub武蔵野君がよくチェックするラバー関連URLリスト
2008.1.1現在、閲覧確認済み
http://mcxes-seres.kir.jp/macxes/home.htm
(ラバーフェチを題材としたイラストや短編小説の投稿がとても賑わっています)
http://www2.tokai.or.jp/myuma/
(商業紙にて成年コミックを執筆されている鬼薔薇さんのHPです。同人活動もなさっています。ラバーと鬼畜が好きな方にオススメです)
http://pksp.jp/psf-johann/
(パイロットスーツ着用のアニメキャラに特化したフェチサイトです。CGギャラリーが充実しています)
http://www.sunshop-net.com/
(SMや緊縛関連の書籍やDVDが充実しているお店です。秋葉原に立ち寄る機会があれば立ち寄ってみることをオススメします)
http://www6.himitsukichi.info/up/cosplay/latexcult_17/
(画像掲示板です。ラバーのほかにコスプレ等のスレッドもあります)
http://pksp.jp/plasticxyz/?o=3&
(投稿系のサイトです。素敵な写真が沢山見られます)


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