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ラバーキャットスーツを中心とする服装倒錯系のマニアは、伝統的なSMカテゴリーのなかではごく少数です。したがってこの雑誌を私は買ったこともなければ、読んだこともほとんどありませんでした。しかしながらS&Mスナイパーといえば日本のSMカルチャーを代表する媒体です。そこから取材を受けたことはまずは光栄なことだと感謝しなければなりません。
S&Mスナイパーのなかで私が写真を提供したそのページ、たしかに他のページからやや浮いています……。そのページはS&Mスナイパー 2008年4月号 P189
SNIPER FORUMの扉の写真ページです。モノクロです。期間限定発売の荊城チカさんの写真集CD-ROM(撮影・市川哲也、発売・ALT-FETISH.com)からの一枚です(このページ後半に掲載)。チカさんも、この雑誌に掲載されることを喜んでくれました。
このページに写真を供出するにあたり、市川哲也は、ラバーキャットスーツ専門カメラマンとして取材を受けました。その模様はウェブサイトWEBスナイパー SM情報ポータル ワイレア出版に詳しいですので、ぜひご笑覧賜りますと幸いです。顔出しは、私の顔を知りうる人の「プレミア感」維持のために今回見送りました。
日本のSMカルチャーは、世界でも独自の発展を遂げていると考えています。縄で縛る。ボンデージファッションを着用する女王様。鞭。ローソク。そこには、欠くことのできないフォーマット(型)が存在するように思います。この型というのが、非常に重要で、私たちがラバーフェティシストになったのも、世に存在するさまざまなビジュアルの中から、一定の「型」を繰り返し見てきたことの結果なのです。それはたとえば、ヒーローヒロインもののアニメや特撮のコスチュームや、ライダースーツ、母親のブーツ、そしてSM女王様のファッションなどです。型は、メディアの作り手が、その表現物に込めたいコンセプトを、具現化する具体的なストーリーのなかで採用するコスチュームとキャラクターの言動の組み合わせのことです。型があったからこそ、私たちは強くて繰り返しの刺激にさらされて、フェティシストとなったのです。
私の大好きな型、それは、私も相手もラバーキャットスーツをスタイリッシュに着こなして(滑稽であってはならない)、普通に性的な、身体の交歓を愉しむというものでしょう。ですから、その型はSM雑誌には一切出てきやしないのですが、しかしこの雑誌には私たちが依拠する型の片鱗、それもルーツに近いような重要な幾ばくかが、精霊のように静かに宿っているのです。
取材にやってきた、スナイパーの編集者、ハル吉氏は、てっきり大学受験生がそのまま大きくなったような、そんな雰囲気のまじめな男性でした。編集者としてのキャリアは短かったのですが、MARQUISとか、私が昔作っていたインディーズ雑誌FATIGUEに異様に興味を示してくれ、2冊とも買ってくれたのが印象的でした。編集や雑誌作りに情熱を燃やす、まじめで優秀な編集者がまだこうしているという、それはもちろん、当たり前といってはそうですが、ひさびさに「実物」を前にすると新鮮な感動に包まれたものです。饒舌にしゃべった私のインタビュー記事、ちょこっと校正段階で私が加筆修正はしましたものの、立派なコンテンツになったものと自負します。このページが掲載された2月最後の日、ハル吉氏はスナイパー編集部を去りました。これもまた、流動性の激しい編集業界では驚くことではありません。
なお、「写真家」市川哲也がラバーキャットスーツ姿の貴方の写真を撮り下ろします。ご興味ある方は写真添付の上、「市川哲也モデル志望」と件名に必ず明記の上、メールで応募下さい。件名が違う場合、フィルタリング処理によりメールが届かない場合があります。メール宛先 contact@alt-fetish.com
【S&Mスナイパー本誌(2008年4月号で市川哲也の写真が掲載されました】
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