美女、美女がまとうレザーコスチューム。ゴージャスでグラマーな人間の美の恍惚とする増幅。その作用が黒のレザーやラバーがもたらす力の本質。flickr.comのpathw_leatherで(2007.7.16)。
↑映画『アンダーワールド エボリューション』(2006米)から。前作『アンダーワールド』と同様、主人公セリーンが着るのは全身にタイトにフィットしたラバーキャットスーツ。美しいコルセット、ラインが入ったガントレットが素晴らしい。続編ということで、このフェティッシュビジュアルがヒットに大きく寄与したことは間違いない。
↑映画『アンダーワールド』(2003米)から。平服のキャストたちのなかで、主人公セリーンのラバーボンデージスーツが目立つ。ビザールストレートにいかないよう、ブーツはコンバットブーツふうでヒールではない。襟元のジッパーは少し下ろしている。グローブははめていない。
アイドルタレントによるゆうパックのチラシ。テーマカラーの濃いブルーと赤をアクセント的に取り入れた衣装。ベースはPVCっぽい素材のトップスとホットパンツ。サイハイ(腿まである)白のロングブーツ。太ももを出すか、出さないかで訴求力は大きく変わってくる。また、OKマークをしている右手だけロンググローブをはめている点も見逃せない。片手だけはめることで、マークが生きてくる。キンキーな衣装にもかかわらず、ヘア・メークは抑えめ。ここで突飛なことをせず、あくまでそのときどきの流行に即したメークを選んだのは私たちも学ぶべきだ。SMの顧客やコスプレカメラマンが対象ならいざ知らず、今風のプロのメークをきっちりこなすことが私たちのフェティッシュの要件として不可欠なのである。少なくともメークはしていることが分かる程度、これが最低要件であり、次にはじめて内容が問われる。
ラバーフェティシズムのイメージの教典と呼んでも差し支えないL.A.TEXのフォト。皮膚とラバーのあいだには寸分のすきまもない。
ブリトニー・スピアーズのベスト版アルバムCDジャケット写真(2004.11)。フェティシズムの要素がいっぱい詰まっている。
Alt-fetish.comのテーマである、光る黒い素材、身体にピッタリと貼り付く素材は、万人に訴求する最強のエロティシズムである。写真は小麦色に日焼けした皮膚に薄くオイルを塗って光沢を出している。マイクロミニのパンツと黒のレザーのトップスに負けないために、この肌のつやが必要となる。口元は、媚びを売る笑いなどは一切なく、なにか挑戦的なことを今にも言い出しそうな、緊張感のある状態でやや開いている。非日常感と性の幻想を触発する現代のエロスの女神がベスト版に選んだ写真の演出は、古典的なフェティシズムの手法であった。
情報、特にビジュアルの洪水の中に暮らしていても、フェティシストたちの鋭いアンテナは常に新たなものを求め続けている。ファッション、写真、ミュージック、そしてポルノ、あらゆるカテゴリーから、フェティッシュな「光線」が発せられている。
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