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AIKO──待ちに待った! 僕らのジャパニーズ・ラバー・クィーンついに登場!
「私のような考え方の人達が増えれば、これからのフェティッシュシーンは明るくポピュラーなものへと進化してゆくはず。暗いイメージだったのは、もう過去の話。もっとオープンにあくまでもカッコよく取り入れていって欲しい──」
 生粋のラバー・ガールがついに登場。名前はAIKO。オルタ・フェティッシュが皆さんに自信を持って紹介しよう。
 1970年代生まれのAIKOは、かのラバー・ブレイン(cf.フェティッシュ・サイト・ディレクトリ)の主宰者、YUさんに薦められたのをきっかけにラバーの魅力のとりことなる。それ以来、ラバーのかっこよさをひとりでも多くの人に伝えたいと願いながら、パートナーのカメラマン、三宅史郎氏とともにプライベートなフォトセッションを繰り返して、ウェブサイトで公表したり、イベントに積極的に参加している。
 彼女は見事な美しさ、プロポーション、そしてラバーアイテムを着こなす素晴らしいセンスを持ちながら、確固としたフェティッシュ感を自ら確立している点で正真正銘のラバー・ガール、ラバー・クィーンといえよう。彼女が他のフェティッシュファンやグラビアモデルと一線を画するのは、その類い希なる価値観に裏打ちされた知性だろう。フェティジスムを、等身大の「私らしさ」をアピールする格好の材料としてとらえ、それにあえてコミットメント(ハマる)していくことによってそこからバイタリティーを得られると彼女は考えている。
 この健康的でポジティブな考え方こそ、オルタナティブなフェティッシュそのものだ。女性は、自らの性の欲求や方法についてもっと発言し、議論するべきだと考えている。そういう点で、彼女の発言(インタビュー参照)は、多くの女性を勇気づけ、追随する者を生むに違いない。
 さらに重要なことは、彼女は経済的に自立した女性であり、パートナーもまた、大手メディア企業で活躍する一流のフォトグラファーという事実だ。こうなると説得力が違う。AIKOのような実践するフェティッシュ・ガールが、カウンター・カルチャーにその立場を置くのではなく、あくまでメインストリームの中から立ち現れてきたのは、まさに現代的と言える。というのも、今や多くの若者は、アメリカで顕著なように、じつに軽々と既存のシステムに適合しながらも、主体的に自らの人生をコントロールし、表現していこうとしているからだ。もちろん、そのプロセスを通じて、彼ら・彼女らは新しい社会の枠組みを築きつつある。
 彼らのこうした動向は、少子高齢化という世界的規模で進行する事態に、いかに人類として適応していくかに深く関連している。つまり、動物として必然的に持っている性的衝動を、生殖目的以外の目的に振り向ける多様性の開拓である。それがオルタナティブなフェティシズムであったり、仕事だったり、あるいは相変わらず家庭だったりする。AIKOは性的記号としても強く意味づけられているフェティッシュ・ギアをクールに身に着けることによってむしろ性を超越した、新しい人類の地平を切り開こうとしている。
 神社でなにかに憑依されたかのようにたたずむ、ラバー・ガール、AIKOの写真は、私たちに次に来る時代の道しるべを示していると感じるのは筆者だけではないだろう。
 いずれにしても、彼女のようにかっこいい「開拓者」が、今まさに誕生したのだ。もう大丈夫だと私は安心している。これからは、日本でももっと女性は気持ちよく、自分らしさを自由に追究し、表現できる時代が来るだろう。彼女に従い、そしていつしか彼女の存在を超える第三の「ガール」が登場するのもまた、時間の問題だ。筆者はもちろんのこと、AIKOだって、それを待ち望んでいるに違いない。
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インタビュー
ALT-FETISH まず生年月日とか出身、職業といったことから教えて下さい。
AIKO 生年月日は197*年1月1日。血液型はA型、長崎県出身で、今は東京で会社員をしています。身長は165センチ、スリーサイズは83、59、88です。
ALT-FETISH ラバーに関心を持ったきっかけはなんですか。
AIKO 知人の口車に乗せられて(笑)。着た瞬間「これだ!」と思いました。開眼。
ALT-FETISH 好きな映画やテレビ番組で子供のころ影響を受けたと思われる作品は?
AIKO 「銀河鉄道999」「キャッツアイ」「コブラ」
ALT-FETISH SかMどちらのほう?
AIKO SとM、その両極がどちらも際立って強い性格。どちらが出るかは気分次第。
ALT-FETISH あなたにとってのセックスは? また、セックスにおけるラバーの意味は?
AIKO 信頼のおけるパートナーとであれば、楽しめる範囲でどんどん開拓してゆきたい。ラバーは「エッセンス」。自分のボルテージを上げてくれるという理由においてオーガズムとは密接な関係にあると思う。
ALT-FETISH ラバーを着るときにどんな気分になる?
AIKO (ラバーは)ファッションの延長線上。ラバーは見せる快感もさることながら、着た感覚が何よりも素敵です。「第二の皮膚」と呼びたくなるようなフィット感、愛くるしい拘束感に思わず眠りにつきそうになってしまいます。とにかく気持ちいい! 凛とした女性の強さとまろやかなフォルムの露出はある意味、理想系。私の姿を多くの人に興味を持って見てもらいたい。
ALT-FETISH ラバー以外ではどんなアイテムが好きですか。またどんなプレイにトライしたい?
AIKO コルセットは締め上げることでの身体的不自由さが、心の開放を促すから好き。縛りや目隠し。
ALT-FETISH あなたのフェティッシュ観を教えて下さい。
AIKO そもそも「フェティッシュ」とは偶像崇拝の原意があります。性的な意味で、何かの部分にハマること。それが私にとってはラバーだったというだけの話で、誰しも多かれ少なかれそういう「フェチっぽい」感性は持っているはず。オタク気質の一部でもあるとも思います。そういう感性を大事にし、素直に「よい」と言える人生は、何にもまして私の「私らしさ」を際立たせるものです。
 一部に、フェティッシュに対する男性の一方的すぎる傾向、勘違いがあることを承知しています。これは残念なことです。ラバーだからこう、とかフェチだからこう、とか何でも定義し安心したがるけれど、その考え方自体がもう古い。もっと頭も使いましょう。フェチからどう「トベる」か。でも、エロは大事な要素であることに間違いはありませんね。ALT-FETISH あなたはどんな人間だと自分で思いますか?
AIKO より動物に近いニンゲンだと思っています。きっと生まれつきでしょう(笑)。感覚は大事に、退化させない。イメージ的には、自分の中にスイッチがある感じ。絵でも、写真でも、音楽でも、文字でも、私を取り囲む「世界」全てが、その対象になりうる。よいと思ったことに対しては、頭より身体の方が素直です。犬的分かりやすさと猫的しなやかさの混在系。それが私です。
ALT-FETISH オルタ・フェティッシュの読者に向けてメッセージをお願いします。
AIKO 私のような考え方の人達が増えれば、これからのフェティッシュシーンは明るくポピュラーなものへと進化してゆくはず。暗いイメージだったのは、もう過去の話。もっとオープンにあくまでもカッコよく取り入れていって欲しいと思います。「実用」だけでは、センスは磨けない。美的感覚、「感性」を私と一緒に磨いていきましょう。感性の世界は無限です。どこまで広がるかは、あなた次第です。2001.7.17
 
 
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