巻頭言
1990年代に、フランス語版のMARQUISを出していたことがあった。No.8-31。でも時期尚早だったようで、我々はフランス語版の刊行をやめた。ところが最近になって、フェティッシュシーンではフランス発の話題がホットだ。モデル、クリエイター、フランス出身の注目すべき才能を、この号では紹介する。パーティーシーズンになった。ジャーマンフェティッシュエボリューション、ジャーマンフェティッシュボール、スキン・トゥーラバーボールなど盛りだくさん。今号でも、すばらしい才能、アート、ファンタスティックなファッション、興奮する小説など盛りだくさん。楽しんで!
主な内容
おそらく今世界で現存する最も優れたフェティッシュファッションマガジン。ラバービザールとハイファッション&マスカルチャーの橋渡しを頑固一徹なドイツのオヤジ、ピーターが続ける。ラバーフェチという枠は完全に取り払われ、もはや最先端アート、ファッションが生まれる最初のビッグバンの現場。息をのむ美しい写真たち。ネットじゃ味わえない紙の匂い、写真の美しさ。記念すべき50号は絶対に買い逃してはいけない。そもそも定期購読者分しか印刷しないから、あとで急にバックナンバーを買おうと思っても、絶版になっている(絶対に重版しません)。そこのところに十分注意しないといけない。世界的な雑誌だし、数も限られ、在庫保管期間も短い。つまり一生に一度しか買うチャンスはないと言っていい。MARQUISはいまや極めて貴重な世界文化遺産と言っても過言ではない、紙の定期刊行物である。最新号を格安で販売しほとんどのバックナンバー在庫を揃えるのは日本でALT-FETISH.comだけ。
特集の特別抄訳
初めてのラバーフェチ総合ガイド本「RUBBER LIFE」について。この本のプレビュー記事は6ページにおよぶが、ラバーの初心者がいかにラバーの服を揃え(男女それぞれ!)、この世界にあるコミュニティーのイロハを知り、そしてそのなかでいかにパートナーを見つけ、どうプレイをするべきかが書いてある。これは気になる、というわけでALT-FETISH.comが特別に当記事の内容を抄訳!!
(以下この特集の抄訳)
ラバーフェチの情報は今日ネット上にあふれいろいろ画像とか見ることはいくらでも出来るが、あなたは、自分がラバーフェチだと思ったのなら、ネットで時間をつぶすだけじゃ満足できない。行動することが必要だ。まずは基本のアイテムを揃えることからスタートしたい。自分の欲求はなにかをしろう。感覚遮蔽? それともメディカルプレイのためにラバーを必要だと思った? あなたの欲求を満たす服をゲットするのが先決だ。
男女別にレクチャーしよう。たいていの男性ラバリストは、ひとそろいのラバージーンズとラバーTシャツからラバーアイテム集めをはじめる。これらの基本アイテムがあれば、ラバーを着るということがいったいどういうことか、とりあえず体感することが出来る。ジーンズとTシャツは着回しがしやすく、これから集める膨大なコレクションとの相性もいい。
女性ラバリストは、シンプルなスカートとトップスの組み合わせ、あるいはドレスをそれに加えてもいい。これなら、男性とのロールプレイングでも自在に着回せるし、フェティッシュイベントのドレスコードにも適合する。
ラバーのコスチュームは大別して成型ものと貼り合わせタイプに分かれる。立体成型は大量生産されて値段も安い。それに対し、ラバーシートに糊を付けて貼り合わせて作っている貼り合わせタイプは、一つ一つが職人によるハンドメイドであり、デザインもオリジナリティーが高く値段も高い。
立体成型のラバーコスチュームは型に液体ラテックスを流し込んで作る。そのあと乾かして、硬化するためオーブンで焼く。いろんな色が選べる。しかしいったん立体成型タイプのラバー製品が裂けると、修復は難しい。立体成型タイプは、グローブ、ストッキング、パンティーやブリーフといった小物に適している。
貼り合わせタイプのラテックスコスチュームはラテックスシートから出来ている。普通の服の製造工程と同様、パターン(型紙)から切り出して作る。切ったあと糊で貼り合わせる。
パーティーでは、ドレスコードに厳格に従わなければならない。たいてい着替える場所があるから、会場に着いたらすぐに着替えよう。パーティーでは次の行為は禁止されていることがほとんど。全裸、体液を出すような行為、写真撮影、性的な接触など。あとオタクは社会的コミュニケーションスキルが下手。経験を通じて、社会的スキルを身につけてほしい。相手の属性を知っているからといって、相手を知っていることにはならない。まずは会話をしてみよう。会話を通じてお互いの関係を改善することが出来る。
ラバーフェチのパートナーを見つけられたらどんなにすらばらしいことだろう。でもたいていのラバーフェティシストは、それはどだい不可能な話だと思っている。でも、必ずしも、無理だとは思わない。あなたがパートナーに求めることを自覚していて、どういう場所に行けば、潜在的なパートナーに巡り会えるかを知っていればね。
ラバーフェチのパートナーを見つけるコツは、ラバーフェチに限らずその他の大切な人生の伴侶を見つけるコツとほとんど変わらない。正直に自分を開示して、あなたが求めていることを説明すればいい。リラックスマインド、オープンマインドで。やっちゃまずいのは、自分のことをゆがめてあるいは、偽って相手に伝えること。
ラバー関連のSNSで、相手との関係の様々なタイプに応じて、自分のプロフィールをどう書けばいいだろうか? もちろん、相手に魅力的にうつるよう、よく考えて書く必要がある。また、相手にとって自分は安全であること(理性的に振る舞えること)もきちんと説明することが重要だ。これがないと、誰も見ず知らずの人と会おうなんて気にならないだろう。パートナーが見つかったら本当にすばらしい体験が待っている。
はじめてラバーフェティシストのパートナー候補と会う体験はファンタスティックですばらしいが一方で、その経験からあなたは、パートナーとの関係に何を求めるのかをあなた自身が知ることになる。あまりにもたくさんのラバーフェチのバリエーションがあるから、パートナーが好きなある1つの活動(対象)が、あなたのそれと一致することはほとんどない。ラバーライフスタイルキャリアの長短の違いもまた、あなたとパートナーの相性の不一致の原因となる。
ラバーパートナーの類型は大きく分けて次の2つだ。パーティーに一緒に行ったり、ラバーについての会話を楽しむけれども、性的なラバープレイをしようとは思わない「友達型」。そして、もう一つは、ラバープレイを楽しむ「プレイ相手型」。
プレイ相手の場合は、双方に、ボンデージやフェティッシュな活動、実体験に強い関心があることが前提となる。プレイ相手との力関係は、主か従のどちらかになる。あなたは自分がどっちかをプレイにあたって決めることになる。もちろんプレイの最中にチェンジするのもありだが先方もそれは同意していなければならない。さらに、相手は同性がいいのか、異性がいいか、あるいは両方OKなのかも把握しておきたい。
パートナーの相手方が、グループの中でとっかえひっかえしてもいいのかそれとも、自分だけと付き合ってほしいと思っているのかももちろん事前に確認しよう。つきあいが深まってから、じつは他にもパートナーがいるなんてことになったらトラブルになる。そういうことを防ぐためにも、あらかじめ、関係の排他性(ラバープレイの相手方として、自分だけか、そうでないのか)をはっきり確認しよう。
ラバーフェティシストの多くは、紳士的で礼儀正しい。ラバープレイのなかには、窒息系や動きを拘束するといった危険なものも含まれるから、相手が紳士的で相手の安全に十分配慮が行き届き、双方で尊重しあえる人格者であることは重要なポイントとなる。プレイの前に、相手がそういう資質を備えているのかどうか、慎重に見極めよう。(日本語抄訳:市川哲也/ALT-FETISH.com)
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